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ふたりがまだ二ひきのりゅうだったとき
世界は平らで 雨がふっていた
眠るように飛びながら
からだはちょうど からだの重さだった
いまになって思いだすと
まぶたでは雨降りなのに
....
ジョージ、君がいなくなって、今年でもう三度目の夏が訪れようとしています。
ピンタゾウザメがいなくなったことで起きる弊害は今のところ
私の生活に訪れてはいません
アインシュタインや夏 ....
それは中毒性がありますといわれればきりがないし
さいしょから栓を抜いてしまえばいいだけの
それだけのことだったけど
すうねん前から君もわたしも
もの哀しい空気で肺をいっぱいにするのが
習 ....
富のなかに財布が埋没した真昼、君は百円玉と十円玉をにぎりしめてコカコーラを買う、きっと雨が降るよ、自動販売機の売り切れの赤いランプに蝶々が、もうすぐ雨が降る、一粒目の雨が頬に落ちた、スーパーマーケット ....
パソコンに保存された
鼻の写真をみていた
持ち主のわからない鼻が
吸ったり吐いたりしたまま
羅列されている
鼻の剥製
を作ってみよう
このコレクションに僕の鼻を
並べる ....
しょくぶつえんで待ってるねってトモヒロくんにメールしてから、リップクリームをいじくって遊んでた、半透明の、わたしこんなことばかりしてる、ゼリー状の、誰にも真似されたくなくて、真似しちゃったりぼんのむす ....
{引用=
捨て鉢になって、僕達は
あかるいみらい へ 霧散してゆく
あいとかこいとかゆめとかきぼうといった念仏
風の音に紛れて
いつも遠くで聞こえている
....
つくづく
人の身体とは水で出来ているのだ
と感じる
代謝がいいと
良く水を排し
身体はくびれ
欲し
肌は潤う
水によって
清められ
水に癒される
そうだ
命の源も ....
クラブ帰りの渋谷でサンプリングされ尽くした女子高生の残骸を打ち落としてく縦シューでボム抱え落ちして、デスルーラで飛んだ先がベルベットルームでもマサラタウンでもなくボロアパートの自室、いしのなかにいる、 ....
さかなが
はらを
あおむけて
ねていて
しんでいく
ところが
ぎょふくほ
ちゅうごくの
ちゅうぶにあって
じょうようの
ちかくで
ここう
ちほう
きっさてん
いく
....
野に影があり
樹と水と空と火の
長すぎる枠線を見つめている
奥にゆくほど太い負や
霧や霧でないつらなりや
まとわりついては月に削がれる羽たちや
道化の音が
....
111003
予定調和の気分のままに
あれがマンダラこれがキナコと
笑い出す
ひどいものだね
ツクツクホウシ
ボタンを押したら
お別れねと
9月末には居 ....
110922
有馬の殿様
見かけは丈夫
膝のお皿が割れている
謙虚な侍が控えます
何の因果か直立不動
左右に並んで控えます
お殿様と仏様 ....
冷蔵庫の中から
あなたが出てきて
おとなになりたかった
と訴える
こんな夜には
ビルよりも背の高い
おとなになりたかった
おとなになりたかった
「もしあたしがゾンビになったらどうする」
「うっかりちんこから食ってもらう、じゃあもしおれがゾンビになったら」
「ぶち殺す」
おまえの人生テクノポップ!おまえの人生チルアウト!おまえの人生ド ....
夏になると私の心の中に生まれてくるものがある。何故なのだろうかと問いかけながらいつの間にか消えていく。ふるさとが貧しかった時代の頃から、夏になると飛び交う蛍を蚊帳の中に置いて眠ったも ....
一組の対句が
狛犬の像さながらに鎮座しているのを
ベンチに掛けて眺めている
だがその奥に控える本堂はどうだ
冷え冷えとした静けさは
推敲を重ねられてゆく
....
雨乞いをする鈴虫の鳴き声は鉛筆の芯を削るようだ
次第〃に薄らいでゆく窓
ちいさな発動機の音が近づいて来る
予定はまったくないのに、朝刊のもぐり込む音にまたドキリとしてしまう
時計の針 ....
交差点で男が信号待ちをしていた
信号が変わるまでの間
男はピアノを弾いていた
肩に蝶が止まった
その衝撃で
男もピアノもバラバラに壊れた
信号が青になると周りの人たちは
慌てて ....
無力さ それはもう何も持ってないくらいだよ
弱みを見せたのかい キリがないね
こらえてみたらもっと楽だっただろう
負けてしまったのだね
しょっぱい顔をしているけど止めないよ
わかるまで塩 ....
ダビングしようと
君はいった
それはとても
素敵な提案に思えたけど
僕たちは
ダビングすべきものを
なにも持ってはいなかった
だからふたりは
ちょっと高価な
ビデオカメラを買って
....
110729
朝が早い
草の息吹を聞きながら
根本を這う生きものたちに嫉妬して
火炎放射器をぶっ放す
燃料が無くなり
あたりはうっすらと黒こげになっている ....
放浪の俳人・種田山頭火の、
昭和8年(1933年)10月15日の日記。
私は酒が好きであり水もまた好きである。昨日までは酒が水よりも好きであった。今日は酒が好きな程度に於て水も好きである。明日は水 ....
とは言わなかったが深緑
の海の底でシャワーを浴びる
人魚の群れ
いずれ死ぬ花と骨の埋没
三時五十分の角を抜けて、横浜の白塗りを思い出しながら、三歩進む、唾は頤から天に上る、喧騒は耳鳴りのかたちで映されまた描かれ、きみが網膜を着ていようといまいと、忌々しい素振りで、彼女は手首を切り取って ....
夏はとつぜん、空から襲ってくる。
風がきらきらと光って、薄いガラス片の、トンボの羽が降ってくる。
少年のこころが奮いたった夏。
トンボを逐うことが、なぜあんなに歓喜だったのか。
細い竹の鞭 ....
{引用=きょうの料理 8月号}
冷蔵庫からきゅうり1本を取り出し水洗いする
小鉢にマヨネーズ適量をぶりぶりと絞り
もろみ味噌小さじ1を入れる
無ければ{ルビ甜麺醤=テンメンジャン}同量に
{ ....
ぶくぶくぶくぶく溺れていくよ
ぶくぶくぶくぶく眠っているよ
夜の水面の水中を泳ぐ魚の群れの中
黒猫と戯れ遊ばれてクーラーの風に当たってる
午前三時を目の前に
蛾と蚊と一緒に寝転んで光 ....
私にはわからなかったのかもしれない
人間であることが、
その時の中の誰だったのだろう
私ではないままそこで倒れていたのかもしれない
体はなかった
ヒトには
ふたつの種が存在する事を知った
無茶が出来るヒト
無茶が出来ないヒト
俺は
自分が無茶が出来ないヒトたることを
毎朝のように嘆き
この歳になって
後悔する ....
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