すべてのおすすめ
風船がしぼんでゆくのは見たくないだから今すぐ針を刺してよ


箱ならば開けてしまうよ血管を通うわたしのパンドラの血


飢えている仔猫にミルクあげるとき黒い何かの目覚めに気付く


 ....
火曜午後喫茶店のコーヒーを猫舌ですくう君の口元

窓枠の銀色のふちと重なった空の灰色二十代の時

さっくりとすすむ静かな五月の{ルビ陽=ひ}自転車こぐ足軽く浮き立つ
遠去かる陽がうなずいた草の輪にやがて降り来る雨のふちどり



痛む目となだらかな背を持つものは皆それぞれにぽつんとしている



ひとりだけ此処に居ること奏でれば返る応え ....
二時間後待ち合わせをした駅に居る君の背中を想って黙る

甘茶色耳にかかるべき髪の毛を指で遊ばせ五分の間を埋め

梅雨前の最後の晴れに出かけよう三浦海岸二人乗りの午後

まっすぐに続く空とい ....
ぼくたちの出会いを事故と名づければたちまちエアーバッグが邪魔で


消えかかる蛍光灯の真似をするきみの瞬きずっと見ていた


きみのその背中の刺青の蝶を捕らえるために彫りし蜘蛛の巣

 ....
「昨日はふたつの嘘をつきました今日は今日とて数え切れずに」



たくさんの傘が車道をすぎてゆく雨上がりの陽に影を失くして



風あおぎ枯れ川の春祝うのは帰る場所無き ....
雨の音に紛れてニュースが伝えている関係ないよわたしはわたし

都合よく咲いてくれたりしていますわたしに似てるアジサイのいろ

ガラス戸に夏色ばかりが映っている忘れていたよ次の約束

 ....
{引用=猫の目のなかに言葉をさがしてた世界がわたしの部屋だけの夜


はてしなく優しいきみが眠るときおとぎ話の幕が開いて


鍵穴を探す深夜の部屋の中小さな鍵の彷徨う{ルビ行進 ....
{引用=高速で回転している花束を見ている朝の洗濯機の前


小窓からしゃぼんの香り飛び出して空に散らばる雲の石鹸


仰ぎ見る雲は雨雲どんよりと黒い何かをぬぐえぬ散歩

 ....
シーソーと電池の切れたラジコンときみのなみだとそしてさよなら

かくれんぼ3つ数えて工場の敷居を越える(サンタはいない)

この町で一番長い煙突が君と僕との待ち合わせ場所

この町と ....
メキシコでUFO発見されし日に生まれた子らが今日成人す

制服で歩くふたりにもう僕はなれない春に煙草をふかす

「やり残しリスト」を胸に掲げつつあと一年は生きんと思う

目覚めると言 ....
明け方に氷の雨が降り注ぎ僕の帽子は蜂の巣になる

明け方にwww(ウェブ)で出会った人達は全員同じ顔をしていた

ドアが開き誰か来たかと思ったが猫が一匹立っているだけ

「あ、鼻血」 ....
ブランコに51kgぶらさげて光らすための助走をつける


20歳になったら生きる意味がない崩れるための両足で立つ


空っぽになるのに伴う痛みならどこでなおしてもらうんだろう


 ....
生真面目にあいさつ交わすその影にほほ笑み潜むデスク前にて

ためいきは貴方の家庭(うち)に置いてきて私の前ではヒーローでいて

バブル期の企業戦士は家も見ず寝る間も惜しんで女を抱いた
    ....
青は赤緑は黄色とおんなじでこの世に生きている事の不思議

寝室に肉食獣が眠るから君は入って来てはいけない

ワイパアに折り畳まれてゆく雨の先を伝って悲しみが満ち

学生もサラリーマン ....
忘れない根に持ちますよわたしは、と言う君みたいな雨のはじまり

残っている洗いざらしのTシャツに君が選んだセッケンの匂い

あたらしい季節へ線を引くような雨あがりの青い空とは

あおい ....
   こよつきよ              
   ここにもちから およぼせよ。

   夏草ノ原 草ノ海原。


 ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ
      ノノノノノ ....
あの嘘を見破るなんて野暮なことしなきゃよかったサヨナラ純情

