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  テーブルにのっていた
  紙きれを払いのけ
  かわりに君は小石をのせた



  それから僕たちは
  慎重に言葉をえらび
  他愛ない話をし
  ベッドのうえで抱きあ ....
  くろい猿が
  しろい脱臼をする
  夜
  きみの寝室で
  アメーバが鳴いている
  西日でぬるくなった床に
  灰色のハンチング帽を落とす
  埃の膜がふんわりと散って
  光の白い模様を描く
  リュックサックをベッドに抛って
  窮屈なコートをハンガーにかけ ....
  あなたの腿に
  手を置く



  その
  柔らかさの奥に
  生きていることの
  鋭いさびしさがひしめいていて



  ぼくの心に
  さっと
  一 ....
  九月の市民球場を
  木枯らしがさらってゆく
  土埃を巻き込んで
  ピッチャーのいないマウンドと
  帰る者のないホームベース
  永遠のような
  0対0
  僕は欠け ....
  ゆうべ
  きみのまとう
  しろい布にふれました
  それはやさしく湿っていて
  かみさまの一部のようでした



  ゆうべ
  窓のそとでは
  たくさんの雪が ....
  女よ
  ぼくが眼をとじると
  きみは枯れた稲妻のようだ
  だが
  手をふれるとそれが
  一匹の大きな白蛇だとわかる
  女よ
  きみを
  冬に横たえる
   ....
  透明なせせらぎが遥か遠くで
  岩の間をくぐり抜けてゆくのが
  聴こえてきそうな三月の朝
  いたずらな顔をして君が
  せがむみたいに背伸びをしたから
  僕たちは口づけをか ....
  六月
  君は椅子に掛けて
  ジグソーパズルをやっていた
  薬缶が沸くのを待ちながら
  壁にもたれて
  僕がそれを見ていた
  六月
  外は雨で
  夕方の部屋に ....
  まるでこの世の始まりから
  僕を待っていたように
  茶色い床に君の
  十二枚の写真が散らばっている
  秋の風が窓の外で
  穏やかにはためく午後
  僕はグラスに冷たい ....
  今夜の
  君の手の指は
  ストリップ劇場で
  ストリップ嬢が使う
  あのポールによく似ている



  ブラディ・マリーの朱い滴を
  君が薬指から舐めとるとき
 ....
  固いタイルに
  きみはうつ伏せ
  ぼくはぼく自身より
  長く鋭い針を
  きみの背骨の中点に差し込む
  素早く、直角に
  屹立させる
  こうして
  線と
  ....
faikさんの草野春心さんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
小石- 草野春心自由詩5+*12-1-8
脱臼- 草野春心自由詩5+*12-1-4
裁縫- 草野春心自由詩7*11-12-29
- 草野春心自由詩9*11-12-23
野球場- 草野春心自由詩811-12-22
しずかなよるに- 草野春心自由詩9*11-12-20
白蛇- 草野春心自由詩9*11-12-17
縁側- 草野春心自由詩11*11-12-12
六月- 草野春心自由詩10*11-12-11
レンズ- 草野春心自由詩21*11-11-24
クレーン・ゲーム- 草野春心自由詩7*11-11-21
交点- 草野春心自由詩611-11-6

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