シホ.N


眼のなかに眼がある
僕の眼のなかの眼は
遠い彼方の星に視線を投げて
すなわち自らを投げ
僕の閾ではないその場所から
ひるがえって僕の眼を見る
僕の眼もまたそれを見返す

彼方にある眼のなかの眼が
僕の眼に映るとき
僕の眼のなかに眼が還ってくる
その眼が再び視線を投げれば
遠い彼方の星で
眼のなかの眼に
僕の眼が映っている

そうして僕らは
繰り返し永遠に
しかも時間のない一場面のうちに
ひるがえりつづけた


自由詩Copyright シホ.N 2011-04-28 23:36:06
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