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(足のとれたピーターパンの人形が積もった埃の下で見る夢)



途切れがちな点字ブロック跨ぐ夏 雲の向こうに打ち寄せる青




内側にはびこる針の芽を撫ぜて微かな痛みが ....
森色の匂いがついてる木漏れ日に「ぐっぴい」と娘名前をつける


由々しきは森を這い出て森に似た住居をあがなう罪の深奥


常しえに遊ぶ子らの基地宿す森あざやかに日々よ集え息して ....
白雲をシーツに寝付かせカルテには「ただただ青い」と記す看護婦


「お水まだ、青くないね」とはしゃぐ子の満ちてくプールに濡れるくるぶし


ルウプするデイジェイのかける ....
羽生さんが氏名を説明するたびにやさしい口調で羽が生まれる


初夏がきてみかがみのような水田の空にむかって落ちてゆく羽


ケチャップの湖沼に沈める手羽先をお箸でさくのが彼女の ....
ナイーブもマッチョもメガネもとりあえず私の中でお眠りなさい


トレモロとトレロカモミロを脳内で比べるあいだにひろがる眠り


ねーちゃんとむーちゃんとりーちゃんと、とか優しくないのよ ....
なにもかもうそっぱちでもひりひりするひふ1ミリの世界がいとしい



プレパラートに君の死骸をとじこめて春のしずかな羽化をみている



透明なマグニチュードが浚う朝 ひとつの骨 ....
 
 
遊歩道 風化の隅にももいろの雨が逝く午後 そっと手つなぐ




触れられるそばから羽化をした 二度と同じではない スプリング・イズ・ヒア
ぼくたちは春を起点に遠ざかる公転軌道を失った星






君という病を喪いかたかたと瘧(おこり)のように震える柱



便箋を一枚一枚丁寧に破ればただ ....
プランクトン)もろくほほえむ あいまいなかたまりをなんとよべば(さみしさ


月を浴びて淡く首筋に穿たれる窓の格子の十字架の影


切れかけの単三電池の瞬きをそっとつつんだきみのてのひ ....
{引用=
目が覚めたのは君だけださあ早く、首のバーコードをひっぺがせ!



