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冬型の気圧配置を見てるよう、穏やかに君、強かったりする

拝啓と綴る手紙の確かさが、チョコレイトより君らしくある

この空と夜が導く{ルビ静寂=しじま}さえ盗めば春と予告状だす

焼酎に水 ....
コンセントから漏電した原色の((わすれないで))はフィクションとなり



       凝固剤の足りない夜の水槽で泳ぎも歩きもできない会話 


壁 ....
穴の夜に可憐な花を引きちぎる 心の底から憎まれたくて


『やさしさ』という字はとても丸いのでやわらかなものと誤解していた


ワンピースに西のワインがふりかかる とれない染みに焦がれど、 ....
君の胸で飼われるうさぎになりたいと思う今日から欠けてゆく月


思い出を糸玉にして絡めとる 躓かぬよう掬われぬよう

耳たぶに可憐に小さく花咲かす君の愛するパールホワイト


我の ....
列車から{ルビ放=はな}った鮮花は孤児だから一枚一枚懐柔していく



長針の長さか短針の長さかと午前午後とも振り切れてなお



隣家の瓦のいろを確認する軋む板間にうぶ着の陽光
 ....
ほら、ごらん、寒さのなかのひだまりが「僕に帰れ」と言っているんだ

そうだねえ、最後に見たのはいつだろう。街に消される私の影を

その風の強さを不意に迎え撃つ、来たのね、春が、猛スピードで ....
待ち合わせ場所はどこかの曇り空ばかりが続く駅かバス停



大波が小波を飲み込むように冬 芒ヶ原に消えゆくふたり



砂浜に打ち上げられる夕焼けの淡い波間に拒まれながら
 ....
水晶を砕いてください船底でふゆの花びらかくまうように






捨ておいた言葉に幾度も拾われて星座のたもと鋭角を知る


閉じかけた波音の日がよみがえる月の鏡の無言を浴び ....
西暦の未来分だけ過呼吸になるというなら(青い背中は、)


「ぼくという、きみというのも青までね」イヤフォン越しにゆらぐ終着


平坦な青にまみれる朝を見たあなたの声にふれてはさめる
 ....
東京と京都の距離は遠くない

西陣織りの帯でつないで
別れ際 凍る言葉に浮かぶ舟 たゆたいもせず 流されもせず

人の波 何に安心しているの 流される事 雑踏の静寂

薄笑い 薄い氷のその下に 黒い魚の影がちらつく

移り往く 山のもみじの日 ....
帰り道 君は南に私は北に 二人を分かつ夕暮れに秋


ロンハーの青田典子が好きと言い笑い転げる君が愛しい

疲れてる君の様子に少し似たスーツの上着抱きしめたくなる

ネクタイを慣れぬ手つ ....
あたしのこと忘れたことも忘れる頃にあたしは君を忘れるんだろ


何もかもうまくいかないそんな日々 カレーさえ悲観的な味付け


鈍行の列車の速さでは駄目だと堪らなくなり目を閉じている

 ....
君はもう忘れたんだろ角にあるセブンイレブンでキスをしたのは


冗談にならない嵐 外に聞き“永遠はない”わかってはいる


「もしもし」とのろい私を罵ってくれるウサギが君ならよかった

 ....
行方不明の洗濯機が二番線のホームで脱水していた


振り返ると家電フロアーの主任が裏口でまだ手を振ってる


今日もレンジの平和を願う君が両手でものを温めている


「いつも利用する ....
 そう、確か約束したのは今日でした。あの日と同じ月は無くとも

 まっくらな夜に逆らう星たちを握りしめよ、と右手をかざす

 涼しさは不意撃ち気味に訪れて何も言わずに終わっていく夏

  ....
嘘つきはもとめるように口を開く、
だから石を入れて縫いつけた。




キスしたければ唇のように目をあけてぼくを受け入れて噛んで。




さあ泣 ....
あかあかと美しすぎてお日様のその輪郭にただ弾かれている


もものかわはがしたゆびがぐにゅぐにゅであらったけれどもにおいきえない


歌いながらまるく溶けてく氷たち 透明なグラスにあふれな ....
サンダルの指さき焼いて終わる夏
    さわぐ波音遠くに聞いて


誰もいないパラソル揺れて砂浜に
    思い出さえも続くスナップ


飲み干したカルピスウォーター氷だけ
     ....
太陽に撃たれてしまった今日という夏が私を浄化していく

反乱の白い日傘を青に塗りわたしと空が同化する夏

「その花を頂きます」と来る予告、たぶん夏には盗まれている

風鈴の ....
お盆には
天より魂が還るという
亡き親友よ「おかえりなさい」
雨音のぱたりぱたりと心地よくけぶる視界にひらく番傘 光合成が不得意の僕らにまた夏の陽が降り注ぐだろう


