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 ぼくには子供がいない
 そのことは太陽のようなことなのだ
 ぼくには子供がいない
 そのことは月のようなことなのだ
 ぼくは一個のDNA ....
         


     サキは笑った
     蛸がパソコンを操り始めたからだ
     赤くなって蛸はワードをうちはじめたのだ
     蛸はなにが書きたいのだろ ....
ペンキ職人
天野茂典




青いペンキ


台詞のない声
遠くからやってくる海
炎の青空
どこにも出てゆかない砂
ぼくの病棟が乾燥している
シマリスとあそんでいる
ナキ ....
 もう
 利用価値がないと

 もう
 飽きたからと

 もう
 存在自体がウザったいと

 悪友たちは
 僕の存在を否定した

 僕の「生きていたい」と叫びは
 彼らの ....
とってん
からから

ちまたを
ゆく
とけいと
ぼくの
とってん
からから
ときを
きざむ
ほうそくは
ちょこっと
そくどが
ちがう

ふと
みぎどなり
す ....
満ちる空に逢おう
欠けたままの自身で


雨や雲や雪や風の子供として
ボクは歩き歌い眠る


隠すものも
隠されるものもなく


ボクは今宵も
欠けたまま

満ちる

 ....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに

男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか

それは
目の前に細く頼りない道が一本
 ....
泣くのが
難しいときは

笑うのも
難しいとき


ちゃんと
泣けるときは

ちゃんと
泣いとこ
降りしきる雨の中
傘もささずに俺たちは歩いた
死ぬほど歩き続けた
けれどそれで
俺たちが死ぬことはなかった
俺たち いい奴だった
俺たち 輝いていた
俺たちは生の肉だった
俺た ....
右手を挙げると
鏡に映る自分が左手を挙げた
右手を挙げさせるために
僕は左手を挙げる
外の方から小さな鳥のような鳴き声が聞こえる
空はまだ晴れているだろう
午後は爆弾を買いに都会へと行 ....
くらい部屋の中
あなたはいつからいたんですか
ずっとそこにいたんですか
さっき?さっき来たばかり?
そうですか
全然気づきませんでした 
すみません
なんだか元気がないですね
お腹がす ....
僕の隣を35度線が貫いていて

本線から外れたところで
あなたがうつむいていた
ような気がして
振り向いてみると
変わらずに
距離は隠してしまう


あなたの隣を36度線が貫いてい ....
見上げると
空は昼寝をしていて
そのすきに
雲は氷になっていた

このごろは
どうにも喉がかわくんだよ、
と手を伸ばしても


涼しいかたまりが
つるんと通りすぎて
ぼくはま ....
君はただひたすらに自動券売機をつくっている
外、春はとっくに酸化してしまった
困るね、こんな雨の日は
花壇に水をあげることもできない
僕の手の中で冷たくなっている冷蔵庫
その扉を開け ....
暑い夏流れる汗もそのままに
もはや芽吹くことのない
冷たい枯れ木に寄り添って
待ちましょう
ただ無言のまま
トゲの多い喋り方も忘れ
靴を脱いで
裸足になって
老いた虎のように
待ちま ....
けっして 関わってはいけない
猫の葉で覆われた扉は
口が半開き

あの扉の向こうには
きっと ばけもの が
うじゃうじゃ いて
ひどい言葉をあびせたり
かなしいことや 暴力にも 
う ....
逃れゆくものたちから
遠くはなれ
真夏し続ける真昼
貝殻たちは閉じ続け
空は円環面だけを広げ続け退行の曇天
誰かが呼べば
誰かが応える
のそとがわで
隠れている子を見つけ出せない
鬼 ....
たわいもないもしくは深刻な
天使たちの会話を切り裂いて
チャコールティースの王たちが円に酔い痴れる滅びの夏
閉め切られた部屋の中に
続々と集うひとびと
片足の無い者は言葉を投げ続け
真っ白 ....
・・・・・・父は営林署の職員だった。私たち家族は小高い丘の上に建てられた社宅のひとつに住んだ。数十軒の社宅が営林署の三階だての建物を円形状にとりかこみ、遠くから眺めると近世の城とその武家屋敷の集落のよ .... 信号を無視してあらゆる交差点を渡った 緩慢な自殺未遂もことごとく失敗に終わり
裁縫バサミで刺した腕の傷も今はもうほとんど目立たない


