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三日月1号線は
全ての痛みを解いてくれる
ここではないどこかへ行ける
らしい
東に向かって走る
それだけで


僕は毎日のように
日常57号線を
行ったり来たりしているのだが
三 ....
三十はとうに越したが
精神年齢がそれほどいってるかは疑わしい
とにかく子どもは二人ほどいる
「ほど」の部分に何があったかは想像に任せる
下腹はよれたTシャツを膨らませ
ジーンズはさっき下の子 ....
1 夜の庭で

白い米を
黒ずんだ木の升で三合量る

最初のとぎ水は
庭に撒く

立秋を過ぎたので
コオロギが鳴いていて
いるか座が光っていて

だから私はしばらく庭にいた
 ....
心の中の

いつも同じ場所で

いつまでも 目をつむって

よこたわっている 君に

せめて かけてあげられる

軽くて あたたかい

毛布のような ことばを

今日も さ ....
手にさげた 月のふきだまり
つめ といだ 草のさざなみ

石の望み
動かない 空と

ながれはじめた 雲
ゆく 決別 の 時
夏バテしちゃって
ソーメンばっかり食べていて
しばらく米を食べてなくって
米びつの米はほっぽらかしで

へんだなあとは思っていた
締め切りの部屋に小さな蛾が群れ舞うから
妙だなあとは思っ ....
青白い殺虫灯に
まっさきに誘われて
バチバチと音を立てて
まっさきに死ぬ。

燃え上がる火を見つけると
後先知らず飛び込んで
一瞬火の粉を吹き上げて
あっというまに死ぬ。

光に惹 ....
4歳のこどもを
正面から抱っこすると
つい4年ほど前には
お腹の中にいたことなど
信じられないほど大きい

わたしたちひとつだったはずなのに
分裂したね
さびしいけどもう元には戻れない ....
水埃にすっかり覆われて
ほんのすこしも
動きそうになかった
実際さわっても動かなかった

二本の前肢は
がっちりとハヤをつかまえていたが
そのハヤさえも
半ば腐っているように見えて
 ....
やがて埋め立てられる小さな沼のうえ、
イトトンボが飛んでいる。
二匹繋がって。
澱んだ水面をいくども叩きながら。

沼からちょぼちょぼと流れ出すどぶ。
そのそばにある休耕田。
その脇を流 ....
白い杭と鉄条網が
鉄の獣を取り囲んでいる
天気雨がなまぬるく
獣の背の光を流す
欠けた虹がすべるように
ひとつふたつと遠去かる



溶けるように昇る空
指の跡のつ ....
ふあんふあん。ふあん。
重力よりも
風力を強く感じていそうな。
ふあん。ふあんふあん。

糸みたいに細い八本の脚は
這っているのか飛んでいるのか。
脚のまんなか吊り下げた胴は
浮いてい ....
何はともあれ
やっとのことでお触りバーにたどり着いた
とにかくここまでの道のりが大変だったのだ
目覚し時計にカミキリムシが巣をつくって
がちゃがちゃ長針と短針を適当に動かすものだから
 ....
十八歳のころから
ひそかに考えてることがある
考えるだけで実行には移してないが
裏山の防空壕跡に入るたび思い出す

そこにはそれはそれはすごいヤブカの大群がいて
それからちょっとしたコウモ ....
夏休みの宿題は終わったのと
かあさんは訊ねる
私はもう学校卒業したんだよと
何度説明しても

かあさんは言う
おまえはやく宿題をやんなさい
ツクツクホウシが鳴く前に
とっとと宿題を終わ ....
早稲田にも
青山にもなれなかった
予備校の街で
私はその年の夏を過ごした。

現役生のフリしたまま
講義を受けて
教室を出ると
ミンミンゼミの大合唱。

ミンミンゼミは
ミンミン ....
一滴の水の中へと
沈殿してゆくひと夏の青空が
無呼吸で深遠へと降りてゆくので
圧迫された半円の夏空その低空ばかり
飛び回る鴉たち
重たく旋回しては羽を乱散させ
またしても映り込む水の中
 ....
足音 は
ほっておくとどんどん先に進んで
呼び止められると不満を洩らす
体 は
手足を動かすことに夢中で
なにを訊かれても聞こえないふりをする
心臓 は
なにかあるたびペースを乱して
 ....
  
