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 バンペイユという果物がある。確か晩白柚と書いたと思う。最近ではスーパーでも売られている。要はでっかいザボンである。因みにザボンはでっかい蜜柑で、つまりはザボン、バンペイユともに柑橘である。食する機会 .... 夫はわたしの手足を縛る、とても適切なやり方をしっている。どうしてだかはわからない。そういえば、最初からそうだった。どうしてだろう。他人なのに。

土曜日だというのに、部活動でもあるのだろうか、制服 ....
息子が小二に進級するにおいて、ひとつ注意したのだが、あれはたしか私が小三になった頃、うっかり二年生の教室に、休み時間、思いっきり助走して(注目を集めたかったのだろう)その教室に、豪快にすべ .... おとといの晩、列車をのりついで、姉がこちらへ来た。
電話が来たのが六時半で、その四時間あまりあとに明石のコンビニエンスストアで発見したとき、姉はおそらくいそがしく泣いたり、笑ったり、落ち込んだり ....
風邪をひき、治ったと思い油断していたら、ぶり返しこじらせ、ここ二三日ベッドから出れずに居る。
紅茶に蜂蜜を阿呆ほど投入し、飲んでいる。からだは温まるが、おそらく風邪が治ったころには、からだに重みを感 ....
大阪市のあたらしい市長がニコニコ笑っているテレビ、独裁者が死んだ、知らない言葉、知らない人々。ずっともう昔に、キリストは死んだらしい、日本の政治は永田町でなにやら絡まっています、名刺交換、ミサイル ....  瞼が取り払われたように目が覚めた。部屋の中にただひとつだけ置かれた文机の上に痩せた女が座っている。そのすぐ横に、三木の下卑た眼差しがあった。
 外では工事の音がやかましく、砂埃の舞うのが窓からも見 ....
一秒に一京回の計算をするコンピューター。


夫は寝ている。多くの硬い毛に覆われた体。(それはそのままわたしの安心の形をしている。)それから、ぐったりと縮こまった性器。わたしにも早くペニスが ....
隣室で眠る友人の寝息と、近くの高速道を走る車両の音がこんな夜更け、他人の家にて混じりあう。
私は妙に目が冴えてしまい、携帯のディスプレイの灯りを頼りにこんな散文を綴ったりしている。

友人の出し ....
 おれには、玄関の鍵を閉める習慣がない。鍵を無くしてしまうからである。これまで何度も不動産屋に迷惑をかけてきた。どうせ安普請のワンルームマンションである。侵入盗に目を付けられる心配よりも、不動産屋の苦 ....  生魚。アボガド、漬物、南国フルーツ、関西風のうすあじ味噌汁に、脂ののった肉々しい肉。
 トマトゼリー。イカとタコ、噛みごたえのある食感はゴムの域を出ない。
 その他甲殻類。レーズン、あんこ、辛い ....
 舞台にたった一人だけ。幕は無常にも降りてくる。堪らなく不安になり、足が震えてしまう。その幕が二度と上がらないことを知っているから……。
 幕が閉じてしまう前に問いたい。
 果たして、この世に純 ....
みじかく、強めの雨がふる。もうやんだかなと思えばまた降り出し、まだ降っているかなとおもえばもうやんでいる。そんな調子で。

ぼうっとして、すこしずつ痩せたり、太ったり、食べたりしている。
子 ....
現代詩フォーラムに投稿を始めて、もうすぐ(あと一ヶ月と少し)一年になります。

なんだろうな、実はずっと自分を語る「随筆」とかそういうの苦手でしょうがなかった時期があって、人のを読むのはいいん ....
ベッドは硬い、壁は黴だらけ、安いホテル、安いホテルにいる僕、安いホテルにいた、君。シャワーヘッドから溢れる液体、僕を包む湿度、轟音、それはシューゲイザー、君が好きだと言うシューゲイザー。足元をみる、汚 ....  生殖は売買される娼婦のように夏はけばけばしい取り繕った傷跡から蝉の死骸が漏れ出している水子の帰ってくるのに従って編み笠を被った女どもが太っちょの男どもと番っている祭囃子の中でぼくは水面を見つめて .... 果物はみな少なからず官能的だと思うのだけれど、桃なんてその最たるものだ。たたずまいや、匂いや、舌触りや、もちろん味も。
桃の皮を剥くのって、肌を剥くのとも似ている。薄皮を剥がす感じ。熟れた桃の、 ....
職場の同僚にハットリさんという女性がいる。
物静かで、いつも気配を殺してそっとたたずんでいて、本当に先祖は忍者だったんじゃないかと思わせるような人だ。
(現に職場の多くの人は彼女のことを「ハットリ ....
うるさいお前らそんなに喋るな、喋るなっていうか喋ってもいいけどそんなにうるさくするな。なんでそんなにうるさいの?なんでそんなに無知なの?声が大きいし言葉が間違ってる。
昨日私のパソコンはRの文字 ....
何かが失われようとしている。いつも、常に。移行する状態のなかで。いくつかの物事が同時進行的に失われていく。

