すべてのおすすめ
 
 
むねからひばながでる
ぜんまいのおもちゃであそんでいたのは
きのうのことだった

そぼがそれをみていた
それはきのうのことではなかった

さんじゅうねんの
としつきがすぎて ....
 
 
こどくであることが
きんじられているのだから
むれている

たけばやしで
たけはかぜにゆれている
みずからのかっとうに
かぜはとてもよくにている

あるばん
たけばやし ....
 
 
ちいさなかねが
とどいている
それはてがみ
かあさんがくれた

へんじはかかない
ぼくのかねは
きれいに
ひびかないから

ひげをはやした
あなたのこどもが
おもっ ....
 
 
君の目に写るのは
赤い満月か
蒼く光る新月か

目に写る
それは大抵見えている
目に写らない
それも

昨日わたしは恋をした
日没の背に
その向こうにある
朝の胸に ....
 
 
声が聞こえる
とても遠いところから
すぐ近くから

ここにいるよと
声が聞こえる
わたしの隣の席から

贈り物が届いている
箱を開けると
欲しかったものばかり

微 ....
 
 
まだ生まれていない
君を心配してる

生まれたら
誰も経験したことのない
君の人生が待っている
君が君であるために

僕は何度か死にかけたことがある
鼻先を
時速百キロ ....
 
 
なにも無い
遠いところから
君はやってくる

名前を持たずに
やってくる
君の名前を考えている

夜十時で閉店した
ジャスコの二階フロアを
エスカレーターの下から
少 ....
 
 
母の夢の中に
わたしは現れました

たくさんの人たちの
夢の中にも
わたしは現れました

母の夢の中に
ふたたび現れたのが
妹でした

彼女も同じように
数えきれな ....
 
 
母さんに
ブティックを
プレゼントしてあげたい

もう街にいかなくていい
大好きな洋服が
売るほどあるのだから

試着室で
好きなだけ
試着することができる

しば ....
 
 
正確な数値はわからないけれど
たぶん5%くらいになったあなたの体が
目の前に横たわっている

よほど熱かったのか
素手で触れることはできなくて
箸で摘まんでいる

かつてあ ....
 
 
高架橋のところまで
電車を見にいく

生まれる前から
そうすることが
決まっていたように

電車が来るのを
待っている

死んでしまったら
できな ....
 
 
父は風呂に入りながら
トランジスタラジオを聞いていた
湯船に落としてしまっても
乾かせば直ると言っていた
実際お湯に沈んでも
ラジオの音は止まなかった

僕も父の真似をして
 ....
 
 
今日もはみだしている
淀みのようなところで
濾過された水が
次の流れへとはみだしていく

必要のないものが残っている
昔大切だったなものが
今は地名のように残っている

 ....
 
 
朝、目覚めると
四十歳になっていた

王選手が
七五六本目のホームランを打った
ポスターが貼られた
四畳半の部屋で眠っていたのに

昨日は小学校から帰って
庭でスキー遊び ....
 
 
会いたいのに
会えない人がいる

帰りたいのに
帰れない家がある

戦争を知らずに
僕らは生まれたけれど
争いを避けずに
僕らは生きていけなかった

いつからなのだろ ....
 
 
家電に生まれて
気がついたことがある
わたしには声が無い

たとえば
ファンヒーターは
ファンヒーターであるために
温風を吐き出すことで
せいいっぱいだ

電子レンジは ....
 
 
いつからそこにいたのだろう
しわしわの殻に包まれた
わたしの祖父

甘さと渋さを身に秘めて
日が暮れるまで
縁側の外を見ている

殻に閉じこもりながら
本当は外に出たい
 ....
 
 
夜更け
冷たくなった台所で
誰かがじゃんけんしてる

声は聞こえないけれど
それは
たしかに聞こえている

誰もいない台所で
聞いている
じゃんけんに
勝ったものは声 ....
 
 
立ち食いそば屋で
夕飯を食った

客のほとんどは
お酒を飲んでいて
立てなくなると
ざるそばを食って
次々と去っていった

素数について
話している客がいた

立て ....
 
 
今すれ違った人
こんにゃくじゃなかった?

