すべてのおすすめ
逮捕される前に
一緒に暮らして
外で
立っても歩いても
電車を降りると
豊島園駅は広い
花りが走りまわる
「くるくるまわるー」って
急行所沢特急所沢普通西所沢
改札を出ると
....
公園で
重たくて透明なプレートを
持ち上げたり
降ろしたりしている
それは誰にも見えない
それは誰にも分からない
わたしは
疲れると
家に帰るふりをして
子供をあやすふりをして
....
縦に長い画布を目前にしてわたしはしばらくの間立ち尽くしていた。白い画布は天井から垂直に吊り下げられていた、わたしはその天井を有する広い部屋の真ん中で、真ん中に吊り下げられている画布の前で、自らの腕を ....
俺は兎を探している。
寝坊したので言い訳を考えながら道を歩いた
今頃はたぶん3校時目の途中だろう
肩かけ鞄の中で筆箱がガタゴト、ガタゴトと
何かが足に触れ
振り向くと ....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに
男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか
それは
目の前に細く頼りない道が一本
....
108号室のスガワラさんは
ボンノーのかたまりのようなひとです。
っていっても子ボンノーですけど。
今日もまたカベごしに
「たかい、たかーい」
ってきこえてきます。
「たか ....
春のこときりが潰れている
車掌が帽子を被りなおすと
老人は ん、ん と頷く
車掌の髪型をこときりは知らない
誰ももう待たないからだ
停留所の老人は一日をそこで過ごす
足元には夏のことき ....
莫連淑女は二児の母親
帰って来るのは何時も明日
鍵穴が擦れる音、忍び足
部屋に広がるタバコの匂い、酒臭いキス
僕等は目覚めたフリをする
莫連淑女は二児の母親
帰って ....
おぼうさんは
朝早く起きる
おぼうさんは
長い丸太の枕で
横一列になって寝る
おぼうさんは
剃髪した後
剃刀を
水で洗わない
おぼうさんは
沐浴をしても
身体を拭いたりしない
....
どろりとした血のカタマリが
ゆっくりゆっくり股間から滲むので
早く全部出ちゃえばいいのにと思う
そうしたら生理なんて一日で終っちゃうのに
トイレでじーっと次のカタマリが出るのを
待っ ....
右手を挙げると
鏡に映る自分が左手を挙げた
右手を挙げさせるために
僕は左手を挙げる
外の方から小さな鳥のような鳴き声が聞こえる
空はまだ晴れているだろう
午後は爆弾を買いに都会へと行 ....
お誕生日、おめでとう
お母さんは、いつも居間で突っ伏していて
僕は、カーネーションも、あげたのに
お母さんにも、言ってあげたのに
4日後だから、僕の番なのに
でも
お誕生日、おめでとう ....
塀の上のツツジの蜜をアゲハ蝶が吸っている
硝子屋の軽トラが道の脇に停まっている
見上げたら
茎のような電線の向こうに
無期懲役の太陽がある
自分の魅 ....
こんなにもまっすぐ前が見えて
とにかく死にそうだ
街路樹の下に落ちた影が
決められてもいないのに
光を失う
道の先で
郵便配達夫が方向転換する
それ ....
自分について語れない
夕陽が野原の風にすくわれて波となる
オレンジ色に染まった水色の傘が
骨組みだけ愛してと
叫んでいる
こうやって立っていると
....
ぼくはすきなひとがいていなくなって
かなしむことができませんでした
ぼくはおはなにみずをやるのがすきで
まいにちそうしておはなはかれました
ぼくにはあなが ....
さらいにきました
年頃の女は
一人暮らしか 男と暮らしたほうがいい
じゃないと
どこか痛いとき
痛いところに布がかかってるか気にしないといけないじゃないか
終わった
いろいろと終わっ ....
1
真っ青に透き徹る海が恋しい
真っ白に焼けた砂浜が恋しい。
湿気の多いべたべたする嫌な日
何でも有り余る肥大した無慈悲。
何故か連続して襲い来る不幸
大地は割れ火を吹く山 ....
やぁ娘さん
いったいなにをしてるんだい
金魚を飼っているの
金魚を飼っているの
金魚を飼っているの
その娘は三回答えたり
二回答えたりした
娘はひらいた
わたしは言い返した
でき ....
まず守りたいものを準備します。それはなんでも構いません。個人情報でも他人情報でも不倫の証拠でも消したい過去でも悪い成績でも仕方なく結婚した配偶者でもなんでも結構です。それをまず、柔らかい布で丁寧に包 ....
夢を見た。犬がわんと吠えるまで見た。わたしは当時の格好で、先生は偉かった。偉い先生が偉い表情で偉い仕草で偉い鼻息で見下しながら、お前は望みが薄いから去れ、下山しろと言ってきた。当然意味が分からないか ....
ねこおやじは
ねこのおやじ
言い換えると
ねこの父
いつも涼しいところで
目をつぶってる
ねこおやじは
エライ
妙に情を
かけたりしない
常に
クール
....
悔恨される音楽を聴いて乱読しよう雨
一粒・一粒残酷する高低の有無を生む
カラギナンの分量違いによる悲劇の午後
ミルクが凍る白樺の貫通する曇天
大体 曖昧な理由である毎日の労働
曇り空の孕む卵 ....
へんなかたちのきみのあそこは
しゅうまいに似てるね、にく、たっぷりの、にくの
しゅうまつの夜
ふみんしょうの都市の溶鉱炉で
きょうはなにを溶かそう?
おれんじの世界で
呼吸をとめてみま ....
機械音がする
オーナーが
自動ドアから
出て行った後
カウンターに立つこと約20分
新聞を整理して
返品伝票を書く
細かな雑音がする
店内には誰も居ず
シフトは1人
時 ....
寝ているすきに
あの娘の目ん玉を
拝借してきてしまった
薄目をあけて眠る癖が
あまりに
かわいかったから
鼻でも 耳でも
なんでも良かったけど
薄目にやられた
枕元に置い ....
なんだか喋りたくなくなったと
ガムリがいうので
グラスの底にしずんだ
まるい氷をみてた
ガムリのすきな話
手持ちのトランプの
模様やはしくれ
でもたぶん
話すのが面倒になってきた
そ ....
イエロゥに着替えろと
喪主がモップを以て宣誓する
端空の羽毛から
時間が恐怖を号令する カレィド
パレェド問うW.Cの紙袋
そこには眼潭の稚児がいた
母親のレターを掻いていた
嘔吐街着く ....
背中から出たコードをディスプレイのプラグにつなぐと
身体が青に赤に金色に光りだし量子化されドットに再構成されてゆく
高電圧に踊り狂うさまは走査されピクセルに変化して
いくアニメーションのようで
....
ジーニアス英和大事典によると、「ガストロ(gastro)」とは「腹部の、胃の」、「アイデンティティ(identity)」は、ここでは「固有性、主体性、個性」を指すことから、「ガストロアイデンティティ( ....
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