ツマラナイ女になるなと口癖のように云うから泣いたりしない

ピンヒールの靴を履いたら女王様君はかかとの下で傅く

口紅の色を迷 ....
降り立った夏の停車場せみたちの鳴き声拍手喝采のごと


実家へと歩く田園風景のさびしきひとりと描かれる夜


秘密基地としての廃屋いまはもう月光だけの棲み家となりて


失った記憶と ....
ガソリンスタンドで働く父のために埠頭で釣りをする母


サンドウィッチにはさまれたクラゲがただ干からびていくのを待ってる


ヒツジの皮を被ったケダモノだが牙はすでに抜かれてし ....
  暮れていく夏空に似た恋をして大人になったつもりでいたの


  言わないでほんとはもうね気付いてるあなたは優しいだから辛い


  どうしても言えない言葉を胸に抱きあなたとわた ....
やわらかく流れる小川わたくしのちひさな闇にきらめくひかり


クローバー探して回る少年と少女の絵画にみとれるぼくら


ぼくたちのこの関係を奪うのが風なら運び来るものも風


河原に ....
  暖かな雨に追われて迷い込み君と出会った六月の町


  徒に花びら数え占った恋の行方を君も知らない


  花は花やがて綻び散るものの定めの前に花鋏有り


  裏庭でか ....
{引用=011:都}
ただここにいるんだよって告げたくて座標なき都さまようアネモネ


{引用=012:メガホン}
汗だくでパスワードはじくメガホンが甘い言葉は要りません、と夏


{ ....
乱反射している飛沫に映るきみ刹那に過ぎ行く夏のはじまり


六月を雨の季節とたとえれば花嫁たちのヴェールは時雨


水の中の八月だから転校すきみの街までクロールでゆく


ひたいから ....
竹の子を探す少年少女らを囲む竹林千本の闇


ウミウシという生き物がいることもやがて知るのか二歳の娘


あの日きみが嫌いと言った茄子を見て疼くこころのむらさきの痣


たこ焼きのた ....
明け方は2%のおさとうと君の寝息でできている青


これから一緒に食べる朝食は今までで一番美味しい予感


夜明けにふと起きてまた眠る前に君が言ったおはようございます


この黎明だ ....
ジャケットの裏に内緒でしのばせた四月のピンクと怯える自分

こっくりと深い音をたてながら埋めたい距離と倍速の{ルビ時間=とき}

自家製の梅酒を{ルビ口実=ネタ}におしかけるグラスの氷は溶けか ....
花びらを コーンフレークに 混ぜてみる 君との 甘いキスの 味かも。 フラッシュが焚かれて君は三歳じゃ作れなかった微笑みをする


「帰ろうって決めたのはいつ?」「おとといの君の電話が二度鳴った時」


空なんて仰がなくたって小銭入れの中に銀色の桜ひ ....
望月 ゆきさんの短歌おすすめリスト(206)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黒い花束- 本木はじ ...短歌905-6-12
からす、なくように。- 吉原 麻短歌4*05-6-12
ノート(窓)- 木立 悟短歌805-6-10
並ぶ、風と、流れる- 吉原 麻短歌705-6-10
六月は雨- 本木はじ ...短歌1705-6-9
手紙- 木立 悟短歌705-6-8
冷夏25℃- たにがわ ...短歌305-6-7
水無月セピア- 野月歩短歌605-6-6
梅雨空日記- 野月歩短歌11*05-6-3
第三セクターの恋人達- シアン短歌605-6-2
ゆりかごから墓場まで- シアン短歌405-6-1
サイレンの丘- シアン短歌405-5-31
K- ピッピ短歌21*05-5-30
SAYONARA- 落合朱美短歌9*05-5-27
君を迎えに- シアン短歌505-5-25
初夏- たにがわ ...短歌505-5-25
なつくさのはら- 小池房枝短歌13*05-5-24
恋愛のカタチ- 落合朱美短歌12*05-5-22
雨色の断片- 本木はじ ...短歌19*05-5-18
飛翔- バカ男短歌11*05-5-16
夏空のオペラ- 嘉野千尋短歌8*05-5-14
見上げる木蔭に思い出が降る- 本木はじ ...短歌11*05-5-13
紫陽花ヶ丘- 嘉野千尋短歌16*05-5-12
題詠マラソン2005_011-020- 汐見ハル短歌305-5-7
EN_DLESS_SU_M_MER- 本木はじ ...短歌905-5-6
【短歌祭参加作品】食卓までのディスタンス- 本木はじ ...短歌8*05-5-4
ブルー- ヤギ短歌4*05-4-29
アパート脇、自転車を停める。- 吉原 麻短歌305-4-20
- くしゃみ短歌5*05-4-17
わかってる- ピッピ短歌705-4-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7