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わたしが無職だったころ
茹で卵と塩むすびだけはんかちに包んで
毎日河原へ出かけていた
それしかやることがなかったのだ
アンケート用紙とかに
無職
と書くのが厭だったので
仕事を探してはい ....
風邪 いちにちめ

体のなかはあついのに
皮膚の表面はつめたい
俗に云う風邪なのだと気づいてからは
ずっと布団の中でグレープフルーツを齧っていた
昇ってくる陽にそっくりな果実は
わたくし ....

掃除をすると
部屋の四隅から
無限に白い米粒が出てくる
表面は乾いて
埃にまみれて
まるで
昔わたしが産み落として
そのまま捨てた卵のようだ


遠くに見えるラブ・ホテルの ....

ポストには請求書ばかりが届き
携帯電話の受信フォルダは
迷惑メールでいっぱいだ
履歴書を書けば誤字脱字ばかりで
修整液はとうに使い切ってしまったし

紙屑ばかりあふれる部屋で
どう ....
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った

休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
きゃはきゃは と小さな笑い声がした
留守番をしている日曜日
レースのカーテン越しにガムシロップのような
とろりとした陽光が射していた

読んでいた本を伏せて
誰もいないひんやりとした畳を這 ....

駐車場で暮らす人と知り合いになった
駐車場の
車一台分に四角く区切られたスペースに
うまくお布団を敷いて
机を置いて
入れ替わり立ち替わりする車のヘッドライトを灯りにし
雨が降れ ....

ひとあし歩くごとに
わたしの身体からは石が落ちます
からからに乾いた石は
薄い色をしています
わたしはそれを
さらさらかちかち と踏みしだき
疲労し続けましょう
名 ....
空は何時か
還る人の為に在りますから

行き詰まって

流れるしか無い雲の
あんなにも柔らかそうな姿態

曼珠沙華は
意味を見失っている
紅くしか咲けないから

間接は曲が ....
遊佐さんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わたしが無職だったころ- 吉田ぐん ...自由詩49*09-8-4
かぜごゑ- 吉田ぐん ...自由詩809-7-29
家事- 吉田ぐん ...自由詩1908-9-12
花と戸棚と着信音- 吉田ぐん ...自由詩1808-7-19
未来ちゃん- 吉田ぐん ...自由詩2308-7-11
テレビのこと- 吉田ぐん ...自由詩908-6-17
出会った人々についての話- 吉田ぐん ...自由詩23+07-9-28
石と旅する- 吉田ぐん ...自由詩1206-10-8
独り言- 吉田ぐん ...自由詩1506-10-4

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