つながれた大型犬が吠える それにつられて隣の家の
つな ....
泥のついたじゃがいもを手に取り
母さんはわたしへと目を向け
折り返し台所の窓に映った自分へと
そして再びわたしへと目を戻す

心なしかじゃがいもの泥を洗い流すときの
母さんの手は力 ....
ビタミンが不足しているのは百科事典に住んでいる僕の妹
い、いえ、祖父だっただろうか、毎晩旅をするんです
一人残される僕の血糖値は急激に低下する
い、い、いいえ、血糖値が低下しているのは叔 ....
{ルビ彼=か}の栄光に{ルビ与=あずか}ったのか冬燕







その{ルビ公共心=まよい}無き{ルビ憐れみ=なきがら}を







{ルビ深々=しんしん}と銀の ....
人間というのは

誰も不幸を背負って生きている

そのなかで前向きに良い未来が来ること願って

自分なりに一生懸命生きていけば

きっときっと幸せと思える日が来ると思うから
 ....
いつまでも
と誓いをたてるにはあまりに幼すぎたのだ
姉は朝食の後片付けをしながら
思い出し笑いをする
覚えてもいない妹は
今年初めて夏服に袖をとおした
ろくがつの洪水の夜に
しばらくぶりに泳いでみたが
溺れるすべを知らない僕は
たいへいようおうだん
とうとう魚になってしまった
今となってはもう
せめて、魚大好き!な君に食べられたいと
だ ....
そらいろの
きれいなびんをひろったので
ていねいにあらって
ひるのあいだ
えんがわにおいてみた
ゆうがたには
とうめいなみずがいっぱいたまって
びんのそらいろが
ゆるゆるととけだし ....
おいかけてゆきたいのです。

包丁でざくりと切ると、すぐ後ろでネギがぱらぱらと広がるように
ざくりの跡をぱらぱらと追いかけてゆきたいのです。



続けたいのです。

にんじんをする ....
お茶の中で溺れて
空中を旋回する象の群れに鳴り続けている遠いものたち
速すぎる、または遅すぎる空の時間の外側での蝶の密告
白黒のシマウマが交じわるところで
沈黙の王族たちが
美をかたちから逃 ....
巨人に踏み潰される朝
平たくなった太陽は
溺愛する星々を瞬間に残光で洗う
自動車が行き来する都市高速に
幾重にも連なった雲の影が落ちるとき
黒い信号がひとつになる
草野大悟さんの自由詩おすすめリスト(409)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鷺草のよう_________- 天野茂典自由詩6*04-6-30
- 天野茂典自由詩1204-6-30
ペンキ職人- 天野茂典自由詩1204-6-30
君には、僕の叫びは聞こえてる?_(※不快要素有り)- 智之自由詩1*04-6-29
とってん_からから- 玉兎自由詩9*04-6-28
ミチル- 松本 涼自由詩8*04-6-28
入学式前夜- たもつ自由詩36*04-6-28
ちゃんと- 松本 涼自由詩5*04-6-26
「こときり」- たもつ自由詩25*04-6-25
模写- たもつ自由詩10*04-6-23
着床- 本木はじ ...自由詩904-6-23
35度線- 霜天自由詩1104-6-23
キヲク- 望月 ゆ ...自由詩6*04-6-22
ホームセンター- たもつ自由詩1204-6-22
変態- 本木はじ ...自由詩5*04-6-22
決断- 湾鶴自由詩604-6-20
裏側- 本木はじ ...自由詩704-6-19
ROOMER- 本木はじ ...自由詩304-6-19
スケッチ- みつべえ自由詩704-6-19
あの頃- 石畑由紀 ...自由詩19*04-6-15
じゃがいもの花- 容子自由詩1004-6-14
架空少女事典- たもつ自由詩12*04-6-12
Mutual- 呉汁±自由詩104-6-10
生きて....- BLACK JACK自由詩304-6-10
青姉妹- たもつ自由詩1404-6-10
FISHMAN- 本木はじ ...自由詩604-6-9
きれいなきもち- アンテ自由詩24*04-6-9
願望- 湾鶴自由詩1004-6-4
灰色- 本木はじ ...自由詩204-6-3
夜明け- 本木はじ ...自由詩304-6-2

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