すべてのおすすめ
海に似せた塩水の中で
アサリが生きている

暗い冷蔵庫の中で
触手を伸ばし
冬の海だと勘違いする

時々さみしくなって
ステンレスボウルの海底で
誰かを探してキュウと鳴く

わた ....
砂埃の舞う通りを
風鈴屋が行く
わたしは手をとめ
格子戸の隙間から
そっとのぞく

リヤカーを引くのは
妙に血色のいい男
ほんとうは人買いなんだと
おかみさんが言う

色とりどり ....
冬の朝のフローリングは
薄い氷が張っている

朝一番に起きて
冷たい氷を踏むのは私の役目
ぱりんぱりんと音をたてて割り
かまどに火を入れ朝食を作る

陽が昇り
村人たちが起きる頃
 ....
犬に
おやつをあげました
これきり、と言うと
少し節目がちになり
それまで動いていたしっぽが
ぴたりと止まります

正直な犬
おまえは決して嘘をつかないから
嘘をつく人間は
失われ ....
コーンスープを飲むころには
カップは既に熱さを失い
一気に飲み干せば
底に
意地悪く溶け切らない
塊がある

底に
溶けてはいけない
塊がある

底に
許さなければいけない
 ....
殺さないでください
いつかは
死ぬ運命だとしても

殺さないでください
ほら 
私の息は
おもちゃのラッパを鳴らすことだって出来るのです

あなたが私に買ってくれたラッパです
これ ....
親指が落ちている
孵化できなかったさなぎのように

雨に濡れている誰かの親指
生まれ変わることが
喪失の上のなりたつならば
感傷ははなから捨てなければならない
でなければ
君のように
 ....
柔らかい つのは
とても臆病

誰かに触れるたび
驚いたように
身を縮める

もうこれ以上傷つけあいたくないのです

この世がそんなに怖いなら
堅い殻の中に
ずっと眠っていればい ....
赤ちゃんがいると
赤ちゃん言葉をしゃべりたくなるのは
ちょっとだけ
赤ちゃんになると
楽しくなるから

みんな赤ちゃんの頃があったのに
記憶はないから
二度目の赤ちゃん役をやってみる
 ....
サンズイに雨、
雨がふると
淋しくなります

しとしと言う雨も
ざあざあ言う雨も
ぽつぽつ言う雨も
どんな雨だって
淋しくなります

地面の下に埋めた
あなたの骨は
永久に芽を ....
やまびこは
いつだって待っている

誰かが
自分の方へ
声をくれるのを待っている

やっほーに
どれだけの意味があるのか
ないくてもいいし
もちろんあってもいいのだが
ただ
や ....
それはつややかで
長い眠りを経て
化石が光輝く石になるように
半透明のクリスタルのように濡れて
小さな歯茎から芽を出した

そろそろと目覚め始める頃

歯のない人生にさよなら
歯のあ ....
空に飛ばすもの
紙飛行機
手から与えられた動力だけで
人には真似できないことを
いとも簡単にやってしまう
おまえはいつだって軽いね
たった三秒の空中飛行に
まさか私が希望なんて
重たい ....
秋という字に
小さな火がともっている

稲穂が黄金色に実ると
満月の夜
野うさぎが
提灯に火を入れて回る

秋という字が
お月さまからもよく見えるように
ふわふわの毛布に
くるまって寝ると
夜の間に地球は冷えていき
私は
発熱する生き物になっていた

産み落とされた卵は
人生を優しく促されるように
あたためられ
私の ひよこは知る
 ....
旅の途中で
人間という乗り物を選んだ時
わたしは
翼を捨てた

翔ぶ力を失うことと引き換えに
それに見合うだろうと
思える力を
もらったはずだった

後悔はしてないが
時々背中に ....
心が弱っているときは
余計なことが
 (巧妙に隠された冷たさとか)
見えてしまう
それで勝手に
傷ついたりする

心が弱っているときは
余分なことを
 (キャラメルのおまけとか)
 ....
出がけにかがんだ拍子に
傘立てをひっくり返してしまった
ありゃりゃ
傘の柄がポケットにしがみついている

