あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている



花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る



光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋



輪郭をも ....
ある日突然窓を開けて
一羽の鳥が飛び立ってゆく
ある日それは静かに晴れた朝で
まるで船出のリボンをなびかせて
とても陽気に飛んでゆく空を


私の小指にはリボンが結ばれていて
ただ黙っ ....
空のチリ空気のツブの小ささが宇宙へ続く蒼をつくるの

ハナゲって単位聞いててふざけてて自分が笑えないのが痛み

真空の中をうつろで飽和させ詰まった想い送った空へ

カンカラカンから缶から缶 ....
こぼしちゃいけないってがまんしているきみの
その眉間のしわが好きなんです
吐息が融解していく夜の海に
降りしきる雨はひそやかな銀

さようならをうまくただしく言おう
そのためにわた ....
{引用=からだの奥から
たらたらと
わたしが滴り落ちていく
産声とともに泣いた日の
わたしの初めの一滴を含んだ雨で
シーツを洗いたい

足跡にそって
てんてんと広がった池を
みじめな ....
僕のお尻を洗う業者に三行半をつきつけて
今 君は進むんだろう自ら次なるステージへ
僕のお尻を洗う業者に三行半をつきつけて
今 君は歌うんだろう声高らかに革命のうたを
そしたら僕は明日からアルバ ....
庭園に咲き乱れるきれいな白い梅の花
夕べの晩餐に食べた鮭のバターソテー
ローリングストーンズ風のサウンドを
永久に停まらない腰の動きになぞらえて
前衛的なアタシに自分へのご褒美
それは青雲、 ....
私のお墓の前で泣いている女が
私の全然身に覚えのない女で怖い
時折愛おしげに腹部をさすりながら
私のお墓に縋りついて泣くから怖い
いくら考えてみたって、それは
途方もなく大きな壁だし
やっぱり誰かの覗き穴なのだ


漏れてる光は淡くて黄色くて
きっと幸福を形にしたものなんだけど
爪あとに似た影も見えるね
だからき ....
雪の降り積む
季節の頃に
じっとつぼみを
育んできて
やわらかな光が
いま やさしく包む

きょう、桜の花が
咲きました

これからずっと
幾年も
ふたりでいつも
過ごします ....
君に対して
誠実な言葉を口にすることが
できなくなったのは

君が僕を軽く扱うから

それは僕が
気が付かないまま
不誠実な行為を繰り返して
いたからなのか

ゆっくりと壊れてゆ ....
廊下にある
黒板消しのクリーナーの台に
花も水も入ってない空っぽの
白い花びんがある。

生徒たちがふざけ合い、走り回るからそのせいで
花びんにぶつかるか、ぶつからないか
そんな状況をハ ....
耳の中、ゆっくりと流れ込んでくる群青色の金属音は
きりり、きりり、と子守唄気取り
前に進めば、曖昧なクラシックが見えてきて
立ち止まれば、冷えきったエレクトロニクス

遠い国か?     い ....
{引用=
降りてくる朝の手綱を引いて
静寂の中にひっそり佇む戸口を叩く

小径を満たしてゆく血潮が瞼を温める
レンズの向うに産まれた半透明の結晶が
ぶつかりあって溶けてゆく

あらわれ ....
透明な紅茶に火を燈す
うすぐらい部屋は
広大な宇宙のように
ぼんやり、笑い
オーケストラの 心地よい重力に
白々しく嘘を吐く
2人の少女は 冥王星をみつめ
いつかあそこに住もうと
征伐 ....
夕暮れに
濡れた雨傘がぽつんと一つ
夕陽を浴びて
柔らかなオレンジ色に染まり
沈みゆく太陽を見て
何を思うのか

忘れ去られたかのように
壁に立て掛けられた様子が
どこか寂しげに見え ....
1年生になったら友達が100人も出来て嬉しかったが
2年生になった時にはその内89名が私のもとを離れて行き
残る11名は全員が私の体を目的に集まったハイエナどもで
3年生に上がる直前になって私は ....
私って口下手過ぎるよね

神田東松下町にある小さな問屋さんで面接受けたあと
どこをどう歩いてきたのか
気がつけば聖橋の上から鈍く光る中央線の鉄路を眺めていた

ここから飛び降りたとしてもね ....
(月を黒い種に、太陽を色彩の影のない輝きの雨にして)

