きみはくれたね
かすれた透明な声
リズムとはちがう音楽
出会った日には
震えたふりをした
こころとはちがう不倫
雨のつぶが
満天の星のよう
なにか始 ....
舌先が絡める熱い銃口の鉄の苦みは血の味に似て
約束の指でいざなうライフリング自我突き破る濡れた弾丸
背徳を縛る鎖の錠を撃つ。ふたつの魂(たま)は逝く果てもなく
交差点 黄色信号 傘持たぬ二人に細い秋雨の降る
自己判断でゆけと告げている点滅の赤その向こう側
助手席で君の視線の動きにさえ見惚れてしまう我は盲目
怖いと言いながら本当は何も恐れてい ....
あ、あー
本日は晴天なり
未来を励ます晴天なり
朝から鱗雲が光ってら
天高く馬肥ゆる秋
わが家に男子生まれる
あ、あー
本日は晴天なり
未来を励 ....
霏々と降る、雨。黝いparanoia不協波紋よ咲かせ憂鬱
信号の点滅さえも響いてる月の爪痕冴え渡る夜
加速度をゆがんだ都会(まち)で確かめて スカイラインへ突き抜け ....
誠実な嘘で騙してあげるから
死ぬまで一緒にいてくれないか
哀愁を
助手席に乗せ Jazzを聴く
将軍塚へ
深夜ドライブ
緋の蝶を君のみぞ知る胸に彫る無血のいたみ翅広げ咲く
手のなかの諸刃はいつしか時じくの命となりて食らうかなしみ
疼くはばたき連れて生きるというならばわれをともない生きてくれぬか
街から香りが消えた
祖国の英雄は
今どこで何をしているのだろう
季節は空白に満ちていた
さよなら
言葉たちよ
透明が流れている
さよなら
言葉たちよ ....
桔梗のむらさきを聴く、と
夜の二歩手前が
どこまでもやわらかな鎖で
約束と小指を繋ぐ
硝子の鉢に浮かんで
むらさきは、鳴る
秋ですね と
ただそれだけを告げるために
桔 ....
与え合うものは痛みと欲の痕。左手どうし繋がれていた
口付けて錆びつくほどに探るのは求め合うたび変わる鍵穴
枷を引く。ひとつのふりをしたほうが
軽くなるなら脱げるうすぎ ....
胸は
すぐに
いっぱいになります
それゆえわたしは
多くを連れて
行けません
あなたを
はじめて呼んだ日に
こころの底から呼んだ日に
海は向こうになりました
永 ....
宵濡れて 秋月想い鳴く虫の 声ぞ密かに 雲を見あげる
寝る前に
S.O.Sを
キャッチした
京阪ならば
まだ走ってる
河原町落としたコインを追ううちに逆巻かれてた日曜の波
白線のバリア破って日常が隣で呼吸してる烏丸
かつら、カツラ、桂。わだちの枝に今日も葉が行き交うひとの数だけ茂る
文字盤の ....
柔らかな
カンキツ系の
懐かしくて
重いそいつは
金木犀の
匂いじゃないのか
ひとの悪口を
本気で受け流して
僕はひとりで
傷ついていようか
....
10センチしか
開かない窓と
網格子のガラス
誰も逃げ出さないよう
注意を重ねて
それなら
私が私から
逃げ出さないよう
力を貸して
もう
あっちの世界に
還 ....
煙あげ無情に焦げるアタリメの曲線に似た情けない意志
「ザル通り越してお前はもう底の抜けた筒抜けの樽か何かだ」
鶏なんこつ ねぎま 鶏もも 豚カシラ つくね 手羽先 タレより塩で
....
帰り道 君は南に私は北に 二人を分かつ夕暮れに秋
ロンハーの青田典子が好きと言い笑い転げる君が愛しい
疲れてる君の様子に少し似たスーツの上着抱きしめたくなる
ネクタイを慣れぬ手つ ....
プール前の花壇に
コスモスを見つけて喜んでいた そのくせ
君は、緑色のため池に沈んだ季節を
あまりに切なげに指す
わかってる
君も、僕と同じ色が好きなんだろう
空のいろ、でもなく ....
夕方が透明になる
桃いろが黒ずむせつな
夕方は透明になる
そして
藍いろは夜に向かうのだ
宝くじ
当てたぐらいじゃ建てれぬか
馬鹿か 浪漫か 夢、青閣寺
悲喜(ヒキ)とりどり
色鮮やかな
あの日の絵画
ただ「アリガトウ」と
隅に書き添え
延滞金さえ払えば帰さなくてもいいですか君 レンタルみたいに
したかった 最初で最後のセックスを 春には里に帰る君と
無人駅 待合室に金の沈黙 止めても君は笑うだけだろ
お ....
+桃色檸檬+
辛いもの好きだけれど激辛を中辛と言えないあたしは甘い女
左胸青と赤が輝くくせに澄ました顔でピンクレモネード
+泡沫檸檬+
ビーフカレー当然のように辛口な ....
夕されば高き帳に望月の影透けて咲きよいやみを待つ
ゆくへなき水だに君に恋すてふ命のなごりに青霧となる
秋と言ひ長き夢路を眩ませし霧は瀬に立つ蒼き陽炎(かげろ ....
ならんだふたつの石を見つける
それだけで寄り添いあえていた
それに我々をかさねていたのだ
きょうも中秋の月は輝いていた
三叉路で
大人たちが行く先を探している
ならんだふたつの石を見つ ....
長所と短所
うらおもて
さびしくなろうよ
九月の雨は
人に優しく
おまかせしようよ
藍のいろ
煙っている
アスファルト
ただの夜のいろ
....
宮島の鹿に案内されるように観光地巡る人は賢い
雨上がり光差し込む弥山から見下ろす瀬戸の島は目覚める
東京の路線図を見てすごろくと勘違いする幼稚園児
新宿の高層ビルに阻まれて目的地には ....
捨ててきた夏のカードと引き換えに虹よりたしかなセヴンブリッジ
仮面の下で抜いた{ルビ剣=つるぎ}に嘲笑う君を刺すのもまた{ルビ運命=さだめ}かと
夢見よう手札はいつも風まかせ無 ....
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