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十年? いいや
もう少しだけさかのぼって
私があたしだった頃に埋めたもの
放課後の校庭の隅
老いぼれ花壇のど真ん中
誰にも相手をされなければ
景色の一環とも見られない
....
「スカッとしたい!」
ただそれだけのこと
年上同僚と上司からの絶え間ない
ツートップなセクハラ発言
尻はなでくりまわされ
後輩はクレームばかり持ち帰るから
年々増えていくお ....
大好きなあの子が笑っているとき
ぼくは空気になった
冷たいアスファルトの上
共有する呼吸を知った
ひとつになって
やわらかくなって
ぼくらの心臓はまるくなる
....
柔肌の愛らしげな砂
たわむれるわたしは
幼い背中をあずけて
(カモメへの憧れ)
紅潮さは仄か
拙い恋文のようで
胸ポケットで温められている
潮騒が呼んでいます
....
丸投げされた洗濯物に埋もれている
わたしたちの日常の色というもの
どんどこどんどこ
どんどこ、まざりあう
洗濯かごいっぱいで
家族団欒としているよう
わたしの目尻がほんのり
....
おもいで
10円玉を握りしめたいつかの少年が泣いていた
こんなにも近くにコンビニがあるのに
駄菓子屋という夢の国は遥か遠くで
疎開してしまって
コンクリートだらけの街並みはいつも ....