自動世界の歪みに落ち窪んで漏電
浮遊する未浄化のたましいたちが天井に残す曲線は
首吊り縄の正確な模写のようだ
水面の波紋のようないのちの明滅
電気仕掛けとおなじ ....
根腐れの根だけ残して摘み取られ 花だけを見て「咲く」を愛でられ
村上春樹のスピーチを聞いて、何かしら心動かされるものがあった。震災から3ヶ月、少しだけ立ち止まって考える時間ができたように思う。あの日から私は何も変わっていない。しかし、大きく変わっている。原発の問題 ....
梅雨の只中だ。来る日も雨。こちらは雨も強い。どこにいても空気が重ったるく水分を含んでいる。
昨日、婚姻届を提出してきた。受理日は今日になると言われた。警備室での提出。警備員のおじさんが二 ....
落ち込んでいる日のことをフルーチェの何味なのかで例えてほしい
活動家未遂の人が集まって世界平和も風任せです
この空はドラえもんでも作れない そんな五月の昼下がりです
リボンから風 ....
....
鼻柱
折ったら紐が
解けたぜ
お前のせいだ
お前が結べ
{引用=モンキーズ・ダイジェスト}
エステティックサロン ビッチクラフト代表 竹野ユメ講演
「美の魔術師と呼ばれて」より抜粋
(略)体内物 ....
ドアーが開いたときにあなたはそこに立っていたのですか.わたしは気がつきませんでした、ドアーはいつ開いたのですか.ドアーが開いたときにはまだあなたはそこに立っていなかったというのですか.ドアーは誰によっ ....
こっちにおいで
ミッフィーになりたいという女の子
夜な夜なふざけた指づかいで梟と遊んでいる
マナーを気にすることも
なくなった食堂に
開けたシャツのボタンをにぎって広島から流れてきたコンクリ ....
扇風機の駆動音と、蝉の声に紛れて、水の音がしている。彼はブリキのコップの中で魚眼を飼っていた。寝返りをうって、バタイユの文庫を相手に呪詛のような言葉を呟いている。彼女は何もきこえないふりをしながら、 ....
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いったいこれは何の会議だろうか。ただ、つい最近もこういった会議に参加した気がするので、きっとわたしに無関係ではないはずだが。しかし、みんな一体何を話しているのだろうか。な ....
かつて炭鉱だった俺の棲む町は
名乗れば居住区と苗字から素性を検索される雪の深い町
....
生ゴミみたいな愛
夜にめりこんだボードレールのはげ頭
雨音は強くなるばかり
写真を撮らなくなって一年ほど経った。しかし少しまた絵を描くようになって、カメラを使っているときにはほとんど絵を描いていなかった、文章だけはいつのときも書いている。
物事をおこなう上で(ここでは創 ....
手術室を溶かしたような色の、底の見えない湖へ知らない女と入水する夢をみていた。泳ぐつもりだったのか溺れるためだったのかはわからないが、女は幸せそうな顔をしていて、おれはそれを見ていたくないがために、 ....
昼間に、いくつか電話をかけた。仕事のための電話と、連絡、それから遠くにいる友人と、誕生日を迎えた男の子に。
恋人からは、いちにちに何度か電話がかかってくる。きちんとご飯を食べている?とか、洗濯物 ....
マリ子は中学生の時バレーボール部に入っていた。人気のアニメに感化され友人の雪と一緒に入部した。新入部員はボールなど触らせてもらえない、ひたすら校庭の走りとバレーの基本姿勢を覚える。その中には、腕立て ....
あしたの準備、というものをしないで寝る子どもだった。宿題も、時間割も、着る服もほとんど準備しないで寝てしまった。かといって、早起きするわけでもなく、だから毎朝、わたしは兵士のようにごたごたと用意す ....
きみの
左の胸に
腕を差しこみ
ゆっくり引きだすと
手のひらで
金魚がぴちゃぴちゃ跳ねていた
鉢も
水もないので
戻そうとしたけ ....
ゆるやかな住宅地、カーブに沿って咲いているひなげしの頭をひとつずつ摘みながら目の前を通り過ぎる乳母車を押した女に俺は尋ねる「俺は誰だ」ひなげしまみれの女は重たいまぶたをぴくぴくさせながら言う「知らない ....
きみのはちみついろを
ゆびとくちびるで
しりたかった
あじわうなんてこと
あのひのぼくたちに
できなかったんだ
よるはさびしい
うまれつきだけれど
もうならないでんわ
さよなら
う ....
酒、煙草、ギャンブル
一切しない。
スポーツ、レク、会話
殆んど無い。
勉強はよくする
料理大好き
仕事もよくする
作詩大好き
音楽よく聞く
贈り物よくする
手紙よく書く
....
白く降り止まぬ豪雪に立ちつくし
枝は のしかかる重みにバリリと折れ
春の澄み切った青空の下
まるたんぼうになって
根はネズミにかじられ
もう売り物を実らせない
切り倒され処分される ....
総理!ぼくはあのとき
民主党には入れなかった
でも、応援している
ぼくはあなたたちの
ハシゴを外すようなことはしない
時間をかけてしか
変わらないものがある
....
舌からしたたる
きみの言葉は
詩なんかじゃなく
まして
思弁なんかでもなく
おいしいね、とか
しあわせよ、とか
がんばろう、とか
....
面と向かって会うのもいい。
電話で同時的又は即時的に会話するのもいい。
でも、時間的遅れが不可避な交流が好き。
言葉を文法に乗せて
読みつつ認識する意味と
気持ちと
記憶から浮かべ ....
夕暮れるのに少しだけ
早い時の中を自転車で
漕いで回れば耳に届く
ピアノを練習する
くぐもった音色や
郵便配達のカブが
ダダ・ダダと駆ける音
引き戸をカタカタカタ
と閉める音
家に帰 ....
ぼく迷子です
迷っています
地べた見ながら歩くので
道の長さわかりません
どこ行く道かわかりません
ぼく空っぽです
カラカラです
硬く固めて
乾いた言葉を探します
語る相手を ....
そして瓦礫の中で何回も目を覚ます。事実だ。メタファーでもマボロシでもない。またはずれくじをひく。くりかえしだ。一日経てば、今日がまた昨日になる世界で。
ニュースはかったるい。 ....
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