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ブルー問ふ京の都の古家ぬけ落ち込むぼくに空指しながら


麗しき姿であれどきみに問ふ如何なる意図や人魚の胸像


高速の指の運びに混ぜられてゆく鍵盤ももはや灰色


「色たちが心中し ....
口紅がはがれた後のりんご飴 確信犯のうつくしいきみ


こんなにも渇いていたと知らされる 始めのひとくち貪る夕べ


日に焼かれ濃縮された僕達を還元しては味見する海


やわらか ....
せみ時雨夏の心は風誘い
    剥き出しの肩陽に揺らぎゆく


通い合う心模様を重ねれば
    枕に添えるタオル直して


向日葵の風の音遥か陽に遊ぶ
    日 ....
夕立が無色透明装って世界の色を塗りかえていく


夏草で作りし花冠捧げればいろどり添える幼い香り


真夏にしか開かない扉見つけ出す触角のばせ跳ねる子供ら


縁側で午睡のさなか風鈴 ....
月が月こぶ月の憑き月浸かれ点きし月の輪突刺す月の眼



酒と詩と歌う口からごあいさつ草の上にも眠れ夜の獏



探すのかさすらうのかはこの樹にもたどる葉脈花弁の夏日
 ....
いつだって取り分け用事はない手紙暑い夏ですお元気ですか


熱き息傍らに聞き盆送り今日の日の人毎日の君


にわか雨染み入る砂浜のごとくのどかに揺るる稲穂のごとく


便箋の印に沿い ....
八月の暦に耳を押し付ける少年いつしか海原のうへ


生い茂る真緑の原に埋もれゆく廃工場に響け恋歌


遠回りで帰る夜道に横たわる近道えらびし野うさぎの母


飛行機を追うてふもとの村 ....
われ先にわれこそ先にと同じ日に蒔かれた姉妹の朝顔の咲く


狩りそして狩られることの無き国の王女の不在のごとき静けさ


水中を沈みゆくバス、運転手、乗客らみなほほえむ夏日


コン ....
恋を知り少女がひとり懐かしむ灰をかぶった安寧の日々


階段の踊り場の恋は吊り橋の上の恋よりまことしやかに


12時で魔法は解けて ここからは本気であなたを落としにかかる


ラン ....
水色をまとい眺める水平線南の国は晴れだよ兄さん



マスカラの黒に瞳が見え隠れそんなふうに怒るな妹



空き瓶をカチリといわせ運んだね僕にとっての紅姉さん



紫の水晶送 ....
追いたいと思う心理を知り尽くし残り香すらも残さぬウサギ


いつもはね慎み深い私なの 貴方は特別“私を食べて”


