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きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく
きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
夕暮れの空にはむくどりが群れて
毎日あんなことしてて
むくどりは飽きないのだろうかと思う私も
飽きもせず夕飯をつくる
いや飽きてるんだけど
夕飯に飽きても
生きてるのに飽きても
生きてな ....
「あなたはね。
卵から生まれたの。
それはそれは痛くって、
とっても大変だったのよ。」
それが母の口癖だった。
嬉しいことがあったときも、
悲しいこと ....
その町の、かつての軍用地は
日本がアメリカとの戦争に負けた後
大きな時計メーカ−の工場になった
高度経済成長が過ぎ去り
第二次ベビーブームの波にのり
郊外に庭付き一戸建てを求める
サラ ....
ポチが走ってくる
ポチが尻尾を振りながら走ってくる
ポチが全速力で尻尾を振りながら走ってくる
ポチがよだれを垂らしながら全速力で尻尾を振りながら走ってくる
ポチが乳母車を弾き飛 ....
0時はとっくに過ぎたとさ
枯葉の筋に老いを知る
彼はグレーの服ばかりを着る
そして私はシンデレラ
王子様には成り切れない
名は?みゅんひはうぜん?
嘘の上手いガラスの靴
大根足は入らない ....
ガラパゴスで恋をして、
ガラパゴスで眠りたい。
わたし、
ひとになれません。
きっとね、
はまに まわした よめいの かりごま
なげる てのなみ くるわす つきやみ
ささぬ あかりに さしつぐ いっこん
らがん ちりうつ こぐだて わるむね
ちいさな坊也がいました。なまえをくりといいました。くりはおかあさんがだいすきでした。くりはどんなときでもおかあさんの側をついてまわります。おかあさんはいつもわらっていました。あるとき洗濯物がかわきまし ....
地底人さんの朝は早い。
日の昇る前から働いて、
せっせせっせと働いて、
日が暮れたって、
月が笑ったって、
まだ働く。
地底人さんは穴を掘る。
くる日もく ....
くられ ねんね の
いと しゃみ あんや
ふるぎ おもや に
かえ とぐ そぞろ
にちにち からかむ
てづな の とんぼ
まくり まわし て
けんけん ぽん ちょき
....
飛ぶ夢を見たことがある
動物園のダチョウはすっかり砂にまみれていて
それはつまりダチョウの習性であって
その目的は害虫を防ぐことだ
そんなダチョウに翼があることは
どうにも不自然 ....
ブギウギゆうたら
笠置シズ子しか思い浮かばへん
なにはなくとも 買い物ブギ
アレが白眉や サイコーや
ホンマもんのブギやらブギウギやらいうのは
なんやよう知らんけど
アメリカの黒人の人らが ....
燭台にともされたろうそくの炎が
一点の曇りもない銀のナイフとフォークに
照り映えています
用意された皿はただ一枚
白い無垢な皿です
さあ時間になりました
採れたての ....
純粋ならざる錬成から生まれ、
おぞましき獣となりて、
いまだ人ならず。
異物、
或いは汚物を喰らい、
蛆と成り果て、
蔑まれようとも。
いつか人と呼ばれる ....
「あとにのこされたもの」
雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで
「月は地球の衛星である前 ....
まずは輪郭線を消すことから始めよう
となりの色にぐっと近寄って
どこまでが目で
どこまでが鼻で
どこまでが口か
わからなくなってきたら
どこまでが自分で
どこまでがあなたか
わ ....
涙がつたっていた
朝のことだ
見ていたのか
夢を
(思い出せない)
遠くから鈴の音
昨晩のことだ
届いたのか
手紙が
(治らない)
涙がつたっていた
朝の風が
....
*
ロックは死んだ とか
文学は死んだ とか
ジャズは死んだ とか
詩は死んだ とか
絵画は死んだ とか
アートは死んだ とか
アイツは死んだ とか
* *
....
くらげはもう水みたくなって
やがて海になるだろう
溢れる 空想を両手にとって
きみは穴を掘っている
隣で海を耕しながら
私はそれらを見つめてあげる
....
われらの旅についてかたろう
われらとは わたしであってわたしでなく
すべての旅を ひきついでありつづける
おおいなるひろがり そのなかへ わたしもきえるが
われらの旅にはおわりがない
かち とろう
ゆき ゆこう
ふくみ ささぐ
きはくな ほし
こい こごう
ゆめ とばそ
ぴりぴり とした
ひりひり ときた
なげく なじる
ぬいでしまえよ
こ ....
ねえ、知ってる?
なんで言葉が出来たのか?
それはね・・
心を人に伝えたいから!
自分の気持ちを
相手に知ってもらえるって・・
素敵でしょう?
ねえ、知ってる?
なんで文字 ....
新しい惑星に
私はなりたい
あなたの
楕円軌道で追いかけて
あなたの日常を
照らすこともない
私は
小さな氷のかけら
それでも
見つめる
くらいはいいだろう
....
[な]
――懐かしい泣き虫さんへ
長雨のなか
なけなしの茄子がなったので
撫でまわして和んでいます
仲間にはなじみましたか
訛には慣れましたか
ないものねだりの
涙を流 ....
お爺さんは時速300kmで突っ走る直径10kmの鋼鉄製の球体に玉乗りしながら
火星から来た蜘蛛の群れを狩りに、
お婆さんは最新型の火炎放射器でストラトキャスターを燃やしながら
ステージ上で邪神の ....
悪しき手に触れられることなく
その卵は
産み堕とされた
卵は安らぎの温度の中で
夢を見て
眠っていた、
いつか目覚めれば消えてしまう
淡い夢を
ちいさな身 ....
ノイズが木霊する吹き抜けの真ん中で煙草から白い筋をくゆらせながら見上げるガラス越しのエレベーターが脳にエロチック
システマチックな上下運動に引きずられるように動くケーブルに繋がれた密室
機械仕 ....
おばあさん たべねば だめだ
見舞いにきた人が
そう 励ましてから
おばあさんの 体調は悪化した
食べれねぐなったがら もうだめだ
と 急に思いつめたらしい
看護婦さんがみかね ....
恋人は、詩を書く人と走る人
ふたりはお互いを知らない
わたしは詩を書く人と暮らしている
わたしは詩を書く人のために食事をつくる
詩を書く人はとてもきれいに日々を食べているので
....
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