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元々無口だった相方が
緘黙症を始めたので
普段は週末にしか行かない川までドライブ

口は利かないが運転はしてくれるので
平日の深更に夜ドライブ

昼間の言葉の行き場がなくて
叫ぶ場所と ....
久しぶりに短い文章を書きたくなったので書いてみる。短い文章を書いてみると何だかいつも久しぶりだ。嘘だけど。
先日、乗換駅のホームでセミを拾った。まだ生きていた。木のない駅で、人に踏まれるよりは草地に ....
テッポウユリではないのです
今頃の季節
花期をたがえて咲く白い花

例えばアカザやブタクサ
夏草でいっぱいの四角い空き地の真ん中に
丈高く唐突にすくっと一本だけ

細葉の形と付き方が
 ....
彼岸花 今年も此処に出でますと細き緑の指を以て告ぐ
 
人の手が触れた花 まだ触れぬ花 被子植物の性器偏愛
 
台風の朝にも咲くべき朝顔は咲かねばならぬ咲くことは出来る

ほろほろの萩の葉 ....
{ルビ五月蝿=さばえ}なす少女らは街を飛び回り制服だけが九月を待ってる
 
椅子の名はサヤカとソヨコ 練馬区の下赤塚にて少年の部屋

アルジャーノン、ネズミの名前は覚えてる。青年の名は忘れてし ....
人恋し妖かし恋しカラスウリ

流れてく雲の先にも夏の空

炎天下無人の公園カンナ燃ゆ

土星環消失まっすぐ地球見てる
 
涼しさや蔑称幾つか引き受けて

スコールにはしゃいでる子ら ....
風信子鉱
ジルコン
ヒヤシンス色ってたくさんある

電気石
トルマリン
スパークしてる
パチパチ拍手

トパーズ
シェリー酒越しの曙光
黄玉

ルチルは
金紅石
ちるちる ....
患者相談室の看護師さんは
物品を受け取らない
公立病院だからね
規則上も実際もそれは厳しく守られている

けれどあまりにもいつも何でもないことを
どうしようもないことを
よしなしごともあ ....
風を浴びて暮らそうよ
室外機の熱風ではなくてさ

木々が日差しをさえぎって
しっとりと冷ややかな土が冷ました風
暗渠ではない川の水面を
きらきらと輝かせながら吹いてきた風

蓄熱するア ....
羽化するものを
手渡されたことがありますか

「これ、今日の午前中ね」
生物部の男の子がくれた一本の小枝には
冷蔵庫から出したてのサナギキアゲハ

「羽化する瞬間は見たことがない」
い ....
花体にもさくら{ルビ一片=ひとひら}にもさくら

一人にもさくら大勢にもさくら

木末にもさくら手のひらにもさくら

都会にもさくら陸奥にもさくら

野山にもさくら街ごとにもさくら
 ....
彼岸桜優しげに咲く此岸かな

野に遊ぶさも値段高そうな猫

イヌノフグリ閉じてぽろんと今日でおしまい
 
産卵を済ませて二度寝のヒキガエル

コーヒーの記憶 取っ手のとれたミル
 
 ....
ころころ丸い石でした
玉砂利敷いた浜でした
黒い巌が砕かれて
波に洗われあやされて
碁石のようになりました

不思議と荒れた海でした
静かではない沖でした
けれども船が穴通
する時だ ....
コスモスがささやくコスコスサインサイン
トーラスなドーナツ揚げる霾る日

筍で円、放物線、双曲線
曲水の宴メビウスの帯締めて

死者互入生者の輪の中盆踊り
吊るし雛アルキメデスの立体で
 ....
自動ピアノは
ひとの手がなくても
自分で鳴れる

黒曜の黒鍵
白亜の白鍵
八十八音の音の鍵

自動ピアノは
ひとの手がなくても鳴れるけれど
弾かれたことがあるので
ひとの手を覚え ....
 ちいさな文章をずっと書きたかったので書いてみる試み二回目。前回リクエスト&コメントをいただきましたざりがには冬眠中です。トワイライトエクスプレスには豪華コンパートメントのほか慎ましやかなB寝台もあり ....  小さな文章が書きたいので書いてみる。
 以前、部屋から線路が見えるアパートに住んでいた。普通の各停や急行や貨物、それらに加え、トワイライトエクスプレスが走っていた。大阪から日本海側を北海道まで行く ....
この空を知っている
この空の青さを憶えてる

台風が洗っていったんだね
空の低いところを
いつもとは反対向きに走っていく雲たちがいる
空の高いところでは
動かないように見えていても
そ ....
光あれ暗闇もあれビッグバン

