すべてのおすすめ
元気ですか?
手の届かない場所ですが、心配くらいはできます
毎日毎日できます
きみのつけた傷は、もうすっかり消えたけれど
壁の穴はなぜか、直したくないのです
元気ですか?
思いの届かな ....
子 思う 心
穏やかな 春海
翻せば
光 遮る 狂う海
あいたい との 叫び
長い 時の手になだめられ
腹の底に 閉じ込めているだけ
子 生きて 生かされ
....
松林のにおい
やわらかに透過する光
あなたのその目じりのしわが好きだった
波風がうばっていく言葉に
その想いものせて
わたしたちはあめふらし
ふいに雨音が恋しくなる
傘の下で肩を並べ ....
大きめの呼吸をスーツの内側に用意して
品川改札から人の波にとびこんだら
高層ビルという名の大きな魚の口に吸い込まれていく
ちいさな私たちは、たぶんプランクトン
生産したり分解したりの役割の中で ....
地球がもう少し傾いてたら
この斜め振りな雨に濡れることはなかったかもしれない。
寝ぐせとも天パとも云えぬような頭からは
まっすぐな言葉は生まれない、かもしれないから
今 ....
たった
一つの愛しみを
抱いて
思うところを
見つめ
寄りそう人の
片時
で
ほほ笑んで
いる
貴女の
握りしめた
左の手の
小さな 小さな
種に
なりた
....
薄く繋がる皮膚の下に
どこまでも空は広がっていた
その空の下には
同じくらいの大きさの街があった
その街で確かにわたしは
皮膚の持ち主だった
だから夕べ
知り合いの人たちに
なるべくた ....
黒板の粉が
午後の日差しの中で踊ってた
あたしもその消された文字の一粒で
キラキラと笑っていたんだ
ブラウスの隙間から
風がこぼれないように
37℃の痛みを飾って
眼鏡越しに見える世 ....
この歌の横顔にあなたがいなくてよかった
坂の上にぽっかりあいた空は遠くて
青くない方がいい気がした
降ってくる光が指先を透過して
平面なわたしが散らばり始める
透明になれなかった二人 ....
どんなに鮮烈な映像も、感情も
あとからあとから
注ぎたされる
とろりとした夢水に
輪郭を曖昧にして
とらえようとするほど
淡くまぎれてしまう
過去と未来の、あるいは
前世と来世の狭 ....
数段にかさなった雲がちぎれて
やがてあなたのところに届く
そうして同じ雨を降らすの
目に映りこんだ人の波を追い出したくて
必死で目をつぶってみるけど
ぶつかり合う肩の痛みに
思わずあな ....
夢の中で風に吹かれていた
耳の中を風が吹き抜けていて
頭の中まで涼しくなった
寂しいから一緒に住む人を探した
総理大臣とかそういう
忙しい人じゃない人だったら誰でも良かった
暑いのはイ ....
牛がこない
遅れるなよと言ったのに
メールさえ返ってこない
電源を切っているのだろう
遠くに
うすちゃ色のまーぶるがみえる
きっとあれだ
おーい、と呼ぶ
MOO―、と感情を長くのば ....
朝霧の蒸発してゆく速さに
子供たちは
緑色の鼻先をあつめて
ただしい季節を嗅ぎわける
くったり眠っている
お父さんのバルブを
こっそりひらいて
空色を注入する
うん、うんとうな ....
一匹の{ルビ蜻蛉=とんぼ}が
脚の間をすり抜けて
小さくさざ波立つ水田
暮れ翳り始めた空に
フラミンゴの色の雲
エミール=ガレの作品集を
撫でる指で繰っていた
男のこと
苗のき ....
耳から
抹茶がこぼれてしまうという
朝になるとシーツは
たっぷり緑を含んでいて
洗うたびに
深みを増していくのだという
(この時期だけなんですの
と
さして困ったふうでもなく
さらさ ....
人の ぬくもりに うまれた
人の やさしさに 育てられ
人の よわさに 試され
人の おろかさに 堕ち
人の つめたさに 知り
人の かなしみに 歩きつづけ
あなたはよく 言ってい ....
空き缶をひとつ捨てました
公園の植え込みに
ぬくもりもヒトカケラ
落ちていったことは
気づきませんでした
吸い殻をひとつ捨てました
歩道の端っこに
やさしさもヒトカケラ
落ちていっ ....
春の海はやわらかい
海と空との
地平線は線ではなく
ぼんやりとしている
春の空はやさしい
山と空との
地平線は線ではなく
崩れた帯のよう
近くで波の音がする
何度も繰り返すも ....
くびする糸者
冷れみて 児
かなさり住に
おへよっておへよって
らびが爺ね
東北新幹線の空洞を貫く抒情性を少しも吸収することが ....
母が縄跳びをしている
僕はしゃがんで回数を数えている
あんなに腰が痛い
と言っていたのに
背筋をピンと伸ばして
交差跳び、綾跳び、二重跳び
次々ときれいに跳んでみせる
既に数は百回を超え ....
おれがオギャーと言った日から
おかんのスイッチ ON
そいつは不思議なスイッチで
おかん睡眠中も ON
温泉浸かってても ON
極楽極楽言いながら ON
おれか ....
みずたまな くりりん まんまるね ふるるん はじけてみたのは
わたしの中の あなただった
どこへもゆける ぷりずむの 軌跡 のこして
夕暮れの街へ帰る人は嬉しそう
オレンジ空の向こうで待っている あの人に
逢いに行くのだそうです
黒い眼
まっすぐに見つめるとき
伸びた前髪から覗くとき
大人びた輪郭
頼もしく引き締まるとき
負け犬みたいに歪むとき
すっかり大きくなった掌
やさしさを差し出すとき
憎しみを投 ....
オナラしたって
ケンカしたって
背中の脂肪つまんだって なんのその
愛してるは止らない
シワくちゃになって
ボケまくって
ついに名前すら忘れちゃったら なおのこと
....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
{引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
よこがお
見つめてる
暮れてゆく西の空
降りしきる窓の外
白熱電灯 照らし出す いつか
よこがお
聴いてる
並木揺らす風
遠ざかる終電
カース ....
話しをしようか
なんだっていいんだ
最近ハマってるゲームのこと
社会の先生のこまったジョークのこと
実は英語が赤点だったこと
リレーでこけたのはなんでか?
ちょっとがまんしてる姉の ....
たとえばおまえがいっちょまえに
人生の壁などにぶち当たったとき
母親なんて無力なもので
ああでもないこうでもないと気をもみながら
弁当のおかずを一品増やしてやれるのが関の山
....
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