すべてのおすすめ
太陽の光に 目が眩んだ
外に出ると
誰かと肩がぶつかって
紙切れみたいに
尻餅をつく
ぐるぐるまわる
早送りの世界に目が回って
いくらカウントとられても
立ち上がれない ....
夜更けにひとり目覚めていたり
残業のあと酒くさい終電にすわっていたり
まだ朝も暗い道を急ぎ歩いていたり
あるいは騒がしいファーストフードショップで
ふとお喋りがとぎれたり
そんなとき
....
せかいのきを
みつめていると
ああ おおきいね
だれにも
かぞえられないほど
えだわかれして
たいへんだね
ひとつひとつのえだに
はっぱがついて
あったかいね
ねもと ....
きっぱりと割り切れるものは
割り切れないものたちに
負けてしまった
くるりと円いものは
いびつなものたちに
負けてしまった
さらさらと流れるものは
意固地に止 ....
無闇に 夏が好きだった
何もかも心開け放して
えんえんと暑くてたまらない中を
息はずませながら歩く
汗まみれの夏が好きだった
今は 冬もなかなかに好きだ
ストー ....
茶碗の中につがれた
乾燥した お茶の葉
の だし水
海から
山から
やってきて
とことこ 二階に
あげられて
私のものだ
わっこ ほっこ ゆぎっこ ちみで
なして おらえのほうさ ふるなだべ
まんじ あさはやぐがら おぎでしゃ
みぢ こしゃねば あるがれねべた
ゆぎっこ つもって あるがれねべた
....
何も言わないで
静かに
そこに立っているものが
見えてしまったので
酒飲んでも無駄
泣いても無駄
うつむいても無駄
何も言わないで
静かに
そこに ....
あたしの届かないとこにいる
そう、背伸びしてた
けど近づきたくて今日も相槌うんうん
太陽が静寂にバトンを渡して
今日もお酒を少し飲んだ私は考え事
そう、また考えてた
隣で友達が話してる
....
穏やかな
心地 は たらちねの
手編みの靴下 ぼっこの手袋
編み返して セーター
あかぎれの
温もり に うもれて 眠り ます
晴れ、のち
そこで途切れてしまったので
新聞をひらいてみるけれど
晴れ、のち
そこから先が空欄になってしまう
捜索願
明日の空模様はどのあたりで行方不明でしょう
夜中
日付を越 ....
立ち込める黒い雲の下で
ずっと穴を掘っている
解体されたぼくらの恋の死体を
埋める為
街は夜の鏡のように静かで
鳥たちはみな盲目の眠りのなか
指は、もはや僕の指ではない
きみと何年もの間 ....
翼がほしいって
貴方は言う
力強い翼があれば
広い広い空を自由に羽ばたいてゆくだろう
そしてどこまでもゆくだろう
見たことのない大陸の
想像したこともない遠い空へ
それを聞きなが ....
あの人は悲しい人だった
公園のベンチで
名も無い詩人の詩集を読んでいた
落葉を栞代わりに挟んでいた
あの人は悲しい人だった
誤字脱字だらけの
名も無い詩人の詩集 ....
申し分なくうつくしい
海の夕焼けを
石段に もっそり座って
眺めています
終わってしまって 始まらない物語と
始まってしまって 終わらない感情を
かわるがわる フィ ....
1
白い人は浜辺を見つめ
見つめられることで
浜辺は姿を変える
夏から秋へ
飛び交いながら鴎たちは嘆く
生まれそこなった夏を
背後には大きな波
あれは九番目の波
白い人は ....
老女になりたいと思うことがある
老婆 というのでは色気がないので
老女 というのになりたいのである
あくまでも 老女 なのである
お抹茶たてて優雅にきみしぐれなど食べながら
とい ....
ドアが開くような音がすると
誰かが勢いよく飛び出していく
真っ直ぐに見せている道は
静かに湾曲していて
遠くの方で反射して、光が
不透明な景色を作っている
霧に浮かんでいる街で
探し ....
粉雪が、そっと舞い降りて・・・・
二人の頬を、赤く染めて
悲しいこともいっぱいあった。嬉しいこともいっぱいあった。
二人で過ごした日々、いつもどこかぎこちなくて・・・・
会話なんか ....
桝目をひとつひとつ埋めていく
あなたはまだ
自分が花びらであることに気づいていない
窓の外は想像を絶する想像に包まれ
僕はそれを夕焼けと呼ぶこともできる
かつて靴下をはかない男の子がいた ....
僕のなかで名もない何かが暴れている
鎮めるための唄をうたっておくれよきみ
タイムカプセルの話なんか持ち出したりして
そんなんじゃいつまで経っても
掘り起こすことなんてできやしないさ ....
あのひとの黒髪をみたことがない
彼女は髪の長いひと
はじめて手紙をくれたひと
姪っ子にリンゴ飴を買ってきてねと頼まれて
祭りの帰りに
「ちょっと待っててください」
と闇の中へと消えたひ ....
赤ちゃんがあまり泣くから頭が痛くなってしまって
鎮痛剤を2錠飲んだのだけれど治らなくて
もう2錠飲んだらついうっかり眠ってしまったの
目をさますと 部屋中に片づけてない洗濯物
たっぷりウン ....
どっちを向いても砂浜だらけの砂
部屋が思い出砂漠しているのでゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
あなたが沼へ帰るというので
わたしは途方にくれる
あの森はあなたの兄を食べ
わたしの妹を ....
木の葉を一枚 硝子の器に浮かべてみました
空 をみつけました
心は 揺れておりました
玄関の扉を開く真白いてのひら
その直前に十月の金木犀の香りに包まれて
ふと立ち止まるあなた
かなしみの胎動を青空に聴くことができる巨大なこすもすが咲いている森で
倒れゆく木々
その生前のざわ ....
潮の流れをぬうように 群れなす背黒 秋のうお ひと竿
ふねより なにより 活きに優る二の 腕にきかせて ふた竿
秋 味を 竿に捕らえて 父 にんまり
笑み 食卓へ み竿の 飽き ....
どこまでも続くこの空は 徒然
それぞれの 秋 思いを乗せた 雲は 流れて行くそうな
明日といふ日を追いかけもして
夕暮れに 辿り着く あかね色に染まりながら
伝えて
....
雨は降りそそぐでしょう禁じられても
大地は受け止めるでしょう嘲られても
たとえ何億回囁かれたとて
愛は愛でございますとも
たとえ道端で売られていてさえ
人は人でございますとも
あた ....
うちの近所の橋の下に
ホームレスのおっちゃんが一人住んでいて
橋下さんと呼ばれている
橋下さんは五十代半ばくらいで
よく釣りをしている
釣れた魚は焼いて食うらしい
釣りをしていないとき ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14