遠い国で鳥があの娘を
拾って育てる
鳥はあの娘に名前をつける
あの娘は鳥に名前をつけることを考えている

鳥はあの娘に
おいしいお粥を作らせる
あの娘は庭のいちじくを
鳥にもいで来させ ....
ひとけの無いがらんとした灰色の
ただ広がっているだけのアスファルト
何故か工事がストップしたままの
どこにも繋がっていない道ではない道

わざわざここまで来たのは
あまり悲しくならないため ....
気が動転し
何も考えられない

とりあえずコンビニで
そばを買い
ほぐしながら
食べる

明日は起きたらすぐ
夜汽車に乗る
場所は向こう側へ
行ければいい

こぼれた赤いジュ ....
夜になろうとしている
駅と小田急線
歩いて歩いて
一体ここはどこ

線路が遠くに見える
でも見える程度には近い
もっと離れたいけど
離れたらもとの場所に
戻れそうもない

知らな ....
眠っている
こいびとの背中に
字を書く
油性マジックで
大きく書く

わたしの名前を書く
そっと書く

忘れられてもいい
あした
もう
ここへ
帰ってこなくても

背中に ....
温泉の
小さな露天風呂は
微かに
排ガスの
匂いがした

生垣で囲まれた
小さな屋上で
年の離れた男と
星空を見上げる

そっと
からだを合わせたら

温まる
ほどける
 ....
もう どうにもならないと判り
前にも後ろにもすすめずに
つり橋の真ん中で たちどまっていた
ここまで来ただけでも いいんじゃない、と
きっと 誰もが口をそろえる
けれど そんなことはどうでも ....
モグモグと朝起きて、パブロフの犬みたいにTVをつける。
NHKのアナウンサーが誰かが死んだってしゃべってる。
死ぬほど悲惨なニュースなのに、アナウンサーの顔はどこか嬉しそう。
一人死ねば、何パー ....
視界にて
生成される
着色料と甘味料


そこから逃れるようにして
ぽとり、と、うつ伏せるしかない
あなたとわたし
春に間に合わない体



ああ
お砂糖の誇 ....
コンクリートに
さりげなく咲く
たんぽぽ

それを見ると
不思議と
幸せな気分になる

土のない
コンクリートに落ちた種が
一生懸命に咲いている

それが
なんだか私に
お ....
たなびいていく
たなびいていく
淡紅色の欠片の群れが
空に向かってたなびいていく


たなびいていく
たなびいていく
思い出色の校門に
長いあなたの黒髪が
空に向かってたなびいてい ....
体中の
キズを辿る

一番大きいのは
三歳のときの
やけどの痕

足だから目立たないのに
ママは
いつまでもいつまでも
ごめんなさいと
言う
もうこの子は
結婚できないかと
 ....
ああ、晴れた
良かったね
公園には
お友達が
いっぱいだよ

光りと風
埃と喘息
排ガスと紫外線
楽しい楽しい
水遊び

ビスケットの匂い
いちごみるくあめの匂い
だっこ  ....
喉から手が出そうな日
何回もトイレに行かないと
間に合わない

朝はバスで
吐いたから
こっそり隠していた
服に
着替える

どうしてこんなに
空が
きれいなのかなあ

わ ....
春を待っていた

電信柱の脇に
タンポポが顔を出して

庭のハナミズキの枝先に
小さな葉が芽吹き

桜が 今何分咲きだとかって
世間が騒がしくなったり

それでも まだ
春を待 ....
突然の雨に
掌で傘を作ってみたけれど
隙間が多くて
無抵抗に濡れていく私です

傾きかけた夕暮れに
落ちてくる雨は暖かい


いつのまにか
大切なことを忘れてしまったようで
メモ ....
どろりとした水
流れてきた

あなたを静かに濡らす

もっと買って来いって言われても
ないよ

もっと鼻を突っ込んで
窒息するくらい

そっとさすって
優しくね

朝のくら ....
錆びた鉄柱が立っている
裂けめは花に覆われている
雲ひとつない空
掴むところのない空


川沿いの砂利道は
小刻みな縦揺れ
見向きもしない水鳥


呼ぶ声に顔を上げ ....
ずっと着いてきたもの

性格 容姿

投げかけられた言葉たち

どんなに拒んでも

馴染んで離れはしない



ただただ

輝く瞬間は

いつでも大切で

どんな時 ....
 古くて黒ずんだ家具を
 背負って
 わたしは海まで歩いた
 捨てようと思ったのだ
 生まれたときからずっと背負ってきたものだが
 今日であの海が終わるかもしれないと ....
     

