蜻蛉が雫に映るとき、
雨の一粒一粒に
空は宿る。
濡れては飛べぬその羽は、
悲哀の純度で透きとおる。


雨の最後の一滴が
蜻蛉の羽に落ちるとき、
無数の空は連なって
ひとつの空を ....
―朝

ビルの階段を降りて行くと
何かの軋む音がする

たくさんの
時間の積み木が
押し合い
こすれ合って
順番を決めている

―歩道を歩く

山桃の並木が
慌てて生え ....
 遠目には黒い紐に見えた。近寄ってみると蛇の子供
だった。体長は二十センチくらい。JR新幹線駅の東
口を出てすぐの、駅前広場のフロアタイルの上に横た
わっている。尻尾の後ろの、コンクリートの ....
引力が、

 ある

きみと、ぼく

 地球と 月

  引力がある

 ひきあう

すべては ひきあう

  きみに ぼくはひかれる

 きみも ぼくに 月に
 ....
くらくらゆれる視界のすみっこで
かみなりが光る
くらやみがやわらぐ
やさしい雨のにおいがする

失いかけてる聴覚のすみっこで
ちりちりと雨の音は跳ねて
どこにもいけない
かなしい雨 ....
微笑みや涙を分かちあった人も季節も
今は移ろいゆき 途方に暮れ一人佇む
そんなとき海馬を優しく揺り起こされ
私は 翼ある者に呼び醒まされるだろう
人生の黄昏を ごくゆっくりと咀嚼しながら

 ....
僕は、毎朝
市民農園で育てた
形の悪いニンジンで笛を作る
ウサギたちが楽しみにしているのだ

僕は、ウサギたちの喜ぶ顔が見たくて
苦心して笛を作る
リードのところなんて、ウサギたちの
 ....
うにょん

君が言う。

うにょん


好きだ。


声が良い。 音が良い。

うにょん

幸せな気持ちになる。

うにょん



いろはに こんぺいとう
 ....
灰色にくすんだ町で
お前は生まれた
まだ肌寒い早春
せわしく走る 野ねずみの
存在のように
ひっそり生まれた

野原の真白な花も
あでやかな 垣根の緋薔薇も
お前の瞳を待ち焦がれ
 ....
灰泥軽茶さんのおすすめリスト(1062)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
蜻蛉- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...24*09-8-1
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ぐるぐる- 北大路京 ...自由詩21*09-2-9
雨が歌う- 凛々椿自由詩408-1-21
大地が眠る時刻まで__- 水無瀬  ...自由詩5*07-3-5
ニンジン笛- シリ・カ ...自由詩10*07-2-17
うにょん- 北大路京 ...自由詩23*07-2-13
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