すべてのおすすめ
自動ピアノは
ひとの手がなくても
自分で鳴れる

黒曜の黒鍵
白亜の白鍵
八十八音の音の鍵

自動ピアノは
ひとの手がなくても鳴れるけれど
弾かれたことがあるので
ひとの手を覚え ....
目を瞑っても嫌な事はそこに在る
目を瞑っても轟音からは逃れられぬように
耳を塞いでも恐ろしい事は起こっている
耳を塞いでも嗅覚は異臭をとらえるように
鼻をつまんでも根本事由はごまかせない
鼻 ....
じゅうじか?
ううん
かざぐるま?
ううん
なにかのかざり?
ううん
なに?
しゅりけん


チラシを細く丸めた棒を二つ
十字形に組み合わせて
セロテープでぐるぐる巻いてあ ....
なんのために
歩くのか
それが死への行進であっても
もはや
退くこともできず
ただ祖國の土を踏むことだけを
夢見て
凍土を踏みしめて行く
泣く力はとうになく
乳さえ吸う力もない
赤 ....
笑うと金語楼になると
細くなった母の目を
指さしながら父が笑う
明るいさざ波が立って
子どもたちの顔まで
福笑いの目になる
母が笑う日は少ないが
その笑顔はぼくの
胸の引き出しにある
 ....
感覚は、何かがあることを教えてくれる。
それはその物が何であるのかは伝えないし、
その物にまつわる他のことを伝えてもくれない。
ただ何かがあることのみを知らせるのである。

(C.G.ユング ....
  蘇生のイキをするように
  そっと虚空に
  言葉をはなったとき
  言葉はすぐにちりぢりになってきえた

  あの日の
  あの青空には
  二度とであえはしない
  ....
               ――D.K.へ

訃報を受けた次の日、近場にある温泉宿へと自転車で行った帰り道、途中にある長い坂を登りながら、私に不意に訪れるものがあった。あなたの位牌の前で深々と頭 ....
ひとは記憶を捏造しながら生きている。あそこにいたはずの僕は、ここにいる僕の記憶の中で生きていて、かつ、ひとの記憶の中ではいなくなっていた。人の記憶を僕は記憶できない。記憶には、記憶の代替不可能性が付き .... 一羽の鳩が飛んでいた
わたしの乗る列車を追いかけるように

無機質な四角い窓枠のなか
黒いコートの肩越しに
羽ばたき続ける
白い鳩の





線路を渡る架線を巧みに避けて ....
 
朝起きたら、外に出よう

白い息を吐きながら

此畜生と吐きながら



 
気合入れて目覚めても
去年となんら変わることの無い朝だった

それでも
いつもの年とは変えよう
変えてみよう

初春は一途な決意が大切なんだと自らを奮い立たせ

買いだめしておいた菓 ....
今があるのは、過去のおかげ

未来が、ささやく
けれどその時そこに私は
いない
どうしても
いのちは

最後(悲しい事しか見えない人は悲しい人か
終わる ....
こんもりと雪に覆われた朝
夢中でついばむすずめたちは
埋もれることもなく
枯草を折ることもない
だがまんまるの愛らしさは鋭い冷気への対抗
食糧不足は天敵も同じ
生きることは戦い
いの ....
 転がり
 笑いにおよぐ手は
 あなたの汀(みぎわ)に触れただろうか

いつしか愛は 大きく迂回する
あなたの的は
わたしたちの的であり
なのに欲しがるわたしの瞳はもろく
瑞々しい
 ....
草むしりをする最中
うぐいすが唱える
私は、
この一本に活かされている
むしる事により
今を(ずっと透けているのは闇といっしょ

私は秘密だ
むしって来た千草一本一本に感謝 ....
水面ははるか上
光は届いていないはずなのに
ぼんやりと明るい

呼吸の仕方を覚えたのは
もうだいぶ前のこと
少ない養分にも慣れた
清さがいまは心地よい
先のことはまだ分からないけれど
 ....
 私が初めて感銘を受けた絵はピカソの「ゲルニカ」である。中学のときだった。白と黒だけの焼けつくような不毛さの中に、形体と形体との矛盾が組み敷かれていた。牛や目や人が、本質へと刈り込まれた後の鋭さで、生 .... 僕たちは立っていた
路上に立ちつくして
いつ訪れるかわからない
僕たちをどこかに
連れていってくれるであろうものを
ひとすら待ちつづけていた
僕たちは整然と列を
乱さずに立っていた
僕 ....


