片手くらいの
かわいい顔した手帖があって
女の子のような
詩がたくさん書き連ねていた
僕には
春の風を思わせる旋律が聞こえ
夏の陽気さを感じる水彩画でもあり
ちいさな言葉たちだが
海原 ....
貴方には大きく翔たく
翼がある
貴方にはやらなければ
ならない使命がある。
生きているからには
役目をはたす。
生きているからには
苦を共にする
くつろぎの時
力が抜け
頭 ....
いつの間にか
色づいていく
さくらんぼ
眩しくて
さくらんぼ
ペアでなると
思ってた
そうでないのが
悲しくて
もう
二度と会えない
あのひと
今どこかで
空を見上げてればいいのに
あなたはいつも
わたしの
開かれた窓でした
そこにはいつも
新鮮な空気が流れていて
清潔な水色の空とつながっている
たとえばそれは
岬の草はらの淡いスケッチで
たとえばそれは
ガ ....
あなたの誕生日はいつだったっけなぁ
と思いながら
刻々とすぎてゆく日々
選ぶべき言葉も選べないまま
大切なもの
いっさいが流れてゆくというのなら
それは、きっと
わたしが ....
ひとつの優しさ
今日の朝振り向いて
ひとつの喜び
今日の朝テーブルの上にそっと
あたたかな温もりに抱かれるように
背中から朝は訪れた
おはようと
ちいさな声であいさつする ....
空白のページに
跡をつけたのは私
全体の四分の一にも満たない
まだ短いストーリー
ベストセラーになんかなりっこない
本屋の端の方で埃をかぶっている
ちょっと悲惨なストーリー
....
ゆっくりゆっくり
暮れなずんでいく
太陽が
月に
主役を譲ろうか
考えている
街は戸惑って
モノトーンになって
こんな夕暮れは
誰かといても
淋しくて
風の便り
空中の花見
二つの綿雲
手を振る君
スネアの音
速いロール
テントンテンと
ティンパニーの音
緊張の毎日
幸せの毎日
達者な弁論
あきない話
ぼくときみは違うから
同じものにはなれません
でも
同じくらい価値のある
別のものにはなれるはず
(1日目)
身欠きニシンの煮付け
餃子のスープ
ヤッコ豆腐
ほうれん草のお浸し
(2日目)
酢だこ
ソーセージ
かき玉汁
納豆
(3日目)
サバの味噌煮 ....
夕星の歌がきこえる
バリトンの愁い
季節はずれの鱗雲
夕方が影をつくる
生成は忘却なんだ
やっと、わかったよ
ぼくは見つけたんだね
魚が潜って行く絵だ
深海ではないような気がする
かと云ってこの頭の中だけではないのだ
大きな
魚ではない
小さな魚の大群でもない
どちらかと云えば弱者でありたい
大義名分 ....
砂の降る慌ただしい時間
追われて
追いつかれて
消えてった
オブラートで隠した影法師
穏やかに流れ始めた星の砂
量れない時間の中で
三日月の美しさに見とれていた
切なさを忘れた鳥が渡る
あなた ....
コーヒーに角砂糖を入れる
ろうそくの赤い光
サイホンの音
半日を振り返る
BGMに癒される
楽しくなる
何も考えない
脱力する
歯を食い縛り
気合を入れる。
午後も頑張るぞ ....
風船
たくさんふくらます
ぷうぷう
ふうふう
赤や
黄色や
青色や
マーブル模様は
お気に入り
全部自分でふくらます
今日のお天気よりも
私の気分が軽いか ....
空のすみずみまで血はめぐり
いつもの午後が
今日も静かにあくびする
ふと目が合って
空の心臓が
止まりそうになった
手を繋いで歩いたら
真っ赤な大きな心臓が
名残惜しそうに ....
ぼくはあの日
獣のような妖精だった
獣のようなことをして
妖精のような目をして
妖精のようなことをして
獣のようなことを考えて
清濁は合わせ呑むものではないよね
男と女をこえて
きみを抱きしめたい
欧米か!
なんて言われたいぐらい
そんな気持ち、なんだ
外灯や月がさやかになる
五月の闇が深くなる
月日は軽い足取りで ....
鏡のしくみで
生きている
笑うと
鏡も笑ってる
光の世界で
くしゃみした
永遠の
瞬きのように
お愛想だと判っていても
みょうな期待を持たされてしまう
口ぐせなんだよね
未来と繋がっているようで
繋がってなくて
この連休の天気予報みたいに当てにならない
悪気なんて無いのだ ....
ロッキングチェアに座る
クラシックを聞き
うたた寝
風が気持ちがいい
前は一面
麦畑、青い穂
犬とじゃれる弟
芝生の上
植木に水やり
芝刈り
青臭い匂い
サマーチェア
....
最後の /色
残されたままに/
/ひとつの ....
母さんと間違えて
息子が僕に抱きついてきた
首筋に
ぴったり口をくっつけて
おっぱいみたいに吸ってきた
ああ
母さんになるって
こういうことだったんだ
時計を見ると朝の六 ....
すがすがしい
晴れの日に
散歩に出る。
花が咲いている
ひなげしの中にオレンジ
ツツジの中に赤
薔薇の中にピンク
キンギョソウの中に黄色を見る。
浮かれて庭木の前で
立ち止ま ....
川沿いの道を
からんころんと下駄鳴らし
着物姿で{ルビ闊歩=かっぽ}する
5才の姪のかほちゃん
ほどけた帯紐に
つまづかないよう
後ろから追いかけて
地面に垂れた紐を持 ....
ねぇ君
過去の出来事で
くよくよ悩むのは止めようよ
今日という日が
すべての人にとって
これからの未来の
最初の日だとしたら
きっと君は
貴重な経験を重ねた分
....
あの日から遠いこころが始まった
そっちがいい
どっちがいい
気が向いたときだけ優しくできる
こらえきれず
きみを待ってる
ギター教室から
きこえる音楽
....
恵みの雨
喜びの雨
家の中で
寛ぎの時
ゆっくりと寝て
テレビをかけて
バイオリンの音
胸に透きとおる
悲しみの涙
苦しみの涙
全ての物が
人徳となる
{画像=080310001420.jpg}
たけすぎた蕨を手にして
にっこりと笑う母の手は緑に染まる
蕨煮て
灰汁(あく)ぬく母の背を迷い
山を降り来た一匹の蟻
にっこりと ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9