落下した車両の撤去も済まぬうちに鉄道は再開する。ニュースは技術の盗作を騒ぎ立てる。 ....
扉を開けると夏が直角に立っている午前。

明石を経ち、埼玉を経て岩手へ、の途中で気仙沼に寄り、盛岡を折り返し仙台を通りまた埼玉へ帰って来た。明日また明石へ帰る。新幹線で。夫と。行きよりも増えた荷物 ....
 傍らを男の子が追い抜いて行った。
 {引用=危ないじゃん。しつけの悪いガキ、転べばいいのに。}
 黄色いショッピングかごを取って、赤いwelcomeマットレスの上に
立った時、気づいた。3秒く ....
魚焼き網と食器桶をハイターに漬けて、便器とあらゆる排水溝にそれ用の洗剤を流し込む間に、うちじゅうの床を拭く。鏡とテレビとパソコンの埃を柔らかい乾いた布で磨いたあとで、便器とあらゆる排水溝とハイター ....  
 かつてロンドンにおける講演会で、ステファン・マラルメは、フランスにおける詩の定型からの解放の始まりを、ふかい驚きをもって伝えていた。それから100年以上の時が過ぎ、日本においてさえ現在では、 ....
村上春樹のスピーチを聞いて、何かしら心動かされるものがあった。震災から3ヶ月、少しだけ立ち止まって考える時間ができたように思う。あの日から私は何も変わっていない。しかし、大きく変わっている。原発の問題 ....  梅雨の只中だ。来る日も雨。こちらは雨も強い。どこにいても空気が重ったるく水分を含んでいる。

 昨日、婚姻届を提出してきた。受理日は今日になると言われた。警備室での提出。警備員のおじさんが二 ....
{引用=モンキーズ・ダイジェスト}
      エステティックサロン ビッチクラフト代表 竹野ユメ講演
                 「美の魔術師と呼ばれて」より抜粋


 (略)体内物 ....
写真を撮らなくなって一年ほど経った。しかし少しまた絵を描くようになって、カメラを使っているときにはほとんど絵を描いていなかった、文章だけはいつのときも書いている。
物事をおこなう上で(ここでは創 ....
昼間に、いくつか電話をかけた。仕事のための電話と、連絡、それから遠くにいる友人と、誕生日を迎えた男の子に。
恋人からは、いちにちに何度か電話がかかってくる。きちんとご飯を食べている?とか、洗濯物 ....
 マリ子は中学生の時バレーボール部に入っていた。人気のアニメに感化され友人の雪と一緒に入部した。新入部員はボールなど触らせてもらえない、ひたすら校庭の走りとバレーの基本姿勢を覚える。その中には、腕立て ....
榊 慧さんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト(122)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
久しぶりに短い文章。- 小池房枝散文(批評 ...612-4-26
やすらかなこと- はるな散文(批評 ...212-4-15
小学校における並行世界- 小川 葉散文(批評 ...212-4-4
おとといのこと- はるな散文(批評 ...512-1-10
終りの季節- DNA散文(批評 ...111-12-21
初雪- はるな散文(批評 ...4+11-12-20
_- 散文(批評 ...211-11-16
コンピューター、及びコーヒー、そしてタオルハンカチ- はるな散文(批評 ...711-11-15
七月のこと- DNA散文(批評 ...211-11-3
- MOJO散文(批評 ...3*11-10-27
梅田周辺- メチター ...散文(批評 ...6*11-9-23
密約- 済谷川蛍散文(批評 ...1*11-9-20
おびえること- はるな散文(批評 ...411-8-25
自分を語るということ- 塩崎みあ ...散文(批評 ...11*11-8-10
排水溝へ流れていくのは- 01散文(批評 ...211-8-7
_- 散文(批評 ...211-8-6
桃のこと- はるな散文(批評 ...711-8-2
ハットリさん- チカモチ散文(批評 ...211-7-31
うるさい- はるな散文(批評 ...311-7-29
何かが失われようとしている- はるな散文(批評 ...111-7-26
前日のこと- はるな散文(批評 ...411-7-19
ノイズ- salco散文(批評 ...10+*11-7-15
捨てるのこと- はるな散文(批評 ...511-7-5
雑感的に_1- るか散文(批評 ...311-6-28
私たちを支配するもの- 遠藤杏散文(批評 ...3*11-6-17
靴のこと- はるな散文(批評 ...411-6-16
マイ・レヴォルーショナル・エステティック- salco散文(批評 ...4*11-6-1
作るに関する覚書と考察- はるな散文(批評 ...611-5-9
電話のこと- はるな散文(批評 ...311-4-25
押したい背中- 森の猫散文(批評 ...4*11-4-20

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