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壊れ 乞われて 雨水 休む
歩道に映る目 とんじぇだなあ
傘さし濡れずに 草 飛ぶ蛙
追ってたたずむ とんじぇだなあ
黒雲 ちぎる手 強い風 往く
片手 ぶらぶら とんじぇだなあ
....
育てていた蜜蜂が 熊に襲われた
蜜を狙って巣箱を壊し 女王蜂も食べられた という話
熊って 蜜だけじゃなく 蜂も食べるの?
食べるらしいよ それ以来 蜂が怖がって
外へ蜜をとりにいかなくて ....
ほとり 泉に 群れ 飛ぶ月の 彼方
行方 揺れる しぶき ふける 風に
釣り込まれる 草葉 影音 臥せ 夜
咲いて 咲いて 残す ひき むろ
小石に かせ 花に かせぬ 夢土
....
杉の木から 吹き降ろされた雪が
荒れる風に乗り 空気になだれる
開けた戸から数歩
白く 冷たく
散らされる雪と
ふらり 共に立つ
お迎えに参ります 春
背中にかぶさる重さも
....
吹雪く雪の中 飛ぶ白い羽音
ひき風 ひと飲み
とどろく 心臓の火
まつげに擦られる 粒氷
ひりひりと まっすぐに溶ける
荒れるな 空
痛めた体を 巣に眠らせるために
銀河吹雪 渦 ....
あおぐ うちわ
木漏れ日 舞い
ついばみ 鳴く 白い雲
腰掛けて 揺れる
飲み散らかした花びら
風爪 斬り 羽織る
草の夢 露の戸
繰り言 湿るサンダル
絡む炭酸 甘く 指に
....
ちりとりのゴミを玄関の外に捨てると
蝉が羽化に失敗して 転がっている
またか
この時期 たまに見る
壁によじ登っては 落ちる 蝉 とんぼ
ぐちゃぐちゃに柔らかくて 体に触れない
死 ....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す
水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石 ....
車に乗り込むと会社に向かう
いつもの出勤時刻
晴れた朝は 陽ざしがまぶしい
光を避けて 道路を走る
段々と 車列がのびていく
大きな車も小さな車も車間距離は同じ
列のスピードに合わせて ....
雛は鳴いて 朝露流れる 雲白く
つたのからまる古木 陽が射し
巣穴からのぞく 黄緑の小鳥
アイビーの葉陰をすりぬけ
近くの木にとまる
尾をうちふり チチチッ
おはよう ナギ
....
台所の窓から見える
枝を切り落とされツタだらけになった
古く太い木に 小鳥が住み着いた
ツタのカーテンは巣穴を塞いで
子を守りやすいのか
ツタの中に入ってゆく
朝ご飯の支度をしながら ちら ....
瞑ればおちる 喉元の声
ずく で 散り急いだ未明
知られる事は 色づいてからでいい
浮いた草がひろげる風の扉
顔を覗かせては
あわててもどる 七色の瞳
危険な冒険の途中なの
それ ....
町では桜も散り 山すその我が家までの
道沿いに見える畑には 林檎や梨の花が咲き
雪溶けの遅かったこの地にも 緑の季節が流れ始めた
除雪機で雪をとばし なんとか建てたビニールハウスでも
稲の ....
ななめの線は おめめ
口が にっこり
点は よだれ
いや 指って事で
心 って
にっこりマークみたい
コンロの上に鍋があって
コトコトと
音 って
お料理しているみたい
....
葉は寄り 毛の尾に嗅がれる
伏せる喉 痩せた土 はぎ
噛みすする 親不知
木の根に うずくまり
こごと と舐める
石の蜜
ニュース画面に映る満開の桜
その下で 賑わう人々
東京は お花見なのに
防寒着を着て かわかした軍手を持つ
白い雪が降り続けるので 消しに行く
桜より 広く白い
積み上げられた雪の ....
春は来るのだろうか
3月も末になるというのに
天気予報に雪だるまのマーク
しかも まるまる大きな雪だるま
ごうをにやした農夫は
苗を育てるハウスを建てる場所の雪を
除雪機で吹き飛ばした ....
心のある場所をさがす
頭じゃなさそう
顔じゃなさそう
体でもなさそう
でも体の外にもいない
どこだろ
頭の上かな
みえないから わからない
言葉にもいない
どこなの どこなの ....
わけてあげると
たわけたことを
のんきにみせてる
づきづき わらう
かなしばられないかおで
そようのないがしろな
ほのぼのやわに
ちゅあちゅあ こぜり
みくだし みくるい
....
嫁いで どれくらいたった時からだろう
実家の両親が 他家の者として私に接し
夫の両親も 嫁として私と接した
血族でも 他家の者になった私は
実家の事には 深く口を出さず
それが お互いの ....
ひものついた雪が
首の下で揺れる
残されているのに
しばられて
くずれていく 雑な音声
ふらついて
たてついて
鳴るはず も
ない すずやか
な 声
フリルの青いふちどり 透明な金魚鉢
陽だまりに腰掛ける 丸く揺れる水
雲の尾びれが覗き込み ひとくち
指に 甘くて白い 隙間が 落ち
金網を越えて 草の上 風枕にのぼせた
黒い小石を ....
鳴りものに そそがれる蜜
削がれる 鉢植えの暗闇
黒い雪崩に つかまる鳥の爪
横切る 銀色ワイヤー
透ける板 はずさないで
みたくないなら みないで