ほんのりと甘い、果物の匂いがした
乾いた風が吹く緑の丘の上から
眼下に広がる果樹園を見下ろす
頭上の雲から誰かに見張られていて
けれ ....
止まない雨だった

優しいままでいられるほど嘘つきではないから
まだあまり汚れていない窓ガラスに向かって
冷たい視線を送り込む
反射した感情の行方を知っているくせに
しばらくそこに立ち止ま ....
なまぬるいお湯の中
しわくちゃになった書物を
指先を付け合せてすくいとる仕草で
かき集めます

誰かが告げた
さようなら
ひとすくいで用件を済ませば
ばらついた指先からこぼれだして
 ....
今日の夕食は、牛のステーキだった
レアにしろ、ミディアムにしろ
それはもう食べ物にしか見えなかった
それはほんの少し、葡萄畑の匂いがした
僕達は一瞬だけ、目一杯の緑
風を感じてしまったのだ
 ....
まっさらな 白いガーゼを 赤く染め 私は大人になりました



きっと前世は 人魚だったのかも 私の間に 海があるから



体内に 地球を抱いて 丸くなる 愛おしむ程 母になってく
昨夜の雨を吸った落ち葉はぶよぶよと柔らかくなり
いくら踏みしめても何の音も鳴らさなかった
足跡さえも吸収してしまいそうな弾力は
寒さを忘れそうなほどの優しさで失望を覚える


冬はいつだっ ....
私は立ち止まらない
この道を行くと決めた
匂いの蒸せる深森の内を
怪しげなけものみちであっても
感じるままに行方を選ぶ

暗がりを畏れて
夜は月を探す
闇の海原は私を奪ってゆく
私は ....
{引用=
春を待つ少女の さくら色の唇
それは いとおしく やさしげなもの
懸命ではあるが 滅茶苦茶な その色香を愛しては
氾濫する 崩壊する 享楽の轟きを聞くのは
彼らではない 彼女たち自 ....
あなたの頭蓋骨を、かき抱く
この胸に熱く
柔らかな髪に包まれた後頭骨に
私の上腕骨を回して
冷たい額の向こうの前頭骨に、頬骨を寄せる
あなたが考えていることが、私の心に伝わってくる
 ....
{引用=
敷居を跨いで 声高に罵ってくれ
トゥーレを歌いながら 首を絞めてくれ
あらゆる支配で 心を埋め尽くしてくれ
//
最初は澄んでいたことも知っているくせに
どうして人は醜さから目を ....
電線を泣かせるのは
木枯らしだ
冬のからだの
声だ

何も掴めないのは
街路樹だ
冬のからだの
手だ

キシキシと縮こまった
エンジンを震わせて
登り坂を這っているのは
 ....
・国語

休み時間 机の上に伏せられた教科書はみな鳥のかたちで

「死」という字を習い17年経つが何故か未だにうまく書けない


・算数

「算数は嫌いなんだよ数式の突起みてると痒く ....
瀬崎 虎彦さんのおすすめリスト(796)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...29+*10-4-9
四月の部屋- 石瀬琳々自由詩12*10-4-8
てらだとりひこ- は やし ...短歌510-4-7
もらす- あぐり自由詩8*10-4-2
火群- 夏嶋 真 ...自由詩37+*10-4-2
香魚- セガール ...自由詩410-4-1
あゆ- セガール ...自由詩210-4-1
骨肉- セガール ...自由詩510-4-1
ひみつ- あ。自由詩15*10-3-30
桜_咲く- 鵜飼千代 ...自由詩14*10-3-28
- kauz ...自由詩12*10-3-27
花びん- 山岸美香自由詩3*10-3-27
アクアマリンの憂鬱- 中原 那 ...自由詩1310-3-25
最初の音- 高梁サト ...自由詩13*10-3-24
溶けてく腐水- 嘘而自由詩210-3-24
雨傘- ミツバチ自由詩11*10-3-18
男のひと- セガール ...自由詩610-3-15
聖橋のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*10-3-15
果樹園- 楽恵自由詩1710-3-9
同心円状のバルコニー- 中原 那 ...自由詩1410-3-9
無言の口論- りこ自由詩4*10-3-6
食卓で泣いた日- 瑠王自由詩12*10-3-2
女子- ミツバチ短歌7*10-3-2
帳尻を、合わせる- あ。自由詩21*10-2-22
風の行方- within自由詩19*10-2-17
鋼鉄のカノン- 高梁サト ...自由詩8*10-2-12
骨まで愛して- 楽恵自由詩16*10-2-11
僕のファウスト- 高梁サト ...自由詩6*10-2-9
冬のからだ- nonya自由詩18*10-2-9
教、育- 吉田ぐん ...短歌3710-2-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27