天津キツネ二尾を伸ばして駆け抜けた

二億年メリーゴーラウンド銀河系

「アミノ酸あれ」そう云って海に陽が射した

「午後の恐竜」地球カレンダー閏秒

 ....
温排水全戸に無償で給湯し緑地は野鳥に解放しよう

議事堂と皇居を残せば貧乏人だけ残された街にはなるまい

避難円もしお台場を中心に二十キロなら何百万人

避難円もしお台場を中心に二十キロな ....
吹雪いてた処も多かろ、此方ではこれが初雨。静かに優しく。

舞い上がった正月埃をほんの少しほんとに少しの雨が鎮める



恋人は何かの匂いのひとがいい焚き火の匂い潮風の匂い

失くした ....
シロカニペランラン金の盞
コンカニペランラン銀の台
いつからこの国に咲いていたのか君たち

室町の頃に記録があったというのは聞いたけど
数百年前からか

では数千年前には
数万年前には ....
 月間公募ガイド、という雑誌をご存知でしょうか。電子メディアとしてもあるようですがまずは紙媒体、自治体や企業がやってる各種標語や川柳・俳句から小説・小論文までの色々文学賞やキャラクターデザインや曲や写 .... 行かないで正解だったよ、とか
来て正解だったな、とか
終わってから言う
何かしてしまってから言う

生まれてきて正解でしたか
生きてきて良かったですか

失敗でも
生まれてきて良かっ ....
月を見ていた
月が見えていた
今もまだ見えている
月と、木星と、照り返し白い雲たちだけ
他にはなにもなかった
空には
光るものたちは
もともと夜とはそういうものだ
飛び回る ....
歌は要るけど詩は要るか

ことばは要るけど詩は要るか

イルカはいるけど詩はいるか

詩はどこにいるか此処にもいるか
大空という言葉は不思議ね
小さい空もあるみたいね

青空という言葉も不思議ね
緑色の空もあるみたいね

夕焼けには小焼けがある
青にも青の他に群青がある

小さな星には小さな空がある ....
ポケットティッシュに
詩を印刷して配ったらいい
一枚一枚にでも
広告の裏紙部分だけにでも
やる気ないときは
通りすがりの一人一人に
二ついっぺんに無言で突き出したりね

それでそれもら ....
木の船を揺らすな無邪気に邪な者ども汲めぬ柄杓を渡す
同胞よ騒ぐな天のあれもまた汲めぬ柄杓だ海は終わらぬ

天水は恵みの雨でも海水を薄める毒ぞ海のものには
手繰られて深きものども深みから湧けよ鵜 ....
N.K.さんの小池房枝さんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜ドライブ- 小池房枝自由詩1212-8-30
久しぶりに短い文章。- 小池房枝散文(批評 ...812-8-29
たかさごゆり- 小池房枝自由詩512-8-21
八月は花の葉月- 小池房枝短歌4*12-8-21
八月は歌の葉月_人と人外の巻- 小池房枝短歌3*12-8-20
八月の小石- 小池房枝俳句7*12-8-13
小石の中の声を聴く- 小池房枝自由詩312-8-13
ポケットの中に- 小池房枝自由詩10*12-8-2
風を浴びて暮らそうよ- 小池房枝自由詩8*12-8-1
羽化するものを- 小池房枝自由詩9*12-7-15
さくらさくら- 小池房枝俳句4*12-6-5
三月のマーチ- 小池房枝俳句7*12-4-8
碁石海岸と穴通船の歌- 小池房枝自由詩612-3-29
数学俳句- 小池房枝俳句512-3-14
ピアノフォルテ- 小池房枝自由詩8*12-2-8
ざりがには冬眠中です。- 小池房枝散文(批評 ...712-1-15
トワイライトエクスプレス- 小池房枝散文(批評 ...4+11-12-29
この空を知っている- 小池房枝自由詩6*11-5-30
ゴースト、たぶん五月の幽霊- 小池房枝俳句3*11-5-24
トーキョーの電気は今後はトーキョーで原発しよう地価も下がろう- 小池房枝短歌5*11-3-22
睦びあう睦月- 小池房枝短歌511-1-17
水仙月の一月- 小池房枝自由詩4*11-1-12
とっとと落選したい公募応募らいふ。- 小池房枝散文(批評 ...910-12-19
短足太陽- 小池房枝自由詩710-12-16
神奈川にて- 小池房枝自由詩710-9-25
パウル・クレーの絵をください- 小池房枝自由詩4*10-7-28
レイリーブルーの秘密- 小池房枝自由詩6*08-12-23
ティッシュ詩集- 小池房枝自由詩14+*08-9-18
方舟の海- 小池房枝短歌6*06-1-31

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