潮飴は砂糖と海水1:2 沖波駅の名産品です
灯台の指令届かぬ海底に誰かが飛ばした風船のくず
「鼻血ってなんだろうねえ」「なんだろね」しゃべるクラゲの触手は赤い
「 ....
金星が右目で木星左の目月が微笑む口のようです
片方の翼の折れた失速を
取り戻すまで我生きるなり
置いてゆく荷物の重さは測らない
翼の先を大事に繕う
夜の風 羽根のひとひらも凍みてゆく
翼よ向こうに朝が待つ
失っ ....
「キレイだよ、誰よりも。」
鞍馬口駅のトイレでそっとつぶやく。髪を直して、グロスを塗って。そうして見つめる鏡越しの自分に向かって言っているものだから、他人が聞いたら「アホちゃ ....
口笛で呼んでください思い出を真昼の空に漂っている
だれひとり走りつづけることやめぬ屋上からみた校庭スロット
きのうより遠くでそよぐ口笛がきこえるならば、きこえるならば
ビルは氷柱(つらら)のようであって
交差点に、滴る微笑の鋭角が
夜はひときわ映える
空は無限の海にはあらず
月のマンホールに、僕らは吐き捨てる
ばらけた感情語
それを生 ....
折り返す列車は濡れて雨粒の数の約束待つ河原町
烏丸のホームで制服のリボンを揺らしてあの子は白線を踏む
閉じかけた夏の絵日記直線では描けなかった桂の警鐘
高 ....
ペンの銃座から覗き見る世間ランボー
昏がりの街に羽綿の引き金
その弾道を解析せよ!ランボー発砲
....
■ミッドナイト・シャワー■
ミッドナイト
月のナイフで切る指に怖いほど、まだ滴るカシス
甘い、赤
舐めて
瞳に翻る
純情、孤独、叫ぶキラメキ ....
ゆきすぎた夏のよこがおを
どうしても思い出せない
急行に揺られて
日よけを半分だけ降ろす
だれもいない改札で
追いかける風は
やさしいだれかと
海のにおいがして
すれ違う夏のよ ....
夏の夜の裂け目から
蝉の抜け殻は現れる
その内部には
恐ろしい秘密が詰まっている
それがこのもろい構造を支えているのだ
眼には真っ赤な悲しみを湛えて
どこまでも透明な孤独が
今夜天の川と ....
見えない子供の夢ばかり見る
うたと声を指さしている
かすかな鉄の飛び去る音
鐘に落ちる音 水に落ちる音
岩を擦る木
火ははじまりを燃し
ほどきほどかれ 姿むすぶ ....
もうだいぶ短くなった青鉛筆を
今日も必死に削っている
先を細く細く尖らせなければ
気がすまないんだ
そのくせ
極度の尖端恐怖症なものだから
どれほど尖っているのか
目で見て確かめることも ....
冷蔵庫の中に
一本だけしまってある、
完璧な缶ビール。
街に流し込まれた
ゼラチン状の夏が、
扉をくぐり抜け、
僕の型を取る……
....
草刈の
虫のざわめく農道に
白いシャツをはためかせる
たちこぎの少年
雷雨にぬれる
つかわれない傘を握り
たぶんすこしにやけていた
長い髪の少女
生ビールをゆっくり
味わうよ ....
いつも、つねに
私の体を流れる
“冷たい風”
どこから
吹いているかは、分かる
北 でもなく
ましてや 南でも ない
私の心の暗闇から、だった
二度と還りたくな ....
(1)
明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
細長い一日の側面には
たくさんの出窓が一列に並んでいた
窓枠には下手な絵が嵌め込まれていたから
僕は脇目もふらず
いったりきたりするしかなかった
細長い一日の両端には
それぞれにひ ....
おれの妻には
感心する
女の共通なんだけど
純粋なんだね
演技なんて
全然ない
嫌いと好きが
はっきりして
俺のこともぼろくそに
言うが
時にはめっぽう
褒めてくれる
計算もな ....
生きるために
命をいただく とは
こういうことか
無心で
はらぼての小魚に食らいつく
わが子の風景を眺めながら
しみじみ 思った
ああ 悲しくも
プラスドライバーで マイナスネジは回らない
どんなに冷たくされたとしても
きっと何時かは回ってくれる
どんなに首をかしげていても
きっと笑って回ってくれる
....
尖ったように見える
そのてっぺんに登ってみよう
と思います
くだらない場所と言われてる
そこへ自分の目で確かめたくて
登ってみようと思います
....
切り刻んで袋に入れた新聞記事は
目を離したすきにもぞもぞ動きだしていた
記憶と考古学
預言者と未来
それぞれ近づいたところを
手のひらで思いきりたたきつぶして
遅ればせながら
宣 ....
すこしだけ怖いことを考えたくて
夢の中で君を消した
白い朝がやってきた
さよならが乾きたてのころ
・
・
・
机の上に散乱する単語帳
角が折れてめくれてゆく
覚えることと忘れないこ ....
例えば今
あなたが紐解いてゆくことによって
ここで、見えている言葉が
変わってゆく/色を増してゆく/難関になってゆく
不自然な衝動に
掻き消されてしまいそうになっているそれを
きっと守 ....
「リトマス紙がなにでどうなるか」のように忘れてしまいたい夏がある
まだ明日を信じていたからサヨナラを 告げた渚にゆらぐ太陽
ケンケンで駆けた砂浜しゃらと鳴る 乾いた粒子、ただ熱 ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために
....
* 1
愛無しには生きられない
わたしは本気でそう思っていた
* 2
あの水着もそうなんだけど
これもなんだよね
目新しさは常に外側からやってくる
そんな時代になった ....
おばあさんが今週入院することになった。
聞いたのが今日の九時くらいに突然言われた、
一言でいうと、寂しくなるなって思う。
寂しいなんて言葉ではないけど、もっと複雑だけど、寂しいって言葉に行 ....
向日葵畑で飛び交う笑顔には
スイカの玉が よく似合う
夏を詠む右手に 夢から抜け出た指輪
七夕に見つめ合う男女に 嫉妬して 花枯らしても意味ないし
数多のホタルを 天の川に放つ
真っ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11