休日の散歩道は
いつもそんな母の
一言ではじまる

そう、今の人はこんにゃく
僕と母さんみたいにね

安心した母が
少女み ....
 
 
これからはじまることは
これまでにもあったこと
出会いと別れをくりかえし
僕らはまた少し
遠いところへ歩いていく

足がなくても歩けるのだと
あなたは言った
手がなくても
 ....
 
 
きたぐにから やってきた
トラックに たくさん 
つみあげられて
まっしろな ゆきが やってきた
だれも たのんでいないのに

こうさてんで ていしして
ゆきは はずかしそう ....
 
 
モナリザは
あらゆる角度から
私たちを見ていた

美術の時間
絵の上手下手に関わらず
私たちが絵を書いてるその時も
わけへだてなく
等しい目で

廃校になった校舎の
 ....
海岸に
たくさんの鏡が並び
かなしみの海から帰る人々を
心に写している

私たちは
あなたと同じ
かなしみがわかるのだと
言葉にして語っている
ほんとうは
正反対の姿で ....
元旦の朝
目覚めると
枕もとに息子が
座ってました

いつからそこにいたの
と尋ねると
わからない
と笑うので
不思議な気がしました

それから
お雑煮の餅を
小 ....
 
 
かつて人だったものたちの
声に耳を澄ましている

繰り返される
波の音は
そのようにも聞こえ

バスは子供たちを乗せ
茜色に染まりながら
海岸線を通り過ぎていく
 
 ....
一晩中
瞬き続けた星たちが
あんまり淋しいものだから
朝になると
雪になって降るんだよ

一日中
降り続けた雪たちが
母さん恋しいものだから
夜になると
星になって瞬くんだよ ....
 
いつか聞いた
オルゴールの音が
こんなにも懐かしく
わたしの島にもとどく

音階は等しく
何度でも
誰もいない浜辺に辿り着き
朝には朝の
昼には昼の
夕暮れには夕暮れに
染 ....
 
 
父が釣りに連れてってくれた
それから数日後か
数ヵ月後か
数年後なのか
忘れてしまったけれど
近所のおじさんか
同級生か
はたまたいもしない
兄なのか
とんびなのか
カ ....
 
 
アメリカを好んだ
わたしから
アメリカを除くと
わたしだけが残った
アメリカが
わたしなのではなかった
フロリダも
シスコも
ロスも
わたしが好む何かではなくて
それは ....
あおばさんの小川 葉さんおすすめリスト(445)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
年月- 小川 葉自由詩310-4-30
竹のはな- 小川 葉自由詩710-4-24
ラ・カンパネラ- 小川 葉自由詩1*10-4-20
赤い蒼玉- 小川 葉自由詩5*10-4-10
春の席- 小川 葉自由詩510-4-6
尊さのその先- 小川 葉自由詩4*10-3-13
- 小川 葉自由詩5*10-3-12
目覚め- 小川 葉自由詩110-3-10
ブティック- 小川 葉自由詩310-3-9
5%のダイエット- 小川 葉自由詩4*10-3-5
高架橋- 小川 葉自由詩610-3-4
トランジスタラジオ- 小川 葉自由詩510-2-28
ふっとの- 小川 葉自由詩3*10-2-27
手紙- 小川 葉自由詩210-2-25
白い原稿用紙- 小川 葉自由詩6*10-2-23
心理- 小川 葉自由詩110-2-20
胡桃- 小川 葉自由詩5*10-2-18
じゃんけん- 小川 葉自由詩2*10-2-17
素数- 小川 葉自由詩1110-2-11
こんにゃく- 小川 葉自由詩410-1-30
塩分濃度- 小川 葉自由詩510-1-29
ほうぼう- 小川 葉自由詩4*10-1-23
モナリザたちの休日- 小川 葉自由詩210-1-20
黙祷- 小川 葉自由詩510-1-18
天使の演習- 小川 葉自由詩510-1-4
記憶の海から- 小川 葉自由詩809-12-30
初雪- 小川 葉自由詩709-12-15
オルゴール- 小川 葉自由詩409-11-26
蝌蚪- 小川 葉自由詩609-11-18
リアルテーマパーク- 小川 葉自由詩609-11-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する