すべてのおすすめ
曇天をかぶって
つらつら歩く
濡れたアスファルトの
匂いに包まれて
暗澹たる世界の
ぐらぐらたぎる地
触れたあしさきの
熱く勢いのある
汗ばむ肌に
風のかがやき
麦秋の ....
苦楽に昏く
光にひかれる
浅い朝
毒づく独創
はかない破壊も
夜に寄る
懐かしい夏
日々響く声
皆向く南の空
消えゆく気へ
波立つ涙
割られる笑い
散文さん ....
わたしは生来みなし児であったので
血縁のおそろしさを知らない
また血の繋がりの
ありがたさも知らない
血の糸がもつれからみあい
愛憎きわまる悲喜劇に
みなし児らは失笑するの ....
ヒマラヤほどの消しゴムひとつ
ミサイルほどのペンを片手に
と歌う
キーボードで打つ
明朝体より
紙の上で躍る文字
走り書きの痕跡を
つまづきながら
歩いて見る
言葉は ....
頭を沈めて枕が
パン
と音をたてれば
それは銃声
頭蓋をつらぬく
かわいた一撃
この夜最期に
落ちていく
すべてが止んで
すべては闇に
そうして時は
喪失するまま
....
天も地も
親しみあう闇
眠りも覚醒も
溶けあう夜更け
空と森と土たちの
交わる全体性
流れるように
循環する
暗黒の空の下
森の樹々は眼を閉じている
樹々の足元で
....
薄紫の
花を
目が食べ
目覚めたとき
その直後も
草を食むように
咀嚼しつづける
夢見の歯車
ふと遠い日のすももの果実
熟れて柔らかに割れ
したたって染みる
濃い赤紫 ....
念のために確認しておく
モーソー
それはある
内容はない
カップラーメンのから
空っぽのビールの缶
それはある
それらに手はない
足もない
カッターナイフはある
ナ ....
雨が降る
雨落ちる
暗い空から
水落ちる
見ず聞こえる
見ずに聞く
言葉の嵐
こころの声
越えてゆく
越える山
からだ使って
山のぼる
病んでいる
悩んでいる ....
見ること超えて
見える闇
聞くこと超えて
聞こえる沈黙
見えないものを
見る眼をもとう
聞こえぬものを
聞きとる耳を
不具は決して
不幸ではない
未熟はきっと
未来に ....
暗くてもいいのだ
でも弱々しくてはいけない
偽善でもいいのだ
でも善の無力さはいけない
冷たくてもいいのだ
でもぬるま湯じゃいけない
信じてみてもいいのだ
でも批評眼をなくしてはいけ ....
窓の縦線だけが
くっきりと濃く
あわあわと振れる宙
影の格子の濃さを嗅ぐ
遠くて近い
雑踏のざわめきは
緊迫する耳の内圧につれ
次第に弛緩し浮遊する
易しい無理を
口 ....
ポタリと
命の落ちる
道の上
アスファルトから
立つかげろう
コンクリートのすきま
小さな草が生えている
地下にしみた
血を吸って
ポタリと落ちた
命を吸って
屋 ....
薄闇に沈む畳から身を起こし
ゆっくりと窓際に寄って立つと
部屋のなかのうちそこだけは
意外なほど明るい
こういう窓際というのは
明暗を分ける境界のようであり
しかも今の自分は暗 ....
僕はおさなかったので
ミッキーマウスが
消防夫だったりした
脳膜がメンマになって
少しおかしかったりした
火星人に思いを馳せると
くしゃみが出そうだった
トタン屋根が何かを
....
こんな雨の夜は
ぼくらのさみしさも後押しされて
心強い感じさえしたものだ
ぼくらのさみしさは
夜の雨に流されてしまうこともなく
やさしいままに
悲しいままに
雨の音と同調されてゆくの ....
だってなにしろ
どんどんと
すべてとの関わりというものが
変わってゆくので
つかもうとしてもただ宙を掻く手の
指のあいだから見えるものを
過去とでも呼ぶしかないじゃないか
なにし ....
見捨てられ
見守られている
みなしごのはだしの歩みで
ちろちろ歩く
ああ僕らは本当に
時代の縁を歩いてきたんだな
そして時代という言葉が
うすっぺらくなった時代を知っている
....
