行進の果て
シホ.N


見捨てられ
見守られている
みなしごのはだしの歩みで
ちろちろ歩く
ああ僕らは本当に
時代の縁を歩いてきたんだな

そして時代という言葉が
うすっぺらくなった時代を知っている

人々は逝ってしまった
もはや知る者もなく
雑踏の中で
見え隠れするものを追う
影か神か幻覚か
それはきっと目にとって
自然なことだ

僕らの神は
むしろ莫大なリアリティで
かつ曖昧に
存在している
(あえて使う
神という言葉に
安易に安住できないが)

長い行進曲もやむとき
僕らは僕らのやり方で
朝日を見ない朝を起きよう


自由詩 行進の果て Copyright シホ.N 2011-05-05 23:24:23
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