桜が降ってくる
雪が降ってくるように
その時
人は
空を見上げずには
いられない
人は
命の終わりに
気づかないふりなど
出来はしないから
空から降ってくる
ひらひらと
....
筆を忘れて眠った
三ヶ月間はあっというまに過ぎ去って
蜜の味は蒸発した
ゆくらゆくよ
ふわりふわる
さらさらとまるく
なにぬねのの
おとなしい春に
今日は鶏 ....
南へ向かう鳥達が
薄色の空に溶けて行った
きみは衣装棚から
厚い上着を出してきて
胸元に飾った小さな憧れを
そっと隠した
子犬が地層の匂いを嗅いでいる
鳥の化石に恋をしたんだ
....
くだらない差別に負けて雪雫
春分や そろそろビザが切れますね
春分やミャンマーの場所どこですか
春分や昼にも夜にも逃げられず
彼岸西風墓前で酒をちびちびと
遠足の弁当だけ ....
いつも表情を崩さない
お利口な君のこと
そりゃあ嫌いじゃないけれど
中身をちょっと覗いてみたくて
一刀両断!
スパッとやらせていただきました
中ら出たのは意外や意外
小粋なドレ ....
期待してしまうから
疑うのか
それとも明日の訪れを信じられなくて
疑ってしまうのか
その何れでもあるんだろうけど
※
今年の冬はことのほか寒かったはずなのに
疑い知ら ....
ひじかけ椅子 そこに在る
座らぬ乏しき腰
毎日食べています 何かを
宝を堀り続けて100年 地球が串刺しになる
毎日食べています 何かを
ひじかけ椅子 ここに見える
....
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いつの間にか
遠くまで来てしまったと
振り返ってみたら
――そこは知らない街だった
懐かしい駄菓子屋さんがあった
買ったばかりのお ....
黒い真珠の美弥さんは
思いやり善意何気なく
エジプトの王女の風情
霊の修練されたる人と
(阪神大震災の前に途絶えた連絡)
恋人でも恋うように
7歳の光子ちゃんと
14歳の淳子さ ....
突風が春の入城を告げ知らせ
冬の残党は最果ての地へと追われて行く
変わることなく季節の車輪は廻る
時のレールを 一方向に
樹木もまだ裸のころ
花よりも先に咲く少女たちは明るい色の服を纏い ....
たんぽぽの綿毛を吹いて来世待ち
女王は一匹でいい梨の花
すみれ草 光線銃で焼き尽くせ
蓮華草食べて明日もハロワ行く
毒性があると知りつつ躑躅蜜
咲いた ....
きっとウソツキなあたしがいる
あいまいにこころはできている
傷つくのをうまくうまくかわして生きてこうとしてる
信じることはかんたんでうらぎることは
すばやい
笑ってるのが ....
巡り来る日々と
ぼくらの幼い憧れとの隙間から
木洩れ日のように降り注ぐ光
聴こえて来るだろう?
光の後ろ側の国から
あの/弾む息が
リズミカルなステップが/
国境線で
少女 ....
僕らの脳は杏仁豆腐で出来ている 甘くて軟らかい
ねぇ 顔文字は象形文字の進化型なんだって知ってたか?
火を発見したのはネアンデルタール人? どうでもいいけど
なみなみ注がれたコップの水は運ぶより ....
僕のなかには日常とは違った時間が流れている
それを詩の時間とでも名付けようか
遠いところからやってきた亡くした妹の様に
僕の本当の名前をささやいてくれるもの
日常がすべて散文的だとは限らな ....
「……殺して 早く」
「何も 殺さなくても」
「いいから殺して! 」
「ねぇ 見逃してやろうよ」
「"それ″私のどっちが大切なの」
「そっ そん ....
生きようとする人海の中にいて
ディスコミュニケーション冬を握りしめ
セーターを着込む下書きの感情
床に落ちる音だけ重いこのかばん
生きるとか死ぬとか窓をのぞく猫
やましさ ....
時代遅れの煙吐き
カートン程の 眼細胞も死に至る
生まれ変わる程の 大げさな駆け引きを
この時代とする
すっとんきょんな打刻に 己を通すのも
頭を割っても なお 悪い
....
宇宙ぐらい叩き割ってやんよ! #poem24
星々が金魚の餌に春宇宙 #poem24 #jhaiku #haiku
駅前の宇宙漂う螢烏賊 #poem24 #jha ....
こと切れる最期の瞬間まで
彼はひとりの少年だった
とっつきにくさは彼の持ち味だったし
時代を憂いても
希望を捨て去ることはなかった
※
そんな彼との接点
あったのかな
....
心の中では土足で暮らし
裸足で世界を歩き回る
ぼくは人間
月のように出たり隠れたり
雨になりまた雲になる
そんな人間
あなたもまた一個の太陽
少しずつ周りを温めながら
....
夜は雨
どこからか雨
水を弾くタイヤの音
通りの向う
どこかで屋根を落ちる滴
私はここにいて
眠る人のことを思う
生き満たされぬ人を思う
又ここにいて
眠れぬ人のことを思う
燃 ....
カーテン越しに白かった光が、いつのまにかに黄ばんでいる。
もういちど見やると、黄ばみはもう失せていて、こんどは青みがかった灰白色になっている。
そこにはオレンジやピンクが、影のように滲んでいる。
....
僕たちは有限な生を生きるのだけれども
異なった価値観の人生をそれぞれの主観で生きるしか無いのです
だから自分で思い込んでる真実なんてたいしたものじやないのですね
僕は人に無駄と指摘されながらも
....
窓辺にやってきた
小鳥が泣く
さも かなしそうに
おまえもひとりなのかい
世界はこんなにも
広いというのに
庭のとまり木で
小鳥が啼く
さも たのしそうに
うたをおぼえたんだね
....
春は来るのだろうか
3月も末になるというのに
天気予報に雪だるまのマーク
しかも まるまる大きな雪だるま
ごうをにやした農夫は
苗を育てるハウスを建てる場所の雪を
除雪機で吹き飛ばした ....
夜明けの明けの
ほのあおい闇と光の均衡に
無垢なクラゲが部屋を舞う
流れるままに漂って
夢から溢れたクラゲが舞う
夜明けの明けの
ほのあおい夢とうつつの端境に
大きなクラゲが天井を過 ....
これから起きる人も
これから眠る人も
いつもの朝だ
やかましいアラームも
ガラガラ声の鶏も
イビキをかくオジサンも
この世に存在している賑わいも
いつもの朝だ
全速力で
朝が ....
たとえリリカルに謳おうと、
あえてシニカルに謳おうと、
半ばやけくそな起承転結で、
ファンタジックに謳おうと、
結局、想いはハラスメント。
なにかをコトバにする度に、 ....
空が涙をせがむから みんな互いに殺し合った
立ち昇る黒煙と 未亡人の嘆き
立ち尽くす 一人の少年
泥に覆われた 丸い頬
額にかぶさる 前髪の茂み
その奥にきらめく ひび割れた瞳
干上が ....
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