「覚醒剤やめますか?
人間やめますか?」
このCMを子供の頃
見たことがある
今になって思うのだけど
人間やめたい人が覚醒剤やるんじゃないか?
煽ってるだけじゃん、と思う
....
触覚の先端ではもう無くしたての繊細な産毛
幾千とおりの声が転回を始めている
その閃光は深く深く脳を焦がし
僕の両手から溢れるハチミツを虹色に染め
やわらかく着地 ....
約束されたことは、なかった
ただ一度も、なかった
噛み合わない歯車が磨耗を呼び
嬉々として
それを食い潰した
約束されたことは、なかった
約束されたことは、なかった
なだ ....
虹を見つけるコツは
こまめに空を見上げること
雨のたび
忘れず雨上がりに期待すること
四つ葉のクローバーを見つけるコツは
誰かのために探すこと
本当は自分で見つけないと意味がないん ....
脂喰坊主は地下鉄の端で
ホームに顔を突き出して遊んでいる
駅員が慌てて止めるが
大丈夫
脂喰坊主は死なない
脂喰坊主はバツの悪い顔で笑う
それから
目を閉じてかっきり一秒
....
昨日は
ライオンに
食われた
一昨日は
ウサギに
肉団子にされ
ハチの幼虫に
食われたことも
あった
ニンゲン様は
俺を汚く食い散らし
ご馳走様
まで
言 ....
目、ぬれてる
ポケットにひばな、突っ込んで
夜が死ぬのを待ちました
ワルツされる 砂の中で
心底待っていました
(水溜りで溺れます)
(水溜りで喜びます)
林立した子供の列はファ ....
うみねこはねこじゃない
うみうしもうしじゃない
うみぶどうもぶどうじゃない
うみほたるは魂じゃない
そのほたるも海には帰れない
漁り火はほたるじゃない
燐光もほたる ....
おにいさん。いくらそばでも遠いねえ 死にたいひとりをわけあう無言
お茶を出してはありがとう、なんて膿んでるわたしだけ日々のモノクロ
つまるわたし風がふいても音ばかりの海今日も匂うこ ....
ウソの名前をください、神様。
恋とは、だぶだぶの子豚のフォーム。
後ろにこすり付けた前の輪廻はだれ?
裸足で開こうとすれば、互角に頭突きする懲りない団欒。
差支えなければ恋とはいわず、 ....
結局また
こんなとこに戻ってまうねん
て とむ が言う
ほんまの自由は
ここにあるさかいに
て じむ が言う
ぼちぼち が一番や
て言いかけた はっく ....
からだが どうん、まばたきしたときの
あのせかいが まっぷたつ から、ゆうぐれて
頭から 地球の中心に ぐん、と押されると
わたし、いつも きまって あやまってしまう
ごめんなさい、ごめんなさ ....
おとうとの写真
って
いつも
いまいくつだろ、とおもう
ろうそくに
火をつけて
手をあわせて
いまいくつなの、と聞くと
それよりも
ねえちゃん、はだかだよと言う
....
わたしは
だれのものなのか
だれもおしえてくれなかったので
わたしは文字になりました
そうすると
色々なところで
わたしを使ってくれました
本の中にわたしが居たり
チラシの中に ....
猫が逃げました
ボヤが出ました
便所は汚すな
と
親切な貼り紙のアパートの
隣の部屋の人の顔
まだ見たことありません
のような午後の世界に
河川敷の花火
の音が聞こ ....
深さ が 粉末 となり、平面 に 降りつもる朝、
夜のあいだ、萎縮を続けてきた 重い線 は、
あちこちで弛(ゆる)み、細長い悲鳴の波は 重なって、
少しずつ、解放され、広がる。
聴く 耳 ....
理不尽なことが多すぎる
どこまでを正当防衛としてくれますか、そうなる前に完璧なマニュアルをください
ため息の液化
5番線に電車が入ります白線の後ろまでお下がりください
エラ呼吸に切り替える
....
あなたは、
簡素な手順でわたしの胸倉を開き
匂い立つ土足
こればっかりは慣れないものです
その度に鮮やかに毟られる
あなたと遭難したい
篭って
香しき動揺が眼に見える位置で
わ ....
【こときり】
(1)
じ〜〜〜
ぱっ
ぱちっ
ぱちっ ぱちっ
ぱち ぱち ぱち ぱち
ぱ
・・・・・・
これからやっと
盛り上がりそうなところで
線香花火が
力尽き ....
90%知りたい
だけどそれはやめておく
死ぬのはいくつの歳か
それを聞きたいけど
聞かないことにする
と、57歳のおじさんが言った
ぼくの座る
駅前の公園のベンチの前 ....
捨て猫は泥濘で踊る
お婆さんの膝の上の心地好さを思い出しながら
捨て猫は泥濘で踊る
水たまりに映る汚れたトモダチと共に
雨降りの病みは、月明かりを遮り
大好きなトモダチを ....
水面の緩やかな起伏をもたらすものは
波の行き来
風の息
プールならば子供たち
入射光による二次元投影
輪郭だけのモザイク
水底に
水底にゆらゆら
瞬間ごとには
結晶 ....
寝つけずに気がつけば
枕元に私の子供が立っていた
一度だけ会えた時あの子は手も足もバラバラの血まみれで
顔なんてもちろんわからなかったけれど
不思議とあの子だ、と感じた
嗚呼、女の子だったの ....
信号を無視してあらゆる交差点を渡った 緩慢な自殺未遂もことごとく失敗に終わり
裁縫バサミで刺した腕の傷も今はもうほとんど目立たない
つながれた大型犬が吠える それにつられて隣の家の
つな ....
こんなに日が昇ってるいるのだから
1時間の誤差はみんな気づかないだろう
ぼくたちも気づかない
世界は
もっと不思議なままでよかったのに
虹の七色
逃げ水
姿見
知ってしまった全てが
恨めしい
君よ
その背中を覆う漆黒は
僕の夜だ
初めに与えたのは君のほう ....
一昨日、某友人に連れられて、和歌山のある陶芸工房を訪ねた。
そこは10年前に都会から引っ越したご夫婦が経営している工房で、そこの土が気に入って、陶器を焼くためにわざわざその地に住み着いたのだ ....
くっきりとあなた
顔 も良く分かり
なめらかで豊かな曲線 も
温かくやわらかな感触 も
鮮やか
昂り も
息遣い も
鮮明に
ただ 熱心に セックス
透明な セックスをすると
夢精 ....
―動物園のライオンが言った
この間 サバンナとかいう所の夢を見たんだ
ワシはここで生まれ育ったから
どんなところかは 実際知らないのだがね
それでも何だか心地好くて
高い空と草の匂いが
....
昨日 いつも市場で会う少年と水遊びをしたとき
「お兄ちゃん、腕まくりが似合うね」って言われて
戸惑って
戸惑ってしまったまま 朝が来て起き上がる
いつもと同じように寝床に向かい
膝を曲げ 腕 ....
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