やはりカバンが良い
と男は言って
口から出した大きな舌で
炎天下の夏草を刈り始めた
確かにその場所は空地にも見えるけれど
昔、わたしが「草」
という字をたくさん書いた漢字練 ....
たましいの一滴、血の一滴まで
この愛をつらぬいてやるさ
実体のないものに惹かれるのは
実体のないものしか
実体のあるものに繋がっていないから
宇宙のはじまりの名残だろうか
たま ....
夏休み前の教室で
ぼんやり先生の授業を聞いていた
教室の窓の外では
アブラゼミがうるさいくらいに鳴いていて
授業に集中できない僕の頭の中を
これでもかというほど占領していた
ジージ ....
雨が葉に、チラチラ揺れ動かす
うすきみわるい湿気は懐かしいような
植物の膨張気配で。
朝、アナタに会いたいと鳥は鳴いている
アナタというのはもっ ....
この僕を表すなんて
そんな物好きな奴らはいない
理由とか証明とか真実とか
そんな答えを求めた覚えはない
雨降り喜ぶのは
カエルとカタツムリと紫陽花位か
大概は夢の中 ....
海が
最後の一滴が
空を映した自在の青が
私は
今
消えるのをみた
ささくれた
広い砂漠だ
私は
確かに思う
そうか
私の心は
こんなにも
砂漠だったのだ
それを
満 ....
{引用=あなたをずっと待っている}
月がたとえば
落ちてもあり余るほど
たくさんの数 あれば
そんなに「キレイ」と
神妙にも
見上げなくなるだろう
ひとつだけ、
というもの ....
夏の光を受けて
蜘蛛の巣が
ガラス細工のようにきらめき
萎れた蜘蛛が
捕らわれた羽虫のように
ぶらさがっていた
コントレックスで
乾いた喉を潤し
灼けるような暑気に身をまかせ
....
眠れない夜を
乗り越えて
カーテンを
開ける
おはよう
朝が来たよ
今日も
世界は
美しいよ
ちゃんと
地球は
回ってるよ
真昼の明かりが網膜を焼く
秒針が動く度ゆっくり目を閉じる
まどろみに輪郭を失っていくキャンパス
頭が痛い お腹が痛い
何だか食欲もない
立ち尽くす混雑の学食
また眠れなかった
眠 ....
暑くなり
子どもたちは、オニのように
炭酸飲料を飲む・飲む・飲む!!
1日と半分で
1.5リットルが空
パックで作る麦茶も
日に1リットルが2回なくなる
その昔、
ほら、水 ....
梅雨明けが近づくと
朝焼けが色っぽい
夕焼けも色っぽい
一日のはじまりと
おしまいが色っぽい
夏が来るのだ
待ちきれずに染まるのだ
桃と橙を
混ぜたような
絵の具がしたし ....
それなりにしおらしく
包丁でうまいこと裂いてしまった指先
はがすものがなくなって
柔らかな
ぎざぎざとした表皮が波立つばかり
もう覗きこまれない
もう声をかけられない
もう遊べない
つ ....
パラパラ
パラと
中途半端に雨が降る
傘を持って行こうか躊躇する
空は薄曇り
天気予報も曇
曖昧なことが
日常には多すぎる
学校では
正解がある問題ばかり
教えられてき ....
大きめなバッグにぶら下げた薄桃色のバッジが揺れている
ちょっと誇らしそうで
それでいてたわいもない気恥ずかしさも感じられ
膨らみかげんにチェックをいれてしまう
どれくらいのひとが知って ....
例えればあなたは
この砂漠に育った
風の紋様のように
年輪を刻んだ
太陽の灼くように
苦痛と恵みとがあって
月の照らすように
癒しと哀し ....
090713
ハンプティーダンプティーが屋根から転がって
芝生の上に座っているよ
猫みたいな顔しているのと
ご注進したのは
EF5861、日立 ....
どのやりかたもまずいが子育てに正しさはない
人生のようなものにも
それがないように
あたしたちにともなう
正義は/悪は
それらの構成とセンスで
角度を変えながら進んでく
冷静でい ....
この部屋が薄暗いのは
私の居場所として相応しくあってもらいたいから
曇ってくれてありがとう
ただ忘れられなかった
南風は強く吹き込んで
すっと紙を飛ばす
私はそれを拾い上げて
必 ....
マックでメガマックを食いながら水が欲しくなる
砂を
噛むような孤独が押し寄せる
午後四時半
水道水を公園までチャリでいって飲む事に意義がある
そういってチャリで父は多額の借金ととも ....
あまりの暑さに立ち止まろうとしたら
影が自分よりも先を歩いていることに気づいた
慌てて追いかけてたどり着いた交差点
道路にはみ出した自分の影が
通り過ぎてゆく車にひかれている
何 ....
{引用=「出かけないか。」
「どこへ?」
「過去へ。」
「タイムマシンでも発明したの?」
「まあね。真っ暗な夜があればいいんだ。」
神様は天球に宝石箱をひっくり返し、銀の砂をまいた。
....
ああそうだったのか
机に書かれた小さな頃の落書きに
思い出し笑いをして
俺にもこんな時期があったんだなと
不覚にも年老いた感じになっていた
家の柱につけられたせいくらべの ....
言葉がひどく散文的にしか並ばない時がある
閉じているところがなくって恥ずかしい夜
開ききった眼が生きている明け方
まっすぐに
言葉が届いてしまう夏の朝のことだ
嘘吐く口の中に真実が潜んで ....
ちっちゃな庭に
ちっちゃな幸せが咲き
ちっちゃな家に
あなたが咲いている
あふれる光を
咲いている
ちっちゃな
ちっちゃな
ぼくらの毎日
ちっちゃな
ちっちゃな
ぼくらの星に
....
50歩進んでは48歩さがってるって感じだ
3歩さがって5歩進む生き方のほうが疲れない筈なのに
誤解もうまない筈なのに
敵もつくらない筈なのに
もう四十なんだから生き方を変えなきゃ ....
正しいことが全てではない
正しいことは狭い
正しいことは胸に痛い
正しいことは時によって正しくない
正しいことは私を傷つける
正しいことは貧乏な私を苦しめる
お金がない ....
青の空気 風を連れて歩く
歩くリズム
黄色の残像は 目に鮮やかに
優しげなまなざしで
君は僕についているタグを探す
僕は僕
誰にも似ていない
決して強くはないけれど
他の誰かに成り済ましていない
はやりの自然体を
君は不自然に着こなして街を ....
梅雨明け前の海
太陽は精を出しているが
海から吹いている風は
涼しさを運ぶ
少し汗を拭ってはいるが
心地よい空気の中に
忘れていた夏を感じる。
子供の時以来の夏に
僕は捕まった ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17