忘れ物のような話をしました
ただ長いだけのベンチがあり
終わりの無い話を続けました
読みかけの本が無造作にふせられ
背表紙は少し傷みかけていました
マリエはすぐに人を殺そうとする
け ....
風邪 いちにちめ

体のなかはあついのに
皮膚の表面はつめたい
俗に云う風邪なのだと気づいてからは
ずっと布団の中でグレープフルーツを齧っていた
昇ってくる陽にそっくりな果実は
わたくし ....
入り口で友達を待つ
美術館の敷地の膨大な広がりは
僕の繊細な部分を広げ続け
空の広がりにまで接続する
空の水にはごくうっすらと
大地が映っているかのようだ

ひさしぶり
仕事はどう?
 ....
なにやら窓の外がやかましくなった
「今こそ」とか
「ともに」とか誰もが叫んでいるような

ここにしゃがみ込んで久しいし
一見自由そうで実は窮屈な姿勢にも慣れっこ

目を瞑っていれば何が起 ....
なるようにしかならない
というのは
都合のいいもので
ときには放り出された闇へいくためのことば


可愛い名まえをみて
消えてしまいたいと願ってしまう
手をついて
ショーウィンドーを ....
蝉の声痛すぎて
ロックのような雑音で
上書

罪の汗流したくて
気障ったらしいクーラーを
停止

脳味噌痺れ切って
言葉の切れっ端が散乱するも
放置

胸の奥乾き切って
 ....
あんドーナッツを
ためて、ためて、投げあげて
放物線の落下する地点まで
走って、セバスチャン
つぎつぎと走って
受け止めて
全部くちで
そういう無意味な訓練を
たくさんして

*
 ....
対象を持たない殺意が
やるせないまま数日を
行き来している

ぼくが見てきた他人の堕落が
両手では抱えきれない空間を
やはり右往左往している

高校生の衣を着たぼくだったころ
ぼくは ....
裸足の少年は足跡を

地面に刻んではあるく

テポドン発射37564秒前

富士の樹海にコンパス持って

キャンプでもいかないかい

考えなしの宮殿で開けない朝をまつ

愉快で ....
くちびるに触れるか触れないか
そんな軽妙さがおとなの分別ってやつだから
コミュニケーションの難しさとか真面目に考えてはいけないよ

古きよき時代であれば
裸足では歩けないほど灼熱の砂浜で
 ....
真夜中にとめどもなく
浮かんでいる



多層の意識の吐露



舞台は悲劇と喜劇を目まぐるしく映して



時計の針だけを朝に近づける



虚ろな時間さえ
真実を想って



眠りに誘われ ....
西側の窓から流れ込む水の風が
産毛を心地良く逆撫でしていく
ソファに横たわって目を閉じると
耳元で涼やかに風の水が囁く

Come Together から
Let It Be へ

i ....
神の妨害がゆるされるのなら

この身を捧げることなんて

鉄と綿を天秤に架けることくらい

結果はわかっていたことだった

地下鉄の階段から見上げた

地上の灯りはとてもましにみえ ....
七月の階段を登ってホームに出ると
七月の風にはじかれる木蓮の花
のぞき込む 流れない水
そして少女が手を振る
まるく
何ものをも拒まぬ速さで

おはよう
こないだ タケダからメール来て ....
若きアルルカンよ
画家を抱け
詩人に抱かれよ

トルコ石で作ったパステルで
お前のあらゆる窪みを描かう

お前のあらゆる出っ張りは
湿った言葉に痙攣するだらう


美しきアルルカ ....
零れては
消えていく
白い海に溺れていった言葉
伝えかったこと
教えてほしかったこと
霧に包まれたまま
インクに染まるのは
いつも
誤解
明日こそはと願いながらも  ....
ひらがなを読みはじめたころだ
ぼくは母と一緒に千住の街を歩いていた
街角の壁に貼ってある
映画のポスターには男の人と
女の人の顔が描かれていた
そこに読めない漢字
「あのじはなんとよむの」 ....
 
