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買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で
私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で
果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
レモン水一口飲んでいる間に
地球が生まれ
消えていきました
桜がとてもきれいだったので
あなたに伝言を残そうと思いました
僕の「はじめまして」と「さようなら」は
イコールになっただろうか
なんだか「さようなら」ばかり思い出す
僕は1年前
君に出逢った
君のことが好きになった
心から ....
深くまでつづいている
いつか見失った道の先にある、森で
夏の日
ぼくたちは、生まれた
頭上には空があった
ぼくたちと空の間を通り過ぎてく風があった
ふりそそぐものは、光
光とも見 ....
++栄 光++
栄光が終わった日
あなたはそれを
さっさとアルバムに貼り付け
グラス片手にひと晩眺めて
あとは戸棚に置いたっきり
....
紫陽花を見て
死のうとしていた
そんな時
僕は君に会った
君は悲しみをしっていて
苦しみも知っていて
僕と同じだった
月日は流れて
紫陽花を思い ....
しあわせは
すりぬける風
ひとときのやすらぎ
明日のことは
わからない
しあわせは
すくいあげた水
たやすくこぼれるけれど
歩けるぶんだけ
あればいい
....
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない
涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと ....
かなしみが
すこしずつ こりかたまって
そうやって できた石は
どんな色してるでしょうか
にごった 灰色だったりすると
いやだな
すきとおった 青い色なら
い ....
{引用=私イコール作者だと信じる純朴な読者は、読むな。}
夫のいびきが隣の寝室から聞こえる
ここは私の部屋で ここにあるのは私の取り分
大きな書棚 たくさんの本 オカリナ ちゃちな顕 ....
あなたはわたしの何もかもを知らないし
わたしはあなたの何もかもを知らない
それでいいと思う
それでいいと思ったら
夏の柔らかい部分では
雨の方で都合をつけて
わたしとあなたを
水たま ....
砕けた背骨など
切り裂けた肉体など
コルセットで締め上げて
美しく着飾れば
微笑むのは容易い
私は、強い女
人々の喝采も
百万本の薔薇も
救えぬ魂
あなただけ ....
すべての扉を閉ざしても
あなたの底から
見つめている
あの日確かに
善と悪の種を抱き
母なる海から
夢も絶望も
朝も夜も
混沌と在る空の下へ
....
男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
無限大じゃないこと
見ないふりして
止められなかった
蛇口をひねり続けた
温かいものが注ぎ続けた
わたしが眠るとき
ひとり壊れて ....
立ち止まる午後
見上げる空
見下ろす街
切り取った直線のシルエット
時は規則正しく歩き
赤で止り
青で進む
直線の上
歪んで転がるもの
わき目に時は行く
....
そして何事も無かったように
日常は流れて行き
そこに何事も無かったように
あなたは立っていて
拍子抜けのふたりの間に
静寂だけが そっと
....
ここで赤い魚の話をしてはいけません
最初の貼り紙は公民館のドアに貼られた
誰が貼ったのか
誰も知らなかった
次の貼り紙はあちこちのスーパーで見られた
誰が貼ったのか
店員も店長も知 ....
誰彼の
人生の一幕を引き受けながら
幾度の夜をくぐり
幾度の朝に停まり
巨大な車体は
物悲しくも
満足げにも
重々しい ....
仕事とわたし どちらが大事 って迫ったら
迷わず 仕事 って答えないでね
せめて3杯目のコーヒーまで
がんばって悩んでね
さんざん悩んだあげく
さも苦しげに 仕事 って答えてね
まちが ....
あのころ
あなたの優しさに包まれて
ふたりで歩いた一本道
あなたが消えてから
ずっと近づく
勇気がなかった
この通り
寄り添った肩の
あたたかさ
出会ったことを
大切にしよ ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
誰も気付かない
雑草に埋もれながら
濁った太陽を浴び
くたびれた大地に根を張り
凛と
揺れる花びら
意地っ張りな道の端
譲れない生き様
誰も振り向 ....
しみったれたあんたの背中
パンと叩いて
さよならしてあげる
なんてらしくもない小気味良さで
バイバイ
ヘッドライト後にして
なんとか見上げた空の横っちょ
さっきか ....
日常の扉から ちょっと寄り道して
いらっしゃいませ
荷物をお預かりしましょうか
溜息をお預かりしましょうか
洗い晒しのジーンズを着るように
....
海が青いからといって
誰もが海のように青いわけではない
空には雲があるからと言って
雲がすべて白いわけではない
火山が爆発したからといって
溶岩はいつまでも赤いわけではない
花 ....
悲しみが生まれた頃は
見えないものなのです
それは
徐々に姿を現すのです
時間が経つにつれ
小さくなることはありません
同等の質量を維持したまま
心の真ん中に居座り続けます
....
失望を蹴散らし
土煙をあげ
何度でも駆け抜けろ
轟かせ、蹄の音
打ち鳴らせ、その道
燃え立たせ、灯し火
巻き起こせ、{ルビ疾風=はやて}
なびかせ ....
可憐な花の狂い咲き
醜いですか?
愛しいでしょう
あの恋慕の試練から
身を守る術を
無垢な胸は、知る由もなく
狂った瞳は
もう彼の人しか映さず
狂った唇は
....
自分しか愛せないその人は
満足そうに笑いながら
いつも眉間に皺があった
固く閉ざした
プライドの扉の中の
鋭利な孤独で
冷え切った掌で
きっとワタシは
壊されていたかもしれない
....
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