    

  狐のかみそりが赤く咲いていた
  藪のある舗装道路だった
  ぼくが轢いたのは蛇だった
  チュ−ブのようないきものだった
  前輪でごつん 後輪でごつん
  ぼ ....
  
   今でもサンタナを聞くと
   どっと夏がやってくる
   お祭りなのだ 蝉時雨のように
   夏の耳を 熱くするのだ
   サンタナがやってくる
   胸があつくなる  ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
煙草を灰にするように
死に体の鴉たちが一斉に飛び立ったので
空が夜みたい
狭い空ばかり見ていたから
わからなくなるのです
こんなとき
天井がもうきついそうなので
僕は唾を飲み込んで
君 ....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
魚が手紙のようなものをくわえたまま
道の真ん中で力尽きているのを
少年は見つけました
水を泳ぐ魚にとって
ポストはあまりに遠かったのでしょう
少年は手紙のようなものを
代わりに投函しました ....
時計が遅れたり
進んだりするのを気にする人は
何よりも時間の大切さを
知っている人です
けれど
時計には時計のペースがあることを
忘れないでほしい
など
ホームの水飲み場で
あな ....
バナナが一本
海を底の方へ
ゆらゆら
落ちていきます
見たこともないその物に
身を翻し逃げていく
魚たち
大きなクジラが
大きな口を開けて
ザブンと飲み込む
夜、台所に行くと
 ....
新しい音が鳴り出すと
見上げてしまう癖がついた
国道沿いの滲んだ校舎の上
スピーカーが漏らす
ひずんだ音
ずっとずっと変わらない
ひとつ
呼吸のように響いては
震えている何か


 ....
もう何年も前のこと
ある夜のブラウン管の中
孤高のステージで
赤毛を振り乱して歌う{注ジャニス=アメリカの歌手}

夭折した彼女の生涯を
ナレーターが語り終えると
闇の画面に
白い文字 ....
七日目を待たずに
未完成の球体をもてあそぶ少女が
白の断片を拾い
主体を隠す
まもなく
発火するだろうパンドラの箱
遂に
僕らの目醒めを待たぬまま
「ほんとはね」
爆弾を仕掛けてるの

あなたの急所を
探り当てたよ

遠まわしに少しずつ
見えないように
わからないように
気づかれないように

ねえあなた燃えちゃうよ
燃えち ....
草野大悟さんの自由詩おすすめリスト(409)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
交差点のリリィ- AB(な ...自由詩504-8-29
午後の喫煙- 佐々宝砂自由詩6*04-8-26
単純な喜びについての単純な唄- 佐々宝砂自由詩904-8-14
娘に- こむ自由詩2*04-8-10
- 砂木自由詩9*04-8-10
コクガ(百蟲譜46)- 佐々宝砂自由詩7*04-8-10
ヒトリガ(百蟲譜45)- 佐々宝砂自由詩6*04-8-10
祭りのあと- チアーヌ自由詩1704-8-9
タガメ_(百蟲譜42)- 佐々宝砂自由詩4*04-8-8
イトトンボ(百蟲譜41)- 佐々宝砂自由詩6*04-8-8
鉄獣軌- 木立 悟自由詩504-8-8
ユウレイグモ(百蟲譜39)- 佐々宝砂自由詩304-8-7
TOKYO- たもつ自由詩15*04-8-6
ヤブカ(百蟲譜37)- 佐々宝砂自由詩604-8-6
ツクツクホウシ(百蟲譜31)- 佐々宝砂自由詩1304-8-4
ミンミンゼミ(百蟲譜30)- 佐々宝砂自由詩704-8-4
刹那- 本木はじ ...自由詩704-8-2
自分- アンテ自由詩804-8-1
幽霊- 天野茂典自由詩404-8-1
お祭り気分- 天野茂典自由詩104-8-1
肉じゃが- 窪ワタル自由詩60*04-7-31
不通- 本木はじ ...自由詩1304-7-28
童話(詩)- たもつ自由詩45*04-7-28
童話(手紙)- たもつ自由詩24*04-7-27
童話(午後、水飲み場で)- たもつ自由詩2104-7-22
童話(海)- たもつ自由詩1604-7-21
ビタミン- 霜天自由詩604-7-8
白い文字- 服部 剛自由詩12*04-7-4
昏睡- 本木はじ ...自由詩6*04-7-2
爆弾- チアーヌ自由詩904-7-1

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