すべてのおすすめ
腰を痛くして
春を支え合っている
さくら
じごくの中にも
てんごくは
あるんだね
まいちる
うすももいろの
きょう
もう
すっかり
寝入ってしまった
入浴日のさくら
....
月工場で
おじさんたちが
月を作っている
その日の形にあわせて
金属の板をくりぬき
乾いた布で
丁寧に磨いていく
月ができあがると
ロープでゆっくり引き上げる
くりぬ ....
暮らしは
繰りかえす旅のようだ
ひとそれぞれ
いろんなことがあるから
近くにいる
いつも顔を合わせている
さしだされた風、渡っている
悲しませたくない
....
月が
寄り添うように
ついて来る
月のある夜空を
見ていると
ずっと昔の
大学からの
帰り道
詩人の恩師と
よく坂を下りながら
月を見上げて
あれは上弦の月
下弦の月 ....
道端の隅に
排気ガスにまみれながら咲く
一厘の小さな草花
名前さえ
呼んでもらったこともなく咲く
その花
誰もが
気づくこともなく
通り過ぎていく
....
あなたのコピーを
さがしたんだけど
そんなのどこにも
売ってなくて。
しかたがないから
ほかのも試してみたの。
えらいでしょ。
でも、どれも
気に入らなくて。
遠 ....
出会うとは
一瞬のことのようで
奇跡のことのようで
もっともつれたもののようで
すぐに風化してしまいそうで
さくらが銀河のようだ
あちこちにピンクの小宇宙
こ ....
あっついお風呂に肩まで浸かって、頭まで浸かって。
どっぷりどっぷり、どんぶらこどんぶらこ。
目を閉じて、ずんずんブクブク沈んでいったら自分の鼓動だけ聞こえて、赤ちゃんの頃を思い出したのさ。 ....
車窓から眺める市役所の
時計の針は17時47分
僕は夜の映画館に向かって
ゆっくり走るバスに揺られながら
先生と再会したひと時を思う
日中、母校の校長室で会った先生は
....
夕暮れの
微風が
吹き始める頃
花びらは
薄闇を
舞い始める
別れ際の
短い言葉
言いたかったのに
言葉になる前に
掌から はらはらと
溢れ落ちてしまう
桜の花の
序 ....
今夜の星は
曇り空でわずかしか見えないが
僕にはそれだけでいい
一等星のように輝いて見える
それは
君だから
何万年光年離れているかもしれないが
僕にはすぐ頭上にあるような
....
唇は
春だった
柔らかくて
惨たらしかった
前髪は
夏だった
煩わしくて
あてどなかった
耳たぶは
秋だった
満ち足りて
素っ気なかった
鎖骨は
....
行き場のない情熱が蒸気を上げて動き出す
進め 進め 煙を上げて車輪を回せ
君の列車に僕は必ず飛び乗ろう
隠しきれない歓喜が音をたてて そこかしこに咲く
はじけろ はじけろ 散りゆく ....
午前五時と数分の
数回のまばたき
あなたを一瞬、見たような錯覚
カーテンから差し込む
光の乱反射
思い浮かべる
猫舌のあなたのしぐさ
ホットコーヒーのその香り
鼓膜 ....
私を幸せにすることが出来ないと言うのなら
私があなたを幸せにしてみせる
男のプライドなんか知るか
あなたは一生
ヘタレでいなさい
そしてずっと
ずっと私の傍に居なさ ....
この絵に
足りないものがあるとしたら
瞳の奥に色を使うのを忘れ
きっとぼくは
二次元のような顔をしていたと思う
もしもこの中から
たったひとつ選べるのなら
今のぼくならきっと迷わ ....
Re:プラネット・ホームにて
地球に宇宙が墜ちて来た
次世代の呼吸の仕方を思考して
マリービスケットをかじろう
私はあなたの二酸化炭素
緑葉体を頂戴よ
宇宙一 ....
君を想い 眠れぬままに
星をかぞえた
寝静まった街で
君の美しさを描くため
僕は画家になりたい
描き尽くせぬと知りつつ
窓灯りのように君を包 ....
掃き捨てた水や泥からは水面になれない
ただ生きることだけの背筋をしている
吹きかける息の小ささよりも、小さいカハ。
掃き捨てた水や泥からは土面になれない
ただ生きることだけの背筋をしている
....
朝目覚めると
セブンスターを吸った
誰のかわからないけれど
同じ質量の
わたしも目を覚まして
セブンスターを吸っていた
あの頃と同じ質量の
今日がはじまる
同じ質量のは ....
詩も書けへんのか
人けなす言葉はようけ 知ってるのに
自分の不幸の理由はたくさん語るのに
ただの言葉のカスタマイズや
捨てられた言葉のリサイクルや
....
同じ朝が来るんだと
指差した標識
その通りに進めない靴を
投げたほうがいいって
4月の風は
あまりにも余所余所しく
忠告していった
何度も曲がったような気がした曲がり道
その先 ....
冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る
裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている
じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
つつましやかな紫煙の残り香が
わたくしの肩の辺りをただよって
広いような
また深いような
みずうみの表面へと消え
それはやがて
春と同化していくのでありました
からすの兄弟を乗せた小 ....
満開になってすぐ散ってしまう花びら達が
向かい風をくすぐったくして
名ばかりの春の風の寒さや
世間の冷たさなんてものを
否定も肯定もせずに
ただ風に舞う花弁によって覆い隠していく
それはし ....
固い蕾が座っている
春の陽射しのなかで
凛として震えている
パッと咲けという人が
最近はとみに多くなったけれど
慌てなくてもいい
はずだ
じっくりと根を伸ばし
ゆっくりと綻んで ....
少年は
絶望のなかで
差し込む月の光が
僕をどこかに飛ばす
流れているのは人か風か音か時か
ただ舞い散るのは夕暮れの茜色の風
もうどこにもない世界の忘れ ....
あるテレビ特番の早押し問題で
四択の中から見つけた正解
水色ドレスのシンデレラ
ある夢と魔法の王国の
お城はシンボルで合ってたっけ
水色ドレスのプリンセス
夢と魔法は心地いい
豪 ....
夜空の月と昼下がりの菜の花はよく似ている
時に道しるべになり
時に風景のアクセントになり
時に心奪われる
瞬きの方法を忘れたら空を見上げる
際立つ眩しさに気をとられると
いつの ....
例えばさ、
何の前触れもなく空が落ちてきて
叫び声や悲鳴が平和な町を覆い尽くして
向こう側に光が無かったら
今夕日を背負ってるこの道が
赤く燃えて割れてしまったら
私は誰に思い出してもらえ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12