すべてのおすすめ
ちょっと勇気いるんだよね
あたりを見回してひと気ないの確かめたら
ちいさな箱のなかへ素早く潜りこむ
ペナペナなカーテンを閉ざせば
箱のなかにはなんとも顔色悪い薄倖そうな女がひとり
あ ....
喫茶店のいつもの席で読みかけの本を開いた
「お一人様ですか?」と店員に聞かれ言葉に詰まった
近くの席で若いカップルがコーラを注文した
飲み干した後の氷を噛む癖を彼女が注意していた
途切 ....
お日様の下
お庭で一人
日向ぼっこ
風がそよぐ
鳥達が鳴き
郵便配達の
お兄さん
雲ひとつない
ケヤキの大木
はだかん坊
洗濯物は
案山子の行進
電線の向こうの 屋根の向こうに
夕陽が沈む
新聞配達のエンジン音が
近づいて また遠ざかる
五日が過ぎた
君への想い
郵便の小父さんに託した僕は
卑怯だったのかも知 ....
流れる雲
暖かい日射
ネコが腹を出して
ねころんでいる
生ハム食べて
音楽聞いて
香をたいて
コーヒー飲んで
パンケーキ焼いて
ブルーベリージャムつけて
食べながら
詩を ....
{引用=もし、もしいつか自分が子供を持つことになるのであれば
まずはじめに、土を踏ませてやりたい}
親鳥のもとを離れ旋回する羽は
ふわりふわりと人の波に襲われ
海は、海はまだかと
空は、 ....
十年? いいや
もう少しだけさかのぼって
私があたしだった頃に埋めたもの
放課後の校庭の隅
老いぼれ花壇のど真ん中
誰にも相手をされなければ
景色の一環とも見られない
....
人は共に支えあって生きている。
今日あらためてそう思った。
お客様は私を必要としている。
私はお客様がいないと食べて行けない。
お客様が可愛い。
愛している。
ひいき目である。
愛し ....
息が凍りつく
順番が回ってくる
もうすぐ
目の前で走る
彼女の姿を見やるが
自分の番がきたら
もう一度
深呼吸をする
私はただ楽しくて
誰よりも速く
過ぎ去っていく光景を
知 ....
一日のつとめを終えた
きゅうすと、湯呑みがふたつ
流しの隅の入れ物に
ひっそりと、身を横たえている。
時計の針は〇時を廻り
初老の夫婦はあどけない寝顔で
薄っすら口を開けな ....
女から男へ
手作りのチョコを渡す日
でもこの学校で盛り上がっていたのは
男子でなく女子だった
この季節になっても
未だにクラスになじめない私は
盛り上がる女子を背に
黙々と昼 ....
好きなひとに甘えられるとかわいいと思う
ふつうのひとに甘えられると
どうしたらいいのか分からなくなると思う
秋の空ではなかった
つめたい風に春が匂った
頬を耳をそよう ....
カシオペアの音楽
ベースの音
コーヒーの匂い
香水の香り
コートをかける
白い服
赤い服
ハイヒール
話はつきない
時間だけ経つ
心地良い空間
余韻に浸って
中二のとき家出をした
ぼくはすこし複雑な環境にいた
遠い親戚が経営している病院の
ぼくは病室をあてがわれて住んでいた
妹にはその隣があてがわれていた
病院の四階が院長夫婦 ....
午後の2時過ぎ
シナモンシュガーの匂い
頭がボーッとして
耳鳴りがする
よく頑張った
1000時間
勉強した
来る日も来る日も
今は天国
何もしない
疲れが出てきた。
成 ....
「スカッとしたい!」
ただそれだけのこと
年上同僚と上司からの絶え間ない
ツートップなセクハラ発言
尻はなでくりまわされ
後輩はクレームばかり持ち帰るから
年々増えていくお ....
大好きなあの子が笑っているとき
ぼくは空気になった
冷たいアスファルトの上
共有する呼吸を知った
ひとつになって
やわらかくなって
ぼくらの心臓はまるくなる
....
君はもう
違う本棚にきちんと
しまわれている
きっと
いくら私のページをめくっても
君とリンクすることは二度とない
悲しいかな
そう思う。
そもそも誰かが
間 ....
20代後半くらいだろうか
その女性はサッと席を立ち上がり そこに自分のカバンを置いた
そしてススとその男性に近づいていった
男性は盲導犬を連れていた
そっと肩を叩き ....
雪国の町は空気も凍る
重い空の下
ねぇ
あなたは凍えていませんか?
秋の日の柔らかな日だまりの中で
産まれたばかりの私を
あなた
そっと抱きしめてくれた
それが暖かで
それが安ら ....
しがみつけ
すがりつけ
しがみつけ
おれに傷痕を見せてくれ
おれに傷痕をつけてくれ
おれの傷痕を覚えてくれ
おれの傷痕をなめてくれ
東か ....
恥ずかしい生命
僕はこれから全ての季節を殺しに行く
ようやく開いた花弁を
飛び交う鳥の嘴や羽根を
丁寧に剥ぎ時には乱暴に毟り取る
地面を這う影を燃やし
壁に貼られたポスターを破り
....
空想を語りつぎ
今はただ虚無でしかない
物語りはかなりの頻度で
涙をながした
ありとあらゆるもの全てに
意味があるけれど
時代がすすみにつれて
その意味がうす ....
{引用=
煙草の煙の向うに霞む景色だけが角膜にやさしく映る
海にも山にも離れた場所で
満たされようと何かを(何でもいい)探している
そしてそれは至極まっとうなことだと言い聞かせて
・
....
雪降る昼間
気付くとうたた寝をしていた
夢の中では昔の恋人が
滝を眺めてサヨウナラと呟いていた
目が覚めると雪のせいで
さらに気温が下がっていた
布団に包まっていたのに
鼻の先がひどく冷 ....
お誕生日ですわね
アナタ検索でヒットした
ブログの情報達を手がかりに
あなたがアップしていたお部屋に
今からお伺いしたくなりました
心配はしないでくださいませ
住所を知る必 ....
{引用=
重いドアをから入ってきた日差しが、また去ってゆく
追い掛けてもだめ
太陽はおまえのものだけではないから
悲しげね
寂しげね
だから言ったでしょう
おまえは野の兎を捕まえるように ....
私のかいた詩が
読んでくれた人の心に
ちゃんと届いたかな
やっぱり、詩をかくのは難しいな
だけど、何でだろう、かいたあとはすごくスッキリするんだ
だから、やめられ ....
痩せて行く月を眺めながら
君はにこやかな笑みを魅せ
二人っきりの時間はそんなに無いはずなのに
黒猫は二人の間を取り持つように
しっぽを足に絡み付け媚を売り
君はそれににこやかな顔で応 ....
{引用=
蓮華草が
一面に咲いていて
夢中で
蜜蜂を追いかけた
時々
朝露が膝に跳ねて
はやる気持ちに
追い付かない足が
まるで
恋のようだと
あがる息に
喉が鳴った
振 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22