学童用の黄色い傘
自転車通学している
中学生になった子供のものだったが
そうい ....
闇がやってくる
やがて
海と空の境界線をうやむやにする
闇がやってくる

完全なる闇の中で
闇を知ることはできない

闇を知ることは簡単だ
ぼんやりとでも
灯りをともせばいい

 ....
おまえも ころもがえするんだろうと
犬に話しかける

ええ そろそろ冬毛が生えてくる季節です
けれど 私には長袖も半袖もありませんし
化繊や木綿や絹だとか
細かな品質表示はもとより
陰干 ....
よしだ自転車

マドモワゼル美容院

スーパーコスモス
夜10時までやってます

パーラーラスベガス

猫を探してます
見かけた方はジェリー佐藤まで

スモッグ注意報発令中
 ....
治りかけの小さな傷は
ちょっと痒くなる

我慢できなくなって
その周りをおそるおそる掻いてみたりして

治ってしまえば
こんな小さな傷のことなど
きれいさっぱり忘れてしまうだろうに
 ....
教会に行く小径で
野ぶどうを摘んだ
手のひら
いっぱいにのせた
紫色の小さな実
食べるわけではないのに
文句も言わずに摘まれる優しい実
あの頃の
わたしの宝物だった

欲張りな少女 ....
これまでも
世界の秩序が狂ったことはあった

その結果
それまで うまく棲み分けられていた人々がまじわることで
多くの不都合が生まれたのだった

紙の民の一人であるミス ドリアンは気象の ....
一枚の紙の軽さを想う
一冊の本の紙の重さを想う
数冊の本の紙の重さをさらに想う
いつしか私自身の重さを軽々と超えていく


一枚の紙の厚みの薄さを想う
一冊の本の束ねられた紙の背表紙の厚 ....
いつもそれは突然だった
その日のために まるで気配を消し去る魔法を操っているかのように

トルソーには腕も足も頭もない
それはきっと造形の芯

トルソーは不完全であることを堂々と嘆いている ....
出かけるのなら
帽子を被ってお行きなさい
いざという時には
バケツになるから

出かけるのなら
傘を持ってお行きなさい
空から降ってくるのは
優しい雨だけと限らないにしても

出か ....
冷えすぎません
電気要りません
上の空間に氷入れます

その氷が溶けるまでです
わたしがアイスボックスでいられる時間は

あなたからもらった
昨日の茉莉花が
せめて今日だけでも
芳 ....
空がせつなく見える日は
誰かのためいきが聴こえる

ためいきは
透明の煙になって
立ち上り
つどいあって
やがて白い雲になる

空がせつなく見える日は
あなたもためいきをついている ....
朝起きたら
おもいのほか寒かったのです
肩がひんやりします
すっかり秋ですね
早起きしても
ひぐらしの声はどこにもありません

朝起きたら
寝違えていたのです
眠りながら何かを間違う ....
ただのみきやさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(831)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
擬似世界- そらの珊 ...自由詩16*12-10-22
風鈴屋- そらの珊 ...自由詩8*12-10-21
冬の朝のフローリング- そらの珊 ...自由詩20*12-10-19
失われた私のしっぽ- そらの珊 ...自由詩7*12-10-19
- そらの珊 ...自由詩612-10-18
殺さないでください- そらの珊 ...自由詩912-10-18
親指- そらの珊 ...自由詩1012-10-17
柔らかい_つの- そらの珊 ...自由詩1612-10-16
ばいばい- そらの珊 ...自由詩15+12-10-15
淋しい林- そらの珊 ...自由詩1712-10-14
やまびこ- そらの珊 ...自由詩10+12-10-13
野蛮人にお成りなさい- そらの珊 ...自由詩7*12-10-12
フライト_シュミレーション- そらの珊 ...自由詩11*12-10-11
秋という字- そらの珊 ...自由詩14*12-10-10
夜に卵をあたためて- そらの珊 ...自由詩10*12-10-10
肩甲骨- そらの珊 ...自由詩20*12-10-9
金木犀- そらの珊 ...自由詩15*12-10-8
淋しい傘- そらの珊 ...自由詩14*12-10-7
夜光虫- そらの珊 ...自由詩17*12-10-6
ころもがえ- そらの珊 ...自由詩16*12-10-5
暗号の街- そらの珊 ...自由詩13*12-10-4
メモワール- そらの珊 ...自由詩33*12-10-3
野ぶどう- そらの珊 ...自由詩20*12-10-2
砂の民- そらの珊 ...自由詩11+*12-10-1
紙の民- そらの珊 ...自由詩17*12-9-28
トルソー- そらの珊 ...自由詩1112-9-27
おせっかい- そらの珊 ...自由詩16+12-9-26
アイス_ボックス- そらの珊 ...自由詩11*12-9-25
ためいき- そらの珊 ...自由詩812-9-25
なで肩の運勢- そらの珊 ...自由詩17*12-9-23

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