すこやかな悪魔が科学の哀しみをそぎ落とす、見下ろす風景に書かれた哲学を精密に削り出している。緑色の空の稜線を白い葉が伝っていく、清潔な堕天のおしゃべりに体積をついやしている。悪魔はしなやかな ....
 私の中には時折他人が入ってくる。私が食器を洗っていたとき、気がついたら私は田淵さんだった。田淵さんは私の部屋に勝手に入ってしまったことを申し訳なく思い、靴をはいて部屋の外に出たが、そのとき田淵さんは ....   まるでこの世の始まりから
  僕を待っていたように
  茶色い床に君の
  十二枚の写真が散らばっている
  秋の風が窓の外で
  穏やかにはためく午後
  僕はグラスに冷たい ....
Yの海馬の幾つかの
細胞に刻まれたひとこま

「また会おうね」と
Yが弟にかけた言葉
にっこり白い歯を見せた

会えたのか、呼ばれてみると
意識は無くて体中で息を求めていた
「〜彦ち ....
息を切らしながら山道を登っていくと
薄暗い脇道から片目のポインターが飛び出してきて
びっこの前脚で器用に跳ねた

どうしたらよいのだろう

何かの病で左目を失くしたのか眼窩は
底知れぬ闇 ....
燃える
{ルビ椛=もみじ}を煽るように
わたしが吹きつける

燃える山
きみを理解したいので燃やした
わたし
を 理解しようと
祈りが増え
祈るための言葉が増え
言葉を行き交わせる ....
どこかで誰かが泣いていた

悲しくて
それとも恋しくて




悲しさに理由なんていらないけど
流した涙はしょっぱくて
それでいて仄かな甘さなんて感じてしまう

なぜって
 ....
部屋を一歩踏み出したときから孤独は纏わりついてくる

貧相な湾と丘陵に挟まれて
身動きが取れなくなったこの街に漂う霧のように
湿っぽい感情はいつまでも俺の皮膚から離れない

東京行の駅のホ ....
きみが覆いつくした 世紀は輝く

きみは高らかに筆を降ろし 画布から水面につたう

きみは光と水を 調合する

きみは招待で

振向くきみは侵食のようだ

きみは廃棄物マニフェスト ....
青空のやつ
研ぎ上げたカミソリみたいに 輝いて
今日こそ世界中の 影という影を
断ち落とす 腹づもりらしい

太陽は 白痴みたいに
ただ 笑っているばかり
これからどれだけ 薄暗い血が流 ....
小石には刻まれた文字がある
忘れられた形見
鯨の骨の穴三つ
祖父が死んだ日は知らない
祖母が死んだ日は少し悲しかった
花びらのなかに埋もれて
小粒の涙が乾くのも早かった
遠 ....
N.K.さんの自由詩おすすめリスト(419)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ピアノフォルテ- 小池房枝自由詩8*12-2-8
- salco自由詩19*12-2-4
しゅりけん- 壮佑自由詩23*12-2-3
チチハルからの渡り鳥- そらの珊 ...自由詩10*12-2-2
母の笑顔- 殿岡秀秋自由詩1112-2-1
夢のつづき_(夢喰植物)- 乾 加津 ...自由詩19*12-1-30
失語症から- 石川敬大自由詩2212-1-23
挽詩- 葉leaf自由詩412-1-19
語られた記憶(散文詩)- 中川達矢自由詩412-1-10
Bird_strike(車窓のひと)- 恋月 ぴ ...自由詩30*12-1-9
此畜生- 殿上 童自由詩26+*12-1-4
It's_a_beautiful_day(変わらないひと)- 恋月 ぴ ...自由詩28*12-1-2
メメント・モリの空- こしごえ自由詩5*12-1-1
MISSION- ただのみ ...自由詩32*11-12-25
隻影- 乾 加津 ...自由詩27*11-12-15
連なる独唱- こしごえ自由詩7*11-12-1
- 深水遊脚自由詩10*11-11-28
絵画の定義- 葉leaf自由詩5*11-11-28
壁画- 岡部淳太 ...自由詩1511-11-27
探索- 葉leaf自由詩3*11-11-27
他人- 葉leaf自由詩6+*11-11-26
レンズ- 草野春心自由詩21*11-11-24
「また会おうね」- 木原東子自由詩4*11-11-23
オッペのひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*11-11-21
十一月尽- 伊月りさ自由詩611-11-19
秋空のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2811-11-14
朝の孤独- 花形新次自由詩8*11-11-14
アイビー_(想起させるものに、忠実に)- 乾 加津 ...自由詩13*11-11-14
青空の刃- さすらい ...自由詩13*11-11-5
化石- アラガイ ...自由詩10*11-11-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14