屋上のベンチに座り互いの塩分濃度を確かめ合った


生き物の忘れていった生ものが機体の上で腐りかけてる


メデューサが美容院に ....
  「アリュール」

{ルビ汚=けが}れならば五月雨川に流せりと誘ふその手は{ルビ梔子=くちなし}に似て


  「ブラック」

黒髪に触れし指先奏づるは重なる肌のあつき旋律
 ....
君思ふわが名流るる滝つ瀬の
   はやき心をたれか止むらむ

紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
   いでやかなしき人をぞみゆる

こころありや宵待草にあさつゆを
   ....
夏の野は沈黙の果てみつめあう
    だけのくちづけ唇に蝶


じっとして壊れないよう忍び寄る
    白い羽には光だけ射し


言葉などもはやいらない君をつれ
    夏の丘へと逃 ....
春だから星を見てても暖かい一緒に見たよね僕ら青春


桜餅葉っぱを食べてもいいのかな会話の中にも散る散る桜


月笑うあなたは笑っているかしら卒業式を抱きしめる四月


水色が似合う ....
花束を車内いっぱい敷き詰めて水没してゆく春の陽とひと



野の花や少年少女の髪揺れる風泥棒が口笛吹けば



集まればいつしかはなれてしまう春むかしどうきゅうせいと来た海
 ....
あんなに痩せっぽちだった友だちが今はひとりぼっちになってた


スリッパを並べると自分にもお客さんがあるみたいで嬉しい


ウォーリーを探せ、と言われてウォーリーしか探さないような子でした ....
背にひたい押しあてているどこよりも海から遠い場所のざわめき



「お大事に」はさびしい言葉云いかけてやめた言葉を思う道行き



やや強き風が発ち口噤むとき岬のようだホームの端は
 ....
望月 ゆきさんの短歌おすすめリスト(206)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬にうたえば、春は近づく- たにがわ ...短歌708-2-15
きみは東京に住んでいる- 簑田伶子短歌25*08-2-13
穴の夜に- 石畑由紀 ...短歌3508-2-10
うさぎ_月の- さくらほ短歌14*08-2-8
初夜- 簑田伶子短歌14*08-1-29
猛スピードで、春が- たにがわ ...短歌5*08-1-29
連綿不在- 本木はじ ...短歌7*08-1-20
◆ふゆの花びら- 千波 一 ...短歌19*07-12-9
ブルー・キュラソー- yuri.短歌9*07-11-29
平安ブルー_18- 北大路京 ...短歌1*07-10-13
月の海は凍るのか- プル式短歌5*07-10-10
ひこうきぐも- さくらほ短歌7*07-10-4
特急を待つ- 町田アキ ...短歌6*07-10-1
君ならよかった- 町田アキ ...短歌8*07-9-28
家電- たもつ短歌2107-9-22
夏が終わる、と月は蝕む- たにがわ ...短歌607-8-31
「_溺れる魚はきみかもしれない。_」- PULL.短歌8*07-8-18
うつくしいくに- 汐見ハル短歌307-8-18
さよならの砂- 石瀬琳々短歌8*07-8-18
浄化していく夏- たにがわ ...短歌8*07-8-14
亡き友へ- 風音短歌1*07-8-11
ツキニムラクモ- リュウセ ...短歌5*07-7-17
真夏の記念日- たもつ短歌1207-7-13
パルファム- Rin K短歌32*07-6-9
恋夏草(れんげそう)_______■古語の宴参加作品■- Rin K短歌28*07-5-28
沈黙と蝶- 石瀬琳々短歌14*07-5-25
【短歌祭参加作品】僕ら青春- ふるる短歌1507-4-24
春形見- 本木はじ ...短歌1407-4-7
決算- たもつ短歌1507-4-4
海から遠い- ソマリ短歌1707-3-5

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