眠りからとけると
部屋はあいかわらず
自分色に汚れた壁床
今日こそ外へ
世界を捉えにゆこう
風に晒されにゆこう
くるまるシーツをはがし
自己臭に鈍った嗅覚でさえ
感じる匂い ....
奴ももう
もうろくしはじめているので
僕のことを
認められやしないのだ
奴もそろそろ
ろうそくの残りの火も気になるので
僕の顔さえ
まともに見てやしないのだ
奴らと僕らとのあい ....
眼のなかに眼がある
僕の眼のなかの眼は
遠い彼方の星に視線を投げて
すなわち自らを投げ
僕の閾ではないその場所から
ひるがえって僕の眼を見る
僕の眼もまたそれを見返す
彼方にある ....
僕のキボウたちよ
そんなに僕の周りを飛び交うな
僕には影が付き添っているのだ
君らの素敵な舞いに
僕は同調することができない
僕の小さなキボウたちよ
そんなにはしゃいでいるな
君 ....
風ふくらんで
煌めき差す日
川面なみ立ち
岸辺に寄する
空気の曲線
身を包み
雲も宙(そら)も
皆まるみをおびる
この世これきり
散る花弁
越しゆく季節の
....
ぼく迷子です
迷っています
地べた見ながら歩くので
道の長さわかりません
どこ行く道かわかりません
ぼく空っぽです
カラカラです
硬く固めて
乾いた言葉を探します
語る相手を ....
四月
死の匂い
花の風の香りの
甘美はゆっくり指先でひねり潰し
四月
紫煙たなびく
まぼろしだらけ
漂う霧中にむんと満ちて吸い込み
ピュルルと夜外を
鳥の飛ぶ
遠くしん ....
音もない暗がりに横たわって
あらゆる感覚を
シャットダウンしようとしても
無にはなれない
手足の在りか
胃臓の満ちよう
呼吸の往復
感受されざるを得ない事々
意識にともなう ....
眠りたくない人のために
この夜はあるのだ
シンシンと迫る
闇になじむために
健康な朝を求めて
僕らは夜を過さないのだ
キリキリと痛む
脳裡とともにあるために
僕は眼も耳も失 ....
beebeeさんのシホ.Nさんおすすめリスト
(57)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
六月
-
シホ.N
自由詩
2
11-6-18
息切れ生きて
-
シホ.N
自由詩
2
11-6-16
夕暮れの戦慄
-
シホ.N
自由詩
2
11-6-12
白紙をステージに
-
シホ.N
自由詩
4*
11-6-9
夜の銃声
-
シホ.N
自由詩
2
11-6-6
天地の還流
-
シホ.N
自由詩
2
11-6-3
目覚めの鮮度
-
シホ.N
自由詩
6
11-6-1
自己確認
-
シホ.N
自由詩
4
11-5-30
雨あるがまま
-
シホ.N
自由詩
3
11-5-28
ペンを持って
-
シホ.N
自由詩
1
11-5-26
夜明け
-
シホ.N
自由詩
4
11-5-25
徹底する夜
-
シホ.N
自由詩
6
11-5-23
落下
-
シホ.N
自由詩
5*
11-5-20
薫風
-
シホ.N
自由詩
3
11-5-18
つたない断章
-
シホ.N
自由詩
3
11-5-16
さみしさの雨
-
シホ.N
自由詩
2
11-5-11
開けて閉める日常この不可解なもの
-
シホ.N
自由詩
3
11-5-7
行進の果て
-
シホ.N
自由詩
1
11-5-5
道を歩いて
-
シホ.N
自由詩
4
11-5-3
虫がふふんと鳴いた
-
シホ.N
自由詩
2
11-4-30
眼
-
シホ.N
自由詩
4
11-4-28
扉
-
シホ.N
自由詩
4
11-4-24
四月の四行四連詩
-
シホ.N
自由詩
3
11-4-22
迷子
-
シホ.N
自由詩
3
11-4-16
四月
-
シホ.N
自由詩
1
11-4-1
本来の面目
-
シホ.N
自由詩
1
11-3-25
夜
-
シホ.N
自由詩
4
10-7-30
1
2
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