もどれないことはしってた 朝のこないうちに固く結んだ靴ひも


どこまでいってもどこまでいってもこの道は ....
水葬の教室
鱗を捨てた冬
シーラカンスの鳴き声を聞く



バス停の一駅ごとに君がいて
みんな逆方向を指さしてる



からだじゅう絶縁テープをまきつけて
ひとのか ....
1という字のように立ち 一という字のように眠れ 孤独な無限



0なんて発見するからいつまでも君の不在が消えないままだ



ON/OFFのあいだに広がる宇宙にて親指は祈る メール、 ....
自転車で法定速度はこえられない/次のカーブを鋭く曲がる




風船に君の息が入っていく入っていく
やさしい すこし こわい




屋根裏でなくした白紙の古い絵本
握りつ ....
モノクロの廊下の先にきえていく
ひかりを背負った僕の残像




何不自由なく育ちました。
ピストルの撃ち方だけを教わりました。




ガス室で呼吸ができないきみのため
 ....
ぼくたちの名残ゆく冬も湯気になる ちゃんどらぐぷたと煮立つ雑炊


「れん点ね!」でかでかとマルを描きなぐり 正しい答えをぶっとばす君


これが冬?じゃああの頃のチルチル ....
剃髪に立ち会った日の陽の光 淡く結んだらせんのつづき



葉脈にミシンをかける神様は季節のすきまは縫い合わせない



にんにくで追い払うんだ君のこと季節外れの桜の匂い



 ....
早朝に剃刀を買うコンビニで 剃髪用です 袋いいです


昼下がり主婦がミシンを踏む音は 人を撃ち抜く練習に似て


夕暮れが鼻血のような色してた 鉄のにおいが漂って、冬


 ....
廃校の探検隊だぼくたちは廊下がミシンと鳴るアンダンテ


イチゴにも砂糖をかけるアキちゃんが横目で見ているスターバックス


算数が誰より得意なユウくんは今日も釦を掛け違えている


 ....
真っ白な雪がつもった何もかも間違いなのにわたしは生きてる


縄梯子少女はおりるどこまでも夢の終わりへ釦は落ちて


にんにくを口うつしする秘めごとは口からださず噛み砕くだけ

 ....
指組みのように身体を絡めゆく 二人で今日の夜空をつくる



ひとつずつ舌でたどれば直列の熱に融かされてゆくビイドロ



「ねえ、君にアイスピック突き立てたらブラックホールができたの ....
おやすみから始まったからこれは夢さよならのないまぼろしの夢


40度のほとぼり込めて君の口はたまに一人が怖いといった


めくれないページに書いてあることは           

 ....
貸切の回転木馬に乗る僕を規則正しく眺める夜空



アスファルトに落としたラブレターいつ堆肥になるかなってずっと眺めてるだけ



得意げに「こんなんだったらいくらでも、」黒こげチーズ ....
ひねったら水が出ます ひかっています で? 好き、に理由なんてないよ


踊り場の全員うえを向いている スカートの嬌声がひびく、午後


うす目あけて口をあけてぎゅっとにぎってゴムふうせん ....
踊っている天使のなかに私はいない私はいない私はいない


いつまでも滑り落ち続ける光ふと鳥の声双子が消える


(網の目のように重ねられる)キス((すり抜けていく私


冷凍用トラッ ....
君は歯のないイルカと同じと云われ意味を問うたら笑って去った


すっぱりとアルバムみたいな白い花陽はみそらより夏を焼きつけ


待望の立ち食い寿司でしゃれた服行き先聞かれ図書館と云い


たとえば読み ....
年号は覚えやすいねにせんはち年におこった(できごと)ならば



蛙の降る梅雨も終わって空蝉の降る夏の瀬も埋葬されて



上階に行けば行くほど高くなるベランダに立つ柵の高さは

 ....
にじいろの炎をともし黒髪は少年少女の真夏をあそぶ




少年の肩から旅立つ星たちは少女の空と海とに抱かれる




潮騒とよく似た硝子が割れてゆく、眠りの底を旅立 ....
ひいやりと冷たいメロン空に浮き
    悩ましい夜見つめるだけの


物思いシロップの海に漂うか
    救ってみたい桃のかんづめ


ごめんねとパイナップルの輪切りして
    白 ....
青空に舞い散る飛沫きらきらとプールに飛び込む少年の夏

呼んでいる遠い記憶の夏の声駆けて行きたいいつかの森へ

朝顔の花が咲いたよきれいだな笑顔も満開夏の絵日記

水平線の彼方に浮かぶ蜃気 ....
「リトマス紙がなにでどうなるか」のように忘れてしまいたい夏がある


まだ明日を信じていたからサヨナラを 告げた渚にゆらぐ太陽


ケンケンで駆けた砂浜しゃらと鳴る 乾いた粒子、ただ熱 ....
本木はじめさんの短歌おすすめリスト(318)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
サイクロプスの孤独- しろいろ短歌1109-7-5
森のぐっぴい- あすくれ ...短歌8*09-6-24
- あすくれ ...短歌3*09-6-22
羽化するうたげ- あすくれ ...短歌8*09-5-19
ネムリィ- あすくれ ...短歌1*09-5-17
usoppati- しろいろ短歌709-4-4
_________- 石畑由紀 ...短歌6*09-4-2
春を密輸- しろいろ短歌1609-3-15
空き瓶- しろいろ短歌909-3-4
バミューダ海峡一番乗り- しろいろ短歌509-2-28
マザーグース- しろいろ短歌1109-2-8
number- 石畑由紀 ...短歌34+*09-2-3
方向転換禁止- しろいろ短歌1009-1-25
破線上のスノウ- しろいろ短歌5*09-1-23
ウィンタ・タンカ- あすくれ ...短歌3*08-12-15
【短歌祭参加作品】らせんの向うの昨日- はな 短歌18*08-12-8
【短歌祭参加作品】アラウンド・ザ・ワールド- 吉田ぐん ...短歌3608-12-5
【短歌祭参加作品】_少年少女たちの自由奏- Rin.短歌19*08-12-2
【短歌祭参加作品】All's_wrong_with_my_w ...- こもん短歌808-11-30
黒点- 石畑由紀 ...短歌16+*08-10-23
2008ねん10がつ15にち_鍋の中で- ピッピ短歌308-10-15
ピッピエード- ピッピ短歌3+08-10-11
蛇口- 石畑由紀 ...短歌16*08-9-30
踊っている天使たちのなかに- 渡邉建志短歌408-9-28
歯のないイルカ- kawa短歌308-8-17
第三次短歌大戦- ピッピ短歌808-8-14
◆幻想連鎖Ⅱ- 千波 一 ...短歌2*08-7-30
フルーツミックス- 石瀬琳々短歌11*08-7-24
少年の夏- 未有花短歌16*08-7-23
君のかげふみ- Rin.短歌25*08-7-19

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