「僕等は何処に行くのでせうね」

 始発のホームで誰かがそう呟く。
 電車の行き先は決まっている。
 けれども誰かがそう呟く。

「僕等は何処にいくのでせうね」

 病院の屋上で誰かが ....
仮面の奥に秘めた
笑い声は
人を嘲るように
胸をえぐる

楽になりたいか?
苦しむのだ!
桃源郷は
地上のどこにもない

はく製の目玉のように
ギラギラ光り
隙を見つけている。 ....
夜空をみると
ごめんねって言いたくなる
それは黒が諭すから

夜の空気に触れるとぜんぶ
さらけだしたくなる
それは月がみつめているから

自分は正しいと信じながら
間違ってると感じて ....
 堤を越えてひたひたと
 毀れ出る
 雪融けの水のように
 当て所なく膨れ
 拡散していく
 春空

 打ち仰げば
 溢れ落ちる光の
 飛び散る飛沫の
 血潮に濡れた
 はるけき ....
観覧車が
左回りに
新しい青を曳く
真昼
女のかたちをした雲の
乳房の裏側あたりに
太陽がかくれて
鼓動している
傾きかけた夕日に
静かに染められていく放課後の教室
たわむれあそぶ影法師たち
その風景からひとりひとりを
輪郭にそって丁寧にきりとり
ノートに貼り付けていく

ふるえる手で
間隔が
 ....
おそらく
今日という一日を
まめをつぶして過ごしてしまったのが
悔しくもなくて
誰のために
血を流していたのか

自分のために
なっていたらなあ
感嘆が漏れてから
夏の湿気につつま ....
僕は遠い昔に生まれ
すでに死んでいてしまいたかったな
神話は失なわれ
青空はなんにもない
空虚な哀しみに
剥げ落ちてしまった
今日の空を見上げると

夜の美しい闇も
ざわめきのライト ....
泣いてるけどさ
君もどこかで泣いてるのかな
そんな想いさえ届かない
空は配達なんかしない

願い事だけ
かけられて星は重そうに
震えているから
笑っちゃうね
同じ数だろう人びとの数
 ....
明日
貴方に
逢えなかった

昨日
貴方に
逢えるかな

さっき
貴方の夢を
見れるかも

きっと
貴方の夢を
見れた

矛盾が
溢れている
空想に
満ちている
 ....
  仕事を終えて部屋に戻ると
  ベッドの上に死人が載っかっていたのだが
  その耳朶があまりに綺麗だったので
  ぺりりと剥がして自分のと取り替えた



  ワイングラスを揺 ....
誰も自分の事しか
考えていない。
人の為と書いて
偽りと読む。

人なんてどうでもよい。
自分の都合の悪い奴は消す。
都合のいい奴には嫌われる。
裏切りや嘲りに生きる。

なんて思 ....
考えすぎない
なんてできない

考えきる
こともできない

風みたいに
自由になりたい
なんて思ってるくせに
臆病者

風は
よく思われたい
なんて思ってない

見つめす ....
空気に衝突して割れる声の破片が
あの同じ恐怖の温度をもって
心臓に突き刺さる

長い階段の一段一段を
少女の裸足が
危なっかしく下りてくる

何から逃れ来るのか、
わたしは知らない
 ....
我命は
カゲロウの如き
いと儚きもの
すぐに壊れる

大切にしたい
繊細で
脆い
風の前の塵に等しい。

しかし命は
繋がっている。
だれにも
絶つことはできない。
いくつもの風が過ぎた
いくつもの雨が過ぎた

いつ結んだ思い出だったろう?
   僕の地平をゆく青い旅人に
   君の塔に棲む白い少年が手を振る

日と月とがめぐる 星座がめぐる
幾重 ....
  ある日の授業で先生が言った
  宇宙を暗唱してください



  興奮したように
  エントロピーやら引力やら
  べらべらと捲くしたてた委員長は
  廊下に立たされた
 ....
いくつもの賭けをした

あの坂道を
はやくのぼりきった方が勝ちだ
瓶入りのコーラを賭けて

角の犬に吠えられたら負け
一杯の牛丼を賭けて

先に恋人のできたほうが勝ちね
きれい ....
明日になれば できてる

明日になれば 上手くいく

明日になれば 解決してる

明日になれば 忘れてる



全て他人任せ



自分では 何も出来ない
 ....
  きみは一篇の詩
  ただひとつ
  この星にうまれた
  かけがえのない一篇の詩



  時間は目眩めくリズム
  若さに弾み
  老いて穏やかな
  飽きることのな ....
頭のどこか奥のほうで
水が、
ごう、
と音をたてた

やさしく響く音楽のほとんどが
ほんとうは悲鳴に由来していることを
習いに学校へ行く
聴いているふりをしたり
聴いていないふりをし ....
人々が己を捨て去る夜に
僕は一人で酒を飲んでいる
誰もいない夜更けに
風が話しかけていった・・・