どうしてなのかな
何もわからない
何も知らない
でも死んでいくの
暖かな部屋で
ごはんも食べずに
おみずも飲まずに

お墓はいらない
どこにも
誰もこないで
く ....
わたしを忘れた光が
昇りつづけて朝になった
目を閉じても冷たい指先
さよならを言う光に触れた

さらさらと
さらさらと


雨雲が川のなかを遠去かり
水鳥を連れていってしまった ....
ぼくらは
きっと
あつまっているのでは
ないのだらう

めのまえを
とおりすぎてゆく
ひかりのおびに
みとれるが
あとを
おうわけでもなく

そっと
うちがわから
やはらか ....
雨 雨 雨の音
雨 雨 雨の香り

馬鹿にされているかのように
激しく耳にたたきつける 
雨 雨 雨の音

埃っぽくカビたちの体臭を引き連れたかのような
鋭く鼻を刺激する
雨 雨 雨 ....
流れつづける灰空に
鴉が小枝をさし出している
遠く けだものの声が響いている


水はじく透明
もう積もることのできない雪
街の背中に降りしきる


ひとつ またひとつ ....
あの日の海

海の上を走る暖かい潮風
海の上で輝く爽やかな太陽

あの日の海の潮風の音を
こんなにも鮮明に
あの日の海の太陽の匂いを
こんなにも明確に
覚えている

先日歩いた
 ....
音も無い
そんな雨に出会って

そんな中に
佇んで
包まれて

張り付いた前髪から跳ねる雫も
もう遠くの出来事のようで


霞んでいく風景に
この道はどこへ行くのかと
この私 ....
わたしは投げ出す
わたしは拾う
手は銀になってゆく


つばさ失く飛ぶ火が越えてゆく海
ただ音だけで造られた海のむこう


骨と魔術師との対話
夜に生まれ
朝に消え ....
おつきさんのえだが
するするおりて
わたしのかみを
もてあそぶ

おつきさんのこえは
ほつほつしてて
わすれたころに
きこえてくる

おつきさんのはっぱ
やわっこくって
 ....
時間が
外から来る光を
横になりながら見つめている
花は雪
雪は花



晴れた日
道は海へつづく
ずっと空のままでいる川
とどろきの向かうほうへ
雪は昇り
落 ....
ダーザインさんのおすすめリスト(369)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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別れの曲- 長谷伸太自由詩7*04-4-6
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住宅街- チアーヌ自由詩504-4-5
油性マジックで- チアーヌ未詩・独白8*04-4-4
不倫温泉- チアーヌ自由詩10*04-4-4
降るコブタ- 望月 ゆ ...自由詩5*04-4-4
「ブラウン管の向こうから」- PULL.自由詩1*04-4-3
間に合わない体- A道化自由詩904-4-3
たんぽぽ- クラウン自由詩7*04-4-3
たなびいて- 霜天自由詩304-4-2
勲章- チアーヌ自由詩6*04-4-2
ひなた- チアーヌ未詩・独白404-4-2
喉から手が出そうな日- チアーヌ未詩・独白504-4-1
春が来た- 望月 ゆ ...自由詩2*04-4-1
紐解かれる- 霜天自由詩1404-3-31
どろりとした水- チアーヌ自由詩304-3-31
空洞軌- 木立 悟自由詩604-3-31
愛しくて- 小宮自由詩2*04-3-30
ファニチャア海岸- カンチェ ...自由詩304-3-30
空腹- チアーヌ自由詩504-3-30
ノート(わたる光)- 木立 悟自由詩504-3-25
こうみゃく- 玉兎自由詩404-3-24
Raining...- Lily of the ...自由詩3*04-3-22
- 木立 悟自由詩304-3-22
I_walked_with_the_sea's_illusi ...- Lily of the ...自由詩5*04-3-21
煙雨- 霜天自由詩704-3-20
銀の手- 木立 悟自由詩704-3-19
月の枝- 湾鶴自由詩804-3-18
__凪- 木立 悟自由詩904-3-17

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