{ルビ静寂=しじま}からもの憂き雨が貫けど
  破れる夢もない熱帯夜



曼珠沙華かさなる闇に{ルビ咲乱=さくらん}す
  狂おしいまま抱く情に似て



熱き夜に悶える ....
ふとした瞬間に青い空
僕は心臓を砕かれた
あれほど危険と言われていたのに
ふとした隙間に青い空
僕は心臓を砕かれた

無心になりたい
真空に
舞い散る光に
目をつむって
無心になり ....
夕暮れ 
母校の校庭の隅に立つ 
{ルビ巨=おお}きい{ルビ欅=けやき}に額を押しつけ 
涙を絞って泣いていた 

この木のまわりに穴を掘り 
子供だった僕等の宝を入れた 
卒業前のあの ....
  一 「ミッシング・ピース」

手渡されたたった一枚の
欠けた切符のように
行き先でもなく
日付でもなく
空白のはずなのに
それ以上に大切なものを
どこかに忘れたまま
 ....
最近「時」「持」も「詩」と よく読み間違えちゃう

まさか アフロとアムロを読み間違えて こんな おおごとになるとは・・・

きみがガンダムファン いやガンダムヲタだから アムロだと思っちゃっ ....
「観月橋」

せせらぎの音は
いつのまにか、ざあざあと鳴り
錆び付いた欄干が
しとどに濡れる紫陽花の、夜

ここには愛づる月もなく
ただ名ばかりの橋が
通わぬこころの代わりに、と ....
午後からは雨なので、
傘を持っては出掛けなかった。
昼食の蕎麦屋から出ると、
案の定、
雨が降り出した。

色取り取りの傘が、
街に花開く。
わたしは蔓 ....
風ノ葉 

こころには 
埋まることなきすき間あり 
葉の揺る茶屋に 
独り佇む 



椀 

{ルビ空=から}の{ルビ椀=わん}
ひかりのにじむ 
底のまるみに 

 ....
突然の激しい雨に言葉切り
雨戸を閉めた君の白腕


さぁさぁと静寂の中に衣擦れと
息遣いのみ聞いている午後


まだ止まぬ長雨の中見送られ
しぐれ柳をくぐりて走る
ぎんいろの折り紙で
鶴を折る

ぎんいろ
それは
わたし自身を惑わす窓辺の色合い

ぎんいろの街で
あなたとの足跡を探してしまう
例え人違いだったとしても
あなたに良く似た後姿に
 ....
  「アリュール」

{ルビ汚=けが}れならば五月雨川に流せりと誘ふその手は{ルビ梔子=くちなし}に似て


  「ブラック」

黒髪に触れし指先奏づるは重なる肌のあつき旋律
 ....
しとしとと 雨のリズムは 跳ねるよに 色とりどりに 開く傘花


窓辺にて 紫陽花の夢 つらつらと 君が眠った 横顔を見る


愛してる も一度言って その言葉 濡れた路上に 虹が映った
 ....
指絡め柔ぬるい舌食んでいる今この時を吸い尽くさんと 君の囁く何気ない日常だけが
僕を取り巻く全てだというのなら
どれほど幸せだろうか
名前しか知らない飼い猫の話だったり
妹との他愛ない喧嘩の愚痴だったり
二人交わす冗談っぽいキスだったり
お ....
誰に気づかれることもなく
蟻が風呂の排水溝に吸い込まれていった
死んでしまったかと思われた蟻は
翌日水道の蛇口から金魚になってあらわれた
金魚鉢でしばらく飼われた金魚はある日
誰に気づかれる ....
あなたとの関係を大切にしたい

あなたとの時間を大切にしたい

愛って

大切なひとの時間を大切にすることだと思う


会ったこともないのに

こんなこと書くとひいちゃうかな
 ....
指さきふるえる

こころがふるえる

胸をこがして

中二の秋がよみがえる


さよならの分別が

臆している

とき

こころのふるえは


指さきふるえる

 ....
ひとり心に住むひとを

ひとり遊びに横たえて

想いのうちは哀れです


せわしく濡れて

しんと見つめる

とがるかなたに

吐息、はじける


ひとり心に住むひとを ....
時を追いかける時よ
ひとり物語を語り続ける時よ
孤独と戦い続ける私の時よ
過去をふりかえれば
時は追いかけるだけの幻
孤独に気づけなかったあなたとの日々
時でさえなかったあなたとの日々
夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして

滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街 ....
彼は私にもう会えないといった
理由も聞かずに
いや
聞くことも出来ずに立ち尽す
彼が背を向けて
私はただその後ろ姿を見つめていた
それは昼下がりで
太陽が眩しくて
でも目を逸らすことが ....
【愛してる】
これ以外では表せず
君に捧げる五文字の心


友愛と恋の違いを知り得ずに
ただ愛だけが心を占めた


世界中誰に聞いてもわからない
【愛】の意味は自ら生み出す
一秒
このわずか一秒の間に
地球の中で
数えきれないほどの電子が移動する
それが今という時代

今の時代には今の詩を
それでは
何が生まれるというのだろう
とてつもなく広く速い流れの ....
  
   「いつか奇跡」

霧雨の向こうに遠い日の日記 差し出した手が迷い濡れてく

影送り透けて遠のく僕たちの眩ばゆいほどにピュアな夏の日

吹くはずのない甘い ....
ばっぱ、こねえだ小川さんえのカッチャ飲んでら、ママはいってらお茶ッコけれ。

ママはいってらお茶ッコ?なえのごどだべ?

あれぇ、こねえだ小川さんえのカッチャ飲んでらっけしゃよ。

あやあ ....
アダルトビデオから男優が逃げた
かわりに僕が入れられた
男優はそのままビデオショップに返却し
自由の身となったようだった
ビデオがレンタルされた
借りたのは彼女だった
僕は女優をビデオの中 ....
君思ふわが名流るる滝つ瀬の
   はやき心をたれか止むらむ

紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
   いでやかなしき人をぞみゆる

こころありや宵待草にあさつゆを
   ....
桜の若木についた花はいまだに落ちること無く

強い風のなかで、桜色が揺れる

暖かな日差しはいつまでも穏やかで
何をするわけでもなく、壁にもたれて


ウトウト微睡みながら
 ....
わたしには
こうこうせいのおねえちゃんと
おかあさんと
おばあちゃんがいます。

「おねえちゃん、どうしておけしょうするの?」
「きれいになりたいからよ」
「どうしてきれいになりたいの? ....
まぼろしか白夜の夢に君を抱く 鼓動ひととき重なりて、泣く

時を打つ鐘の音色も{ルビ夜=よ}の色も白くまどろみ繰り返す「恋」

白夜なら大地もぬくもり忘れずにいるから今宵は許しあお ....
紺野 夏槻さんのおすすめリスト(318)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
熱帯夜- Rin K短歌24*07-6-17
青い空- ゆうと自由詩4*07-6-15
夜の校庭_- 服部 剛自由詩11*07-6-15
パッセンジャーズ- Rin K自由詩43*07-6-15
ピンクのドンペリニヨン- 北大路京 ...未詩・独白6*07-6-14
京都三橋_- Rin.自由詩40+*07-6-13
「_午後は雨。_」- PULL.自由詩13*07-6-13
〜金沢小品集〜__- 服部 剛短歌12*07-6-12
しぐれた日- いまいま ...短歌7*07-6-11
ぎんいろ- 恋月 ぴ ...自由詩59+*07-6-9
パルファム- Rin K短歌32*07-6-9
雨の六首- おるふぇ短歌4+07-6-7
蜜壷- いまいま ...短歌4*07-6-5
B面- イヴ自由詩807-6-5
- 小川 葉自由詩707-6-5
愛って- 吉岡ペペ ...自由詩407-6-5
こころのふるえ- 吉岡ペペ ...自由詩107-6-5
吐息、はじける- 吉岡ペペ ...自由詩407-6-5
- 小川 葉自由詩307-6-5
夜の飛行場- Rin K自由詩43*07-6-5
眩しいけど悲しいもの- キリエ自由詩207-6-5
あい- 秋桜短歌10*07-6-4
今の時代には今の詩を- ぽえむ君自由詩10*07-6-3
■共同作品■_カゲロウと花- Rin K短歌26*07-6-3
ばっぱの思い出- 小川 葉自由詩507-6-2
アダルトビデオ- 小川 葉自由詩9*07-5-30
恋夏草(れんげそう)_______■古語の宴参加作品■- Rin K短歌28*07-5-28
+初夏- リュウセ ...自由詩6*07-5-25
化粧- 麻生ゆり自由詩14*07-5-25
白夜- Rin K短歌22*07-5-24

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