もう野良猫にも相手をされず
僕の孤独は極まってしまった
職場の皆からは嫌われて
 ....
私たちは
おりがみのくに
二次元を

小さくたたんで
つるになって

おなかの隙間から
ふう、って
息を吹き込めば

祈りを宿した
強い記号だ


メレンゲを
淡く
 ....
  

  なにもかもが縺れた朝に
  六月が
  しくしくと雨を浴び
  痛い痛いとさけんでいる



  犯罪者もペテン師も
  愛しきも憎きも
  背に負って
  痛い痛 ....
細い糸
端と端
互いにもってひっぱって
どんどんどんどん
どんどんひっぱって

切れるわけないよ
伸びてゆくよ
世界がかぶさって広がってゆくよ

円と円
縁と縁
まるければきっ ....
濁流から逃れた君は空を仰ぐ
散っていった者は悔いがあるだろうと
ひとりぽっちの青年は いつまでも呟く

気休めの暗示も
上っ面のヒューマニズムも
しだいに溶けて何も残らなくなるだろう

 ....
ぼくの言葉が
発した時から
ぼくの元から
たくましく
しっかりと
旅立っていって
たくさんの人たちと
心の交流があって
すっかり
内面を磨き上げられて
結果
ぼくと再会し ....
隔離病棟に強制的に入れられたい
外の世界の嫌なことを知らずに済むから
辛い現実に立ち向かわなくて済むから
「もう君は人間以下の存在だ」っていう
烙印を押されて「どうぞこちらが入り口です」

 ....
心の隙間を埋めるように
むさぼった、みんなで
流れていく
体内を巡る液体に同化して

それでも
蒸発していくの

たばこの煙
汚い笑い声

何もかもバカみたいで
染みていくアル ....
背中の波が剥がれて泣いて
海が誰かを呼んでいる
あなたのことを考えてみる

体を循環する器官のひとつひとつを
ていねいに洗う
みずの流れに臆病になると
腰にひびが入るんです

ゆるや ....
シホ.Nさんのおすすめリスト(341)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「僕等は何処に行くのでせうね」- 亜樹自由詩311-7-25
ダルメシアン- ペポパン ...自由詩3*11-7-24
夜に逃げる影- 朧月自由詩311-7-22
春空- 夜雨自由詩311-7-22
青を思う即興- あまね自由詩911-7-22
卒業- ガマパッ ...自由詩311-7-20
肉を刺す- 中川達矢自由詩6*11-7-20
遠い昔に死んでいてしまいたかった。- 折口也自由詩511-7-20
よくよく眠れ- 朧月自由詩311-7-16
- りり自由詩2*11-7-12
死人- 草野春心自由詩211-7-11
幸せは...- ペポパン ...自由詩3*11-7-9
はにかんだ風- 朧月自由詩211-7-5
鋭い叫び声ではじまる夢- K・フラ ...自由詩211-7-5
カゲロウ- ペポパン ...自由詩2*11-7-4
僕らの日々- 塔野夏子自由詩7*11-6-29
- 草野春心自由詩7*11-6-29
坂道- はるな自由詩511-6-27
明日まで- 平沢ちは ...自由詩111-6-21
世界はきみの歌- 草野春心自由詩4*11-6-20
月曜日、晴れときどきくもり- あまね自由詩1011-6-20
夜更け- yamadahifumi自由詩311-6-19
おりがみのくに- umineko自由詩22*11-6-6
六月の背中- 草野春心自由詩511-6-1
地球の糸- 朧月自由詩511-5-26
ひとりぽっちの青年- subaru★自由詩8*11-5-25
ぼくの言葉が- 寒雪自由詩211-5-22
精神病のブルース- SEKAI NO RET ...自由詩2*11-5-7
冷めていく夜- AquArium自由詩311-5-5
ゆるやかにおしまい- りこ自由詩20*11-5-5

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12