背中に
冷えた地球の大きさを感じながら
夜空にときおり描かれるひっかき傷を眺めている

ひどい振動がして
一台の車が頭上を通り過ぎたが
その一瞬に
私の視界を遮ったヘッドライトと
一晩 ....
笛の音が滴る 波紋が暗やみに満ちてゆく
私は白く閉ざされ動くことができない
ほんの数ミリ 口から暖かい息が動くのを誰に感づかれまいとしているのか
視線が拡散し 霧の一滴一滴に乱反射する

私 ....
24歳 買い物にゆく
湿った月のような太陽の光の中

ラヂオ体操の帰りに見た
雨上がりのあさがお 

そこに行ってしまった 
8歳のはずの世界
今にも零れそうに
鮮やかなアサガオはゆ ....
フル フル ウールにポリウレタン
レーヨンカーテン 綿パンツ

100エン入れれば ゴメイトウ 

スワヒリ娘 吹きまわり

ハバリ(こんにちは)

クワヘリ(さようなら)

ハ ....
死ぬことについて考えようとすると隣りの女が咳をする
地下鉄の 煙草の 吸えないホームの ベンチの 隣りの
頭の 悪そうな服を着てまるっきり趣味ではない
首筋に湿疹を掻いた痕
携帯の画面に夢 ....
1.
顔を洗って髭を剃ると
私の顔は鏡の中にあった

洗面所の窓
その外にはいつも外があって
夜がまだ薄っすらと残っている

貞淑なやす子は朝食の後片付けをしている
今までの毎朝 ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....
ハピネス。
幸せについて語ろうとすれば
それは光のように輪郭をなぞって透けていく
影はすべて
光を雄弁に語るハピネス。
流れ、を捉えることが難しいのと同じくらいに
私たちが生き残るのは ....
(一)すべてのものは

日が翳っている
四月は末日
冷たい図書館の
その片隅で


ある日、男が生まれ
ある日、死んでいった


たった二行の
歴史書が
誰にも読まれること ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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時代- たもつ自由詩1703-7-11
醤油- たもつ自由詩9103-7-9
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旅路- たもつ自由詩1003-4-20

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