すべてのおすすめ
川面に漂う
名残の桜の
花びらめがけて
一粒の雨の旅は
小さな
波紋を残して
終わる
旅が終わるとき
一粒の雨は
何を見たのか
何も言わなかった
ただ 最後の光景は
波紋の ....
月が
寄り添うように
ついて来る
月のある夜空を
見ていると
ずっと昔の
大学からの
帰り道
詩人の恩師と
よく坂を下りながら
月を見上げて
あれは上弦の月
下弦の月 ....
夕暮れの
微風が
吹き始める頃
花びらは
薄闇を
舞い始める
別れ際の
短い言葉
言いたかったのに
言葉になる前に
掌から はらはらと
溢れ落ちてしまう
桜の花の
序 ....
白くてまるい
春の光の中で
やさしく
若葉をゆらす
風が見える
ひとしきり
雨の後の
青空を
見上げると
春は
ミもココロも
軽くなる季節なのに
青過ぎる空が
哀しいキモ ....
もう これ以上
とどまれない
若葉の葉脈の
雫に
世界は まばゆい
光に満ちて
耐えている
どこから
来たのか
もう 忘れた
朝の 光の中で
わたしは いつか
い ....
今朝
気まぐれのように
寒風の中を
雪が舞った
空を見上げると
気配すらなくなり
いつもの朝が始まる
本当は
雪なんて
降らなかったのかも知れない
雪の降り始めは
....