羽化していく
心が
闇に吸い込まれて
音もなく
消える
不在証明
書き殴り捨てた
手錠したままで
りんごの皮を剥いた
{引用=(I'm not here) ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。
生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
もう忘れてしまったから
思い出せる
縦に細長い
三角屋根の家は
白い壁に
木の階段
小さな抽象画が
三つ
上って行くと
グランドピアノと
背の高い譜面台
バルコニーには
テーブ ....
静脈を流れていった
幾度かの夏がありまして
網膜に棲みついた
((ただそれだけの))海があります
無人の駅舎―――ああ、思い返せば
入り口でした この仕掛け絵本の
....
荷造りの終わった窓際
目に留まる
私に泣いた朝鳥が飛ぶ
夕べ好きだと
しゃがれている
透明な
ロックンロール
心のなかで
心たちが
みっともないデモ行進
泣くなよ泣くな
オレンジの沿線を
ぽつぽつゆ ....
身動きを許してください水底は26時のネオンさえ青
息継ぎを忘れた彼女が電池式だったと知った火曜のメトロ
遺失物届けの欄に書くべきはリセットキーか押す指なのか
「き ....
足のツボ押して痛い 痛くてしょうがない
胃が弱ってるみたい
過労かストレスか 反射投影
トラブルが起こってる
とにかく僕は 味付けのりを食べ
喉の渇きを感じながら 君へのメールを打ってい ....
梅雨どきに疲れがでるんだなんて
あなたはやっぱり年をとったんだね
地球がうまく見えないんだなんて
ちょっと余裕なさすぎなんじゃない
かんぺきな芸術
あとだしジャンケン ....
祖母は絵に描いたような大阪人でした。商売が大好きで、勝気で、たまに口が悪くて、酒屋でしたからものすごく酒には強くて、花は大ぶりの派手なものが好きで、ついでにヒョウ柄も大好きで・・・そんな人でした ....
あの、ね
君の語りの中にはいつも海があって
壊れた砂時計が海岸線を塗りつぶしている
波はいつの間にか言葉になって
こだまする、喉の奥
赤いうさぎを抱いた少 ....
+++++
わたしは
さみしいので
ご飯をよそった
@ぴこぴこぴこぴこ+@+@
立ち上る湯気の向こう側に
わたしの言葉の
羅列
....
あなたはいま、幸せですか?
君の単純な問いかけに
イエスともノーとも言えなかった僕は
不断桜の幹に身体をあずけ
枝先の小さな葉を気にしていた
こいつも光合成してるんだなあ
陽ざ ....
きみのつくってくれた
カレーうどんが
得意料理になっています
息子ふたりの
大好きな食べものになっています
公園のさくらは満開で
雲のなかにいるようでした
....
「第一話・名もない色」と書いてみた。二年と五日前の扉絵
漁火というたましいに導かれ浴衣のうさぎ逃がすわだつみ
王冠を貝に譲ったソーダ水だまりこんでた午後がいとしい
消 ....
眠れない夜に
眠ってしまった店を想う
焼き魚が食いたくて
冷蔵庫の灯をまさぐるが
プラスチックしか見つからない
ジュースを転がす
傷んだ腹がないている
鍋焼きうどん食おうにも
....
同心円でありたいのです
それぞれの速度で広がる
無数のわっかのなかで
波紋を重ねたいと
降り始めの一滴になりたいのです
そのひとのほほで流れれば
きっと振り返るでしょう
手のひらを空 ....
左手を絡める鎖で身を飾る誇りを嘲え白い太陽
乱気流放つ引き金緩いまま「後追い禁止」の標識を刺す
置き去りの景色を胸に滲ませたセンターラインはためらいの色
逆風 ....
今はもうママと呼ばれているのかな 青い時間を過ごした君も
寄り添って居るつもりだったあの頃の思い出が今俺に寄り添う
あの頃は早く大人になりたいと言っていたよね俺もお前も
....
雪のない窓辺に指で描いてた心の傘揺れ揺れて泣く
水色の雨桃色の春橙の朝銀色の海辺の記憶
きみは外部を
一方向からしか見ていなかった
だから
きみの外部には裏側がなかった
きみの世界では
外部は感情とつながれている
人がなにかをすると
きみの目には ....
著者より
相手の立場に立ってものごとを考える。ということは、よりよい人間関係を形成する上で非常に大切なことである。しかし、こういうことは日ごろから意識しておかないとできないものであって、時とし ....
風立ちぬ寒き手紙は寒椿花ぞ散るちる紅(くれなゐ)は君
せせらぎの凍てつく青に紅を差し夕闇となる寒椿かな
寒椿君のかわりに影連れて影が消えれば指先は夜明け
....
夏だった
夜中にはじめておまえが来て
朝まで風呂場でいちゃついていた
ゆぶねでおまえはなんども痙攣して
ねむったように首をうなだれていた
さいごはしょんべんまで飲まされて ....
遠く遠く
声がするから
風がやんだ
風をふりかえる
愛した肉は
東京で息をする
茜いろを
風を抱きしめた
涙をふいたら
さよならの意味
....
さらしてしまえって君は言うけど
私っていったい何だろう?
雑誌を飾るあの子みたいに
真っ赤なフリルも着たいけど
「似合いっこない」でまたジーパン
許してあげなって君は言うけど
欲しい欲 ....
さびしい、
さびしいとは
どういう場所からやってくるのだろう
感謝が足りないから
さびしい、
感謝にみたされていても
さびしい、
感受性の問題で
さびし ....
A・・・アンパンマンに・・・
アンパンマンのアニメに「肉マン」というキャラがいたら面白いのに・・・とは随分前から思っていた。ここで勝手にどんなキャラか解説したいと思う。もちろん顔は肉まんであり、 ....
くしゃみをひとつする、と
私たちは地球儀から滑落して空に溺れる
あの日グラウンドから送った影は
手をつないだまま鉄塔に引っかかっていて
捨てられたビニールのレインコートのようだった
バス ....
風になり、花になり
ずっとそばで―――
今日は街に雪が積もって
めったにないことだとニュースでも騒いでいました
わたしはそのことが少しばかり怖くて
あなたの手を握ったのです
やわらかく ....
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