すべてのおすすめ
僕はサバンナの中心で死にたいと思った。それはサバンナの中心ならば、よく分からない生き物にモサモサと食べてもらえると考えた末、至った結論だ。
けれど、わざわざ、そんなことをしなくても良いんだという ....
誰も知らない月の海で
明日、人魚が歌います
僕らが生まれた日のことと
サボテンが
初めて棘をもった日のこと
空爆の空を見上げた最期の{ルビ視界=ヴィジョン}や
ゴルゴダの丘 ....
ひとりになるということは
土手の芝生に埋もれながら
日に照らされて喜んでいる
ひとつの石になることです
現場に現れた刑事さんが言いました
ラーメンだ
みそラーメンだ
至急持って来てくれ
近くにいた制服姿のお巡りさんはそれを聞いて
自転車に乗りどこかに行きました
刑事さんはコートの右ポケットか ....
「あいつら頭にくるんで爆撃したよ、よろしく」
ってふざけるな!
磯野家の関係者は歳をとらない
であるならば私はタイ子の元彼という役どころを希望したい
タイ子からは別れたあとも年賀状が届く
しかし届いても届いても時代は変わらず
私は先へ進めない
....
今年は俺にとって最悪の年だった
忘年会とは俺のような人間のためにこそあるべきだ
本当に心から切実に年を忘れたい人のためにあるべきだ
でも俺は一度も忘年会に呼ばれない
自分で開こうとしても誰も集 ....
いつからだろう僕のからだには
アルファベットと数字が記されている
いくつめかの恋をした時に
恋人により偶然見つけられて
それからすぐに彼女とは別れた
とても怖がりながら僕のもとから去っ ....
どうしてどうしていがみ合うのですか?
同じ同じ人間じゃないですか?
そうやって笑えないのは
誰のせいですか?
そうやっていがみ合ったり傷つけあうのは
歴史のせいですか ....
少女の夢は蜂蜜のように甘ったるい
乙女の夢は生クリームのようにとろける
女学生の夢はチョコのようにほろ苦い
大人になった私の夢は
鍋にこびり付いたジャムでしかなかった
幼き者 か弱き者たちよ
休む前に ここに集まり
静かに頭をたれ 心の重荷を降ろしなさい
今日一日 多くの出来事にあい
喜びや悲しみ 希望や不安に
心おののいたことでしょう
今日一日 ....
空に果てが無いって嘘
事実、キミは薄暗い部屋で
泣いているじゃない、
僕には判る
キミは失望しているんだ
発狂しそうな青
沈静を望む赤
抗えない紫
(その終着は)
....
大空という言葉は不思議ね
小さい空もあるみたいね
青空という言葉も不思議ね
緑色の空もあるみたいね
夕焼けには小焼けがある
青にも青の他に群青がある
小さな星には小さな空がある ....
いつもより ちょっぴり
おしゃれして スマイル
そっぽ向いた横顔よそゆきね
星降る夜に幕は上がる
すべてのはじまりが 今ここに
眠れない君 寄っておいで
共に明かそう 赤裸々に
....
やさしい人がいる
生きることのつらさがわかるから
察してくれて
会ってくれる人がいる
めそめそと
泣いてしまうかもしれない
その人の前で
ほんとうは泣きたいのに
つよい男のふ ....
お箸方面が右で、お茶碗感覚で左だから。
じゃ、ボク帰るね。
わたしの飼い猫の名は
わたしの愛したひとはヨルノテガム
きょうはあなたの髪にふれたい季節です
ニャーオ、と肉球はあなたの頬をつかまえる
さっきから ずっと夜ね
幸せな顔を ....
税金対策をするほど働いてません
のたまえるほど無知ではありまえせん
沈黙するほどの謙虚さもないのなら
上手く考えないようにするから
くれよ
シトロエン寝込んだ屑知る
漏斗上 徒労の残る候を ....
駅のホームでマフラーをほどきました。
きつくひっぱって、ピンと伸びた毛糸が 指から指へ。
一本の毛糸のレールがするするとのびていって地球を一周します。
「メーデー・メーデー ガラス細工の雲 ....
真夏の夜
クーデター
けつをのせて
ギターを弾いてやる
きよしこの夜
ギターが鳴いた
カノジョが泣いた
テレビでナイターが
わっと音たてた
樹木を相手の仕事柄、チェーンソーは七つ道具。今使っているものよりも小型軽量のものが必要と感じ、ホームセンターを覗いてみた。
3,950円!? 安い! 安すぎる!!
電動式でもそんなに安く ....
あたしのこと、どのくらい好き?
珍しく
そんなことを聞くひと
そんなことを聞くなよというと
しゃりの分からない人ねと
あなたはおすめし顔でいう
もういいです
テレビに向かい、背を向け ....
気づいたときには
あたしの体は
小さい傷で溢れかえっていた
顔のかさぶた
剥けた唇
腕の切り傷
胸元のできもの
指先の逆剥け
へその横の湿疹
太もものかぶれ
膝の擦り傷
ふく ....
雪が降る
違う顔した同じ声
どこからか
吐き出されて
スタッカートなワルツ
ハミングで踊っている
どこからきて
どこへゆくのか
叙情は叙事に
叙事 ....
ネガティブ自己嫌悪
自分の気持ちを吐露
こっけいな空気に染まる
色つきの空気が
私に見せたもの
それはすり抜けることのできない
体へのこだわりだった
性的な感情が高ぶったら
婦女暴 ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった
なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした
あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
....
気づくことは好きだけど
傷つくことは好きじゃない
傷つけることは多いけど
築けるものは多くない
そんな僕が目指すのは
今は海 ひとまず海
遠い夢は好きだけど
速い船は好きじゃない ....
あなたは 大きな氷をひとつ入れたグラスでお酒を飲むのがすきだったから
わたしも今日はまねしてみた
酔っ払ったら泣けるかなと思ったけれど
いつまでも静かだった
氷が割れてしまっただけだった
....
マドンナの最新を聴いて
マドンナに似たひとを思って
そんなひと
たしかに
あいまいに
男は探している
男は開いている
だから
競べられることが多くて
....
街は聖夜祭一色で
活気立つ人々の群れに
わたくしは呼吸を顰め
冷たい空気を視るのです
ひとつふたつの声は
ざわめきと為って
天空に渦を作り消えてゆき
悴んだ指先で ....
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