 
 
【追憶のアリア】



 こんなにも冷たい闇の中では
 少しだけ記憶の扉をあけて貴方の夢を見ます
 月の調べが聴こえたなら両手をひろげ
 胸の苦しみも高鳴りもすべて受け ....
 世界はいつも濡れていて 陽射しが人々を焼こうともすぐ隣では雨滴が垂れていました


 四月 世界の中心 学校の工事は水の神様に赦される為
 海へと続く道を狭めていた街路樹をまずは ....
きみに貸した吉本隆明

興味のそぶり感じたから

ぼくらは口実をこさえていた

どうでもいいような混沌に

希望のひかり点滅させていた

掌なんまいかの詩篇をそらんじてみせた

 ....
転がり滑り落ちる悲しみ空蝉
耳鳴りが音階と為って脳を支配する

狭い部屋に鍵を掛けて
目蓋を閉ざす深夜に
飛び交う金色の鱗粉
睫に落ちて悪夢を垂らす
苦い蜜を掬って

 ....
ふれたいなら
うんと手を伸ばさなくちゃ

あいつは透明な空に
すいこまれそう

蝉はおもいおもいに
自己主張をして
太陽はこれでもかと
あたしたちを焼いて
アスファルトを
ゆらめ ....
「玉揺の銅鎖樋から伝いし雨水と{ルビ手水鉢=ちょうずばち}から伝いし雨水が溜まる水甕から零れた水琴窟の琴音、それは忘れられた嘗ての祭りで誰かさんが掬ったであろう金魚の独りごち」




琴の ....
できるかなー
じゃなくて
やるの!

今やらずにいつやるのさ
偶然じゃなくて必然的になにもかもが用意されている事への自覚をもつ

運命から愛される事も必要だが
努力が作り上げる足場ほど ....
星は瞬きを禁じられ
月は白む空に輪郭を透かす
夜が死に
朝が生まれ落ちるまでの
混沌と森厳に漂う

四海の色を数える頂
一瞬は濃淡により誓われ
時は不動のまま移ろう

雲 ....
世界の尖端に
詩人のようなものが引掛かっている
重いカーテンをどんなに引いても
夜の窓から三日月がはみ出してくる
夢の過剰摂取の副作用が
紫色に垂れ込めてくる
中空には透明な旗が翻る
誰 ....
いつか やってくると
願っていた
ゆめみた ガラスの靴
わからずに 足にすれば 先があると
いきつけると 信じていた そんな
昔話が揺らぐ あたしの
街のかたすみ靴物語り
      ....
  緑地帯
   中央分離帯
  大気圏!
   目線くるくる
     GoogleEarth
太陽が昇り始め
朝がきた

キミとの
最後の夜が
終わった

寝不足の瞼に
氷を押し当てて
苦いタブレットを噛み砕く

明日から
どう生きようか

つまりは
キミのいない ....
旅に出るときがあるとすれば
あかるい5月
校舎からブラバンの練習
球を打つ高い音
スプリンクラーの音
横切るツバメ
ポップコーン買って
炭酸ジュースも買って

旅ってどこへ?
分か ....
遊佐さんのおすすめリスト(489)
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セバスチャンと一緒- 佐野権太自由詩17*09-7-23
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テポドン発射37564秒前- こめ自由詩609-7-21
suicaなひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*09-7-21
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再生- nonya自由詩6*09-7-20
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アルルカン- 三州生桑自由詩309-7-18
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接吻- 殿岡秀秋自由詩809-7-18
追憶のアリア- 綾瀬たか ...自由詩309-7-18
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そぶり- 吉岡ペペ ...自由詩509-7-17
蝶と螢- AKiHiCo自由詩409-7-17
潮のにおい- はちはち ...自由詩11*09-7-17
金魚の独りごち- Leaf自由詩2*09-7-17
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あかるい5月- ふるる自由詩6*09-7-16

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