「首を切れ!!」怒鳴るクィーン黙々と従うスペード恋は盲目


30 ....
今は亡き母の姿を求めては
     会いたし会いたしと 老いた我が母


ミシン糸 穴に入らず{ルビ背中=せな}丸む
          祖母と似たりし横顔の母


人生は長かりし か ....
耳をふさぐと雨は遠くの国みたい 目をふさぐのをためらいながら



台風の日だというのに 僕たちに降る風はもう諦めている



キャミソール の 裾 を破いてもう少し生 ....
{引用=
その日々に名前をつけてはいけないの






{引用= 021:うたた寝}
うそつきをあじわいたくて焼きたてのラスクを舌にのせてうたた寝


{引用= 022: ....
まぼろしの握手をすれば手の中に土の味するひまわりの種

夏の夜の平均気温が2℃下がり僕は機械の夢を見ました

青空に君が裸で泣いている 機械の僕は近眼のまま

コーヒーを眼鏡の縁で焙煎し3 ....
日に満ちた電車はそっと風になり火照ったほほをすりよせてゆく




夏に包まれた海の底の席で車掌が居眠りしつづけている




唇のはしからはじまる熱気にもあたたかないばら胸に ....
踏みつけた木の葉の裏に隠れてる虫さえ愛せるくらいにひとり


冷房のファンに揺らされ落ちる葉のむなしさだけは凍り付いてる



あの雲にかかればあの葉の色だって一撃なのよ だからわたしも ....
A型のあなた翼を折りたたみ夢の背中へ落下してゆく


B型のあなた昆虫採集を投げ出し籠の中で寝ている


C型のあなた視界に映る朝こことは違ふ世界の夜明け


O型のあなた肯定し続け ....
カリフォルニアオレンジジュースと勝負するこの恋からは決して逃げない



ここで飲むビールもいいねと君が言う上空強風離陸見合わせ



風鈴が止まってしまうほど酔ったあなたとのお酒辛く ....
 定型に望みを賭ける
 形なきものにかたちを与えるように


 カメラ無し三脚立てて五歩下がり 
 瞼が切り取る秋の夕暮れ


 君のこと好きで好きで気が狂いそう
 君の字に宿る君の ....
エジプトに眠る少年少女らの夢であるかもこの世のすべて



着物から覗くあなたの白い脚 幽体離脱の感覚を知る





水色の街へと渡る鉄橋の錆びた思い出ながれゆく河
 ....
まどろみの中で貴方の去る気配感じてみぢかき夜を恨みぬ

白肌のうるおう術も知らぬまま落ち逝く沙羅の姿さやけし

雨の矢に毒を塗りたし恋ごころ睡蓮泣きて梅雨雲を呼ぶ

星合ひの前夜に胸の ....
「自分は?」と聞くのが恐くて 孤独ってあんまり美味しくないの知ってて


矛盾って何だったっけこの問いに答えるための言い訳だっけ


切り裂かれる桃から見たらまっ白な世界の広さにや ....
好奇心ひろげて崖から飛び立てば ああ、こんなにも太陽のせい


幾たびも安易な夜を貪ってぼくら獣のように純粋


僕たちはすでにレッドを飛び越えて蒸発してゆく抱擁のあと


妊娠をし ....
思い出の森をさまよう僕はもう少年時代の歌詞から遠い


おにぎりの形している山登る今はまだまだ海苔の真ん中


紫陽花に紋白蝶の眠る午後わたしが汚れているのが解る


花粉から誘われ ....
忘れたよ 待ち合わせてた 花水木
        やさしい声も あなたのキスも

覚えてる? 笑ってくれた あなたのやさしさ
        涙も枯れた うつむくわたし

すきだった すき ....
夜を飛ぶサーチライトをUFOと信じる子には光るシールを

映写機に撃ち落とされた銀幕の穴の向こうの月が綺麗だ

始発にて人気女優のクローンのような女と飛行場まで

新品のアメリカ製のス ....
-開「始」の合図
女として生を受けたわが母を踏み台にして切られるスタート

-頭上に透き通る芸術作品「虹」
雨上がり私の中の虫たちが工夫凝らして作る架け橋

-上の者と下の人間との会「話」 ....
青き百合を水に葬る手のひらのかたちのように流れゆく指


横隔膜の失いたる平衡感覚で剣のうへももはや荒野


牛乳を一気飲みする冷たさにすべての蝶の真白く映えり


目を閉じて遠き木 ....
やわらかく青へと染まるリトマス紙わたしの愛も調べて欲しい

インドにはペンケースを踏む象がゐるそのかけらほどの愛が欲しいと

その好きは錯覚ですよと言いはなつ君の思いが春にまぎれる

 ....
望月 ゆきさんの短歌おすすめリスト(206)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
第三芸術- 本木はじ ...短歌1905-8-25
夏わずらい- ソマリ短歌13*05-8-19
返歌集- 恋月 ぴ ...短歌6*05-8-19
夏を濯ぐ- ソマリ短歌9*05-8-18
過夏_掬いの水口- 漁夫の利短歌405-8-17
消息の文- ヤギ短歌9*05-8-17
八月生まれ- 本木はじ ...短歌1705-8-15
真夏の禁猟区- 本木はじ ...短歌1505-8-11
ガラストゥ_ガラスヒール- ソマリ短歌13*05-8-10
血縁肖像- ふるる短歌10*05-8-9
恋色アリス- ソマリ短歌13*05-8-7
母を見つめ- 秋扇短歌6*05-8-7
- ピッピ短歌1305-8-5
呪文みたいな日々でした(題詠マラソン2005_021-030 ...- 汐見ハル短歌505-8-3
キカイのカラダ- りっと( ...短歌705-7-26
あたたかないばら- はな 短歌15*05-7-21
だからくもった空は嫌い- miky短歌12*05-7-17
転調- 本木はじ ...短歌905-7-14
特製炙り焼きネギチャーシュー- ふるる短歌9*05-7-4
形なきものにかたちを与えるように- 渡邉建志短歌10*05-7-2
永遠に氷- 本木はじ ...短歌1505-7-1
半夏生- 落合朱美短歌15*05-6-25
残滓- ピッピ短歌605-6-25
レッドを飛び越える- 本木はじ ...短歌705-6-23
雲の上のレタス- 本木はじ ...短歌1205-6-19
すきもきらいも_涙も恋も- 逢坂桜短歌4*05-6-18
幻燈機の夜- シアン短歌1805-6-17
どこかからやり直せたらいいのに- 短歌3*05-6-16
消灯時間/蝶のかたちに展がる雫- 本木はじ ...短歌1305-6-15
「恋とか愛とか」- たにがわ ...短歌305-6-14

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