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いいって 気にすんな
そう テーブルの上の
サイコロが 言った
そこで 僕は
この肩に 乗った
もろもろの 煩いを
サイコロに なすりつけて
もう一度 転がしてみた
キン キン ....
毎年ダイエットや、
禁煙の誓いをするひとがいるように、
ぼくも、
今年こそ、
風俗断ちを誓いたい。
もっとも、
ダイエットや、
禁煙は、
健康のためなのだろうから、
むしろ、
....
里山野原に
にょきにょき生える
極彩色のグミの木は
食べたらだめだよグミの実を
あもあもあまがみ
くちゃくちゃぺっぺっと
吐き出せば
もこもこ増えて繭になる
....
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現状認識
悔恨と希望、両極端に振れる
不安定な時代を生きる
情景は印画紙に焼き付けられ
その意味は後から知るこ ....
朝起きたら、外に出よう
白い息を吐きながら
此畜生と吐きながら
かくれんぼの鬼になって
数を数える
風は吹く
髪に、顔に、肩に、影に
片側通行の海岸通りを
傘が飛ばされて、わたしは
過去を軽くしようと思う
限られた時間と
可 ....
くろい猿が
しろい脱臼をする
夜
きみの寝室で
アメーバが鳴いている
だいたい僕が書いてるものは何だろう
半分ほど埋まったノートを見て思う
やはり僕の中には無数の猿が叩くタイプライターが存在するのだろうか
薄暗い廊下に並んだ果敢な類人猿の挑戦を
選んで指先に ....
かこぉん・・・と靴音
軋む、非常階段
感情を言葉に変えた瞬間から
わたしは
燃えないゴミのように無機質な
存在に変わってしまうのだろう
語りすぎるのは
良くないことだ
見つ ....
これは嘘の雨
かろやかなハリボテのよう
びゅうびゅうびゅうびゅう
大袈裟な風
ナナメヨコマエから
パサパサ顔を撫でる
コソバイぞ
向こうの空は晴れていて
....
月は敵でも味方でもない
その光は冷え切ったこの身を温めてはくれない
ただいつも美しく
いつも見つめてくれるだけ
月は訴えることはしない
だが証人にもなってはくれない
寡黙な隣人だ
星もそ ....
街をかき混ぜた風が
雲を溶かして
太陽に飲まれていく
出来るだけ優しくて
バラバラな想いで
音のない一瞬に空が
鼓動を溶かして
内側に脈打っていく
出来るだけ優しくて
....
おめでとう
めでたい日も今日でおしまいだ
めでたくもない
あたしの冷えた部屋は
去年のまんま
無理やりつくった笑顔みたいな
口ぱくのおめでとうは
だれの胸にも届かず
ひっそり鏡には ....
赤い鉄橋が
鳥居のように立ちつくす
影の硝子の奥の午後
さわれぬ光をさわらず昇り
灯は街から剥がされて
夜は緑へ緑へ向かう
昇りゆく灯のさらなる上を
虎は ....
妻にまかせずに
自分の手で一つ一つ
持っては重さをしらべ
虫食いはないかしらべ
一番ずっしりとして
長持ちしそうなやつを
一個だけ選びだした
家に帰り まな板の上
そのきゃべつを一刀両 ....
あなたは
僕の影を見つけてくれた
重なる痛みは
愛おしくて
切なくて
優しくて
この気持ちも
明日には
はぐれてしまうん ....
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青春 / 矛盾する感情に流されるままに
青春って何だ
捨てられるものさ
だから忘れられるもの
もっともっともっと、感じてく ....
窓硝子から流れ込む 午後の陽光に
植木鉢の スパティフィラムが
静かに 溺れていく
凍えた足首を燃やす 電気ストーブ
郵便ポストに忘れられた 年賀状
西向きの食器棚から 背伸びして外を見 ....
長年やってきた
自分というものを
衣服のようにスルスルっと
脱ぎ捨てられるなら
別の物語の主人公にも
なれるかもしれないが
すべてを新しくしたつもりでも
自分という本質は変わらない
....
自転車の ペダルを漕ぐ
すると世界も 一緒に回りだす
夕暮れの街並みは
河川敷の 向こう側
なだらかに傾いた 地平線に震えて
ゆっくりと 夜に向かって 滑り落ちていく
泉を横目に ....
いつもこんな具合に過ぎていく年の瀬
露天に並ぶ裸電球は飴色をしていて
なんだか同じような毎日と風景が
経た年月とともに霞んでいく
空き地でいそいそと
木のはぜる音と燃える ....
師走、大手町に佇む
結論を先に述べれば
大手町は冬が似合う
春は似合わない背広を着た集団がおしゃべりをしながら行き来し
秋には忙しそうに眉間に皺を寄せた人々たちが行き交う
夏はいけない
....
待つことは
かなりじょうずな方だと思う
だましだまし
夢転がしながら
とて とて 歩く
キノセイなんてつぶやきも
しないことにする
風が吹く
とて とて と
窓の曇りを指先で ....
蛍光色
に
近い色合いの、液体
を飲む。
島と海
国
錠剤。
食べ過ぎたおれ
は死ぬ
こと
を
せん妄し、
雑巾
を絞る。
壁を拭く。
硝子障子
を
なでる。 ....
掃除機で吸っているのは
捨ててしまいたい記憶なのかな
君の横顔さえも綺麗にみえる
よそゆきの部屋になってゆく
新しいことが
そんなに素敵なことなのかと
横をむく僕の存在は
取り残 ....
西日でぬるくなった床に
灰色のハンチング帽を落とす
埃の膜がふんわりと散って
光の白い模様を描く
リュックサックをベッドに抛って
窮屈なコートをハンガーにかけ ....
世界の果てには物語が待っていると思っていた
幼い誤解そのままに生きてきた
物語は僕自身だと知らずに
沢山の街を通ってきたし
最後の列車にものった
季節が変わるのを ....
小さな冷たい森の中の
白く可愛らしい喫茶店で
少女が朝の紅茶を飲んでいる。
少女の華奢な肩の上では
うぐいすが首を傾げて
こくり こくり
居眠りしている。
1人の ....
高い空から
ゆっくりゆられ
ゆっくりゆられ
落ちてきた
ひとひらのゆきのかけらは
頬をひやりと撫でて
消えていく
耳奥のずっとまだ奥の
しぃーんとした
....
小さな虫が
私の絵の中で死んでいる
6号カンバスの隅っこで
描きかけの絵の具に肢を取られて
チタニウムホワイトの上で死んでいる
ささやかな着地の代償として
ささやかな苦悶に果て
ささやか ....
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