すべてのおすすめ
いびつなかりんとうを
つまんでふりふり明日の行方を占う
未来の予感なんて当てにならないけれど
いびつなかりんとうをふりふりしていると
なんだか可笑しさが込みあげてくる
ど .... 
どこかの{ルビ鄙=ひな}びた温泉宿
床の間
生けた花
花びらは葉っぱは全部毟られ
床に散乱した花びら
茎だけが
剣山に刺さっている
しょうがないからと
 .... 
 
【届かぬ声】
 
 
 
 あなたが嫌いだった。
 
 物心ついた頃からずっとあなたを見てきて
 少しずつ大人になりながら色々なことを知り
 時には好きになろうと思ってもみたけれ .... 
結婚式に出席した
貸切の二次会会場の
一般客席で
若い家族がパスタを食べていた
みな同じパスタを
食べていた
これからいかなる時も
永遠の愛を誓います
盛り .... 
自分が自分に戻るために
自分が作った王国を出て行く
そこには真夜中でも
一緒に起きていてくれる駱駝がいて
醜い蛙との生活のことは忘れられる
闊達な老人が
優先席の前で苦虫を潰している
 .... 
羽 
日曜日は嫌いだった 友達に会えないから 
あのコに会えないから そんなこどもだった 
昨日までの知らん顔が 今日にはもう友達で 
明日にはもう親友で そんな無邪気なこどもだった 
 .... 
しずかに、
嘘へと
そっと染みたいのなら
おしずかに、
優しさは
まもられるもの、です
まもらなければ
すぐにも途絶える
希少な形なのです
傷の起源、 .... 
誰からの便りも途絶えた
朝に、娘が
私の靴をはいて
玄関に座る、
指の間で、
引き伸ばされた
私の髪が
娘の、背中で、
今、息を引き取ろうとして
流れていくのを、
私はとめよう .... 
たとえば曇天の松戸
ゴミ焼却処理場の高層煙突
ピカリぴかりと位置を知らせる
ピカリぴかりと存在を知らせる
岩瀬無番地という住居表示
表示不要の権力装置
存在を表示しない
昔陸軍工兵学 .... 
言葉が
いつも
消えた その時
私は
眠い
いつも 夢を
見ていた
暮れていく夕暮れを
なぜだろう
この道は
果てしなく 長い 
オタマジャクシが音符になって
俺にレクイエムやソナタを聞かせてくれる
腹のでっぷりと出たオッサンにはなり .... 
精神科医はメトロノーム的に物事を計る
雨の音も分析対象
手のひらの熱で溶けだす粒子は何だ?
答えの為に問いを作る偽善者は誰だ?
ストレスと食欲と金と孤独と必要最低限にも満たない愛
そ .... 
日本はもう駄目かも知れない
日本は もう 駄目かも知れない
日本は もう 駄目かも知れない
日本は もう 駄目かも知れない
日本は もう 駄目かも知れない
日本は もう 駄目かも知れ .... 
ガムをかみ
かなしい時間をつかまえた
大人っていっつも
こんな気持ちなんだろうか
いっそこのまま
九九でも唄って
神隠しに遭いたい
半ズボンに
両手を突っ込んで
味のしないガムを
 .... 
暗い
クライ
夜のものおと
かすれて
滑稽なホイッスルが音を上げて
町ぢゅうの
道みちを
めぐりつつ
そのおとに
くらい夢の中のごとく
深夜の
現実空間が
めぐりつ .... 
声ききたなんのを
がまんしてる
がまんしてたら
いつか爆発してまう
夜空はベランダにある
煙草を吸ってみる
ウィスキーをなめてみる
傷ついてやるさ
 .... 
あ、まんげつ。
ちょっとまんげつじゃないけどな。
かじったんかな。
なめたんやろ。
キャンディみたいに。
そんなメルヘンが聞こえた
いつ偶然出会っても
そ .... 
安っぽいラベンダー色の入浴剤
狭いアルミの浴槽
掃除が行き届いていないのか少し曇っている
格子状に並んだブルーのタイルの壁
黒ずんだ溝
オシャレなバスタイムなんて縁がないわ
排水溝に髪 .... 
下司な笑い声と垂れ目が癪に障るから
刺そうと思って
松葉を
ぎんなんに
豚鼻出っ歯が苛つくから
刺そうと思って
USBを
パーソナルコンピュータに 
理不尽だと思ったんだよ
枯れ葉に言った
そう と
はらりと枯れ葉はおちた
私はちっとも悪くないのに
枯れ葉にまたそう言った
そう と
枯れ葉はまたおちた
いっぱい いっ .... 
わたしは、また、根をおろそうとしている。
移ろわないことに、安定と安心を見出だしつつ、反面、息苦しさも感じている。何をどうしなければならないか、決まっているところがある。それ以外に、わた .... 
今年は寒い冬が来るだろう
火のない冬になるだろう
原子力の冬は来るだろう
大寒波にそそのかされて
僕のバイクのタンデムシートはない
ひっぺがして捨てちまった
かっこつけて電信柱の数を数 .... 
この悲しみを 言葉にして誰かに伝えられる
そんな俺なら 悲しいはずもなく
目の前に 只只矛盾が横たわる
人肌の温もりは 忘れさせてはくれるけど
覆水盆に返らず 源は変わらぬもの .... 
裸で歩いてても怒られない部屋
人恋しくなるから お酒は きらい きらい きらい
誰かに触れてほしくなるなら 初めから終わってて
退廃的な歌におぼれれば 少し楽かな
みえない 感じない 何もない .... 
部屋を一歩踏み出したときから孤独は纏わりついてくる
貧相な湾と丘陵に挟まれて
身動きが取れなくなったこの街に漂う霧のように
湿っぽい感情はいつまでも俺の皮膚から離れない
東京行の駅のホ .... 
下弦の月が押し殺した笑い声で見降ろしている夜は
やり場の無い紅い狂気がぼくを支配する
沈潜する魂は追いつかない時を追いかけて
それでもワインの薫りがなつかしいのだが
1 .... 
まだ淡い色の枯れ葉が積もる遊歩道を抜けて 
偽善的な11月の太陽の陽射しを浴びに行くんだ 
口元から漏れるのは20年前に覚えたメロディーと 
歩きなれない道が植え付けた荒い息 .... 
新宿駅南口は
ぶらぶら帰りの若い子で華やぎ
オバサンは疲れて足が痛いぞよ
外は
シケた地上よりも夜空が明るい
振り向けば
丸八真綿の看板横にぽっかりお月
かじればパキンと割れそうな
お .... 
日曜も19時まで寝ていた
途中  起きて出かけようとしたりしたのだが
布団の誘惑に勝てなかった
布団の中で
「生きているだけで幸せである」
という
手垢にまみれた言葉を
使ってみよう .... 
車椅子を押す老人
毛布に包まれ
それに乗る老婆
誰の目にもとまらず
過ぎて行く人 人 人
悪いのではない
ただ寂しさだけが駆け巡ったんだ
未来から目を背け
まだ先の話だと
 .... 
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