すべてのおすすめ
堕ちていくのは
時計の針かはたまた
砂時計の砂か
どちらにせよ結果は同じ
両方時を刻む魔法器具
君の小さな手の平を
繋いでふさいでもいいですか?
曖昧な返事は ....
「秋の夜は果てしなく長いのだから」と
あなたは言って
舳先の行く手を確かめながらゆっくりと櫂をこぐ
おとこのひとに体を許す
例え今夜がはじめてではないにしても
月明かりは艶かしく ....
棒人間は今日も黒い涙を流す
言葉よりも大きな気持を
整理整頓する
嘘っぱちな深夜通販番組を
薄目で見ては誉め称える
貴方は死刑と言われたけれど
そんな証拠は何処にも ....
君の心はシャボン玉のように
フワフワ飛んでは パチンと消える
僕が君を守ろうと
そっとのばした この手のひらで
君の心を壊してしまう
どんな優しく包もうと
パチンと消える 虹色の ....
夕焼け空は 僕たちの
色んな想いで 出来ている
あの日交わした 約束や
「またね」と言った その想い
膝を抱えて 待つキミや
家路を急いで 走るキミ
泣き顔、笑顔 怒り顔 ....
小さな星が僅かに光る
近未来的な都市で
黒い煙に包まれて消える
電話の向こうで話す人間は
どのような輪郭の持ち主なのか
君の首を絞める夢を見て
いつも起きる時は冷や ....
あのね
とりあえず声に出してみた
答えなんかでた訳じゃ無いし
そんなものはなから無かったりする
えっとさぁ
次のことば続かなくて
それでも携帯の画面へ逃げ込むのだけはぐっと堪え ....
地下鉄は地上よりは涼しかった
青信号を手を挙げて渡る小学生を見て
まだまだ捨てたもんじゃないと一人で頷いた
混ざらない綺麗な夢を見たいな
明らかに時間切れだけど
必死でし ....
本に挟んでおいた
しおりの行方はまだ分からずにいた
どうしてかな
簡単に人を裏切るのに慣れてしまったのは
有効期限まではまだまだだけど
速めに使っていよう
自分さえ ....
あなたによく似たひとだった
人違いと戸惑うわたしの顔を覗き込み
どうかしたのと気遣ってくれた
これを落としたひとをずっと探しているのと
あなたの落しものを目の前に差し出した
その ....
偶然見付けた奇跡を
大事にとっておいたけれど
奇跡は重ねれば薄くなるもの
そうして消えるのにはたいして
時間はかからなかった
森羅万象とは全てのことを言うらしい
理 ....
あなたの横顔を切り取って
額の中に入れました
そっと伏せて
見えないように
見ないように
それでも
あなたはそこにいるんです
正面のあなたは
涼しげな瞳で
わたしの心を見透かすよ ....
ここに一脚の椅子があって
それは懐かしいにおいのする木製の小さな椅子
小学校の教室にあるような椅子
揺らすとかたかた音がした
そんな椅子にあなたは腰かけている
手には一冊の詩集
マ ....
夏の終わりを惜しむ人がいる
勝手にエアコンをつけて
夏を拒絶していたくせに
夏の終わりの
さみしさは感じているようだ
夏は夏らしくしていたかっただろうに
異常気象とやらの
まわりの勝 ....
退屈そうな視線と頬杖
残暑は緩やかな日々に降り注ぐ
片時も放さないでいたい願望
眠気を忘れて胸が痛くなる
もっと夢中になるために
知らない声を集めよう
迷いの森の中
ずっと深く入 ....
9月だってば
9月になったんだってば
それで何かが変わるってわけじゃないけど
夏の記憶には「さよなら」したし
もう後悔なんてしないと決めたのだから
秋だってば
秋になったんだってば ....
わたしの中は
内臓とか
血とか
脂肪とかじゃなくて
海 が広がってるんだと思う
わたしの泣き虫のレベルは
ランクをつけるならAAAだ
本を読んでは泣き
曲を聞い ....
夏の夜が好きだ
蜂蜜色の月が
ぼんやりと闇色の綿菓子に浮かぶ
制服に入り込む夜風は
チョコとバニラの匂いがする
ねっとりと絡みついて
わたしの皮膚に吹きかけた
甘いフルーツの ....
そそくさと去り行く夏の記憶を確かめようと
深緑色に澱むお堀ばたを訪れてみた
色とりどりのウエアでストレッチに余念の無い肢体は眩しく
人恋しさを見透かされてしまうようで
遠慮がちにちょっと離 ....
ガンダムってすげえよな
隣の席で男の子たちが騒いでいた
お台場に展示されている実物大のガンダムを見てきたらしく
それぞれ高揚した面持ちで身振り手振りが忙しい
ガンダムってモビルスー ....
鯵の開きってあのままの姿かたちで泳いでいるのかな
だなんて今さらながらにとぼけてみせても
私は私自身に過ぎなくて
迎え火で迎え
送り火で送る
ヒグラシの鳴く音に季節の移ろいを覚え
....
何だかわからない
半分あげた所為だろうか
「半分あげた」
って
掠れた記憶の中
しるしみたいに
僕は多分パラ ....
消されたのは
もう少しで完成する
自分自身のマネキン
君はまだ約束の場所には来ない
何分何時間何日何年
もう何度目かの冬が訪れも
君は僕の前には姿を表すことはなかっ ....
飼い猫と捨て猫の違いぐらい
こんな私だってわきまえているよ
あなたに甘えられなくて
ミカン箱の中で過ごした一夜
大輪の花火きれいだとあなたは言った
そんな花火になりたくて
この街へ ....
なにやら窓の外がやかましくなった
「今こそ」とか
「ともに」とか誰もが叫んでいるような
ここにしゃがみ込んで久しいし
一見自由そうで実は窮屈な姿勢にも慣れっこ
目を瞑っていれば何が起 ....
くちびるに触れるか触れないか
そんな軽妙さがおとなの分別ってやつだから
コミュニケーションの難しさとか真面目に考えてはいけないよ
古きよき時代であれば
裸足では歩けないほど灼熱の砂浜で
....
僕の杞憂は
きっと
畏れ多くて
上手く言えないので
頭部に注射器が刺さってる感じです
と・・・
....
大きめなバッグにぶら下げた薄桃色のバッジが揺れている
ちょっと誇らしそうで
それでいてたわいもない気恥ずかしさも感じられ
膨らみかげんにチェックをいれてしまう
どれくらいのひとが知って ....
どうやら苦手なものに好かれてしまうらしい
人前で話すのはいつまでたっても苦手なままなのに
旧友の結婚式でスピーチを頼まれてみたり
不得手解消と中途半端な意気込みで卒業した英文科の呪いなのか
....
渚を歩いていたときのことだ。
波打ち際に、細くなめらかな黒い曲線が描かれていた。
それは波の姿を象って視界の及ばぬ範囲へと延々と続き、
足元に目をやれば無数の点の集まりで、なにかの種を思わせ ....
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