あなたが深く絶望するとき
世界は絶望するけれど
その世界はぼくの世界とは違うのだけれど
そのことでごめんなさいと思うのは
あなたの絶望の世界のなんだろう
ぼくは
まあこんな人間でやってきた ....
「落雷」

本当はなにもいえない
脳梗塞の後遺症が残った人の
下の世話をしたとき
涙ポロポロ流して
その人俺の事怒ったっけ
俺はあの時立ち竦んで
10秒間
職務放棄した
それが俺だ ....
グザヴィエドランの映画みたく


君に贈ったプレゼントと


君からもらったプレゼントが


最後には


ぜんぶ空から降ってくる


ひとりきりの


水曜の
 ....
何もない
仄昏さだけが立ちこめている

空たちがおとずれてくる
幾枚もおとずれてくる
それぞれの世界を覆うのに
疲れてしまった空たちだ
日や月や星を宿し
雲を抱き雨や雪を降らせることに ....
•なのだ首相 廃品回収業 自治会長
•シャークスキンゴム スイミングインストラクター
•抱擁ボーイ 引きこもり 中学二年
•スカーレット小原 バツイチ主婦 クレーマー
 ....
今日の予定だとか
そういうことよりもずっと前に
今、ということが
どういうことだがわからない

それだからいつも
前の一行をかっぱらってしまって
髪を切ることも忘れて
町へ出ていくのだ ....
生身の人間は気持ちが悪い

高校のときの
国語教師は定年間近の
婆さんだったのだが
いつも両手一杯に荷物を抱え
学校の行き帰りをフラフラしながら
歩いていた
その婆さんは俺の担任なので ....
鼻歌は
ド♯がどうにも上手く出せなくて
メロディーは誤植した看板みたいになった
でもギャラリーなんかいなかったし
空は穏やかに晴れていたから
俺としてはそれでも悪くはなかった
良く出来た結 ....
{引用=線を引く
すると
くわわり
へる
ディメンションが{ルビ幻視=みえ}る



駱駝にしょわれ
千里

息の中には
妖精も
居る
妖精の過去も
有る

おき ....
本当のことはとても静かにやって来る
俺がそうだと声高に叫んだりなどしない
気づいたらいつの間にかそこにいる
迷うヒマなど与えてもくれない

ハーフムーンに見下げられながら
凍えて帰った ....
イッテラッシャイ、は留まる人の台詞。踏み出したいのにまだここにいて。動かなければそうと気づかれないまま緩やかに死へ向かえることさえ知っている。駅ビルの、安っぽいステンドグラスの中が一瞬だけ光に満たされ .... 美しくて感度的な景色を見て脳に伝達し認識させるのは眼
どす黒くて汚いものを見てしまうのも眼だ

呼吸を繰り返しながら喉は言葉を声に変換し
個が他へと意志や感情を伝える

口は休みなく活動し ....
デュカットは静かだ
それからエレミア、彼女の犬
犬は饒舌だ、名前はクーパー
クーパーは今日一日元気だった
川辺で古い骨を拾った
それは太古の地層から掘り出されたダイナソーの尾
というわけで ....
耳の奥
誰も追い駆けて来ない場所に
音楽は流れ始める
好きな季節に
理由など聞かないで
無意識の中に
溶けてく気持ちが
虹色の服に着替えている
敵も味方も分からずに
優しさを遠慮なく ....
{引用=生者と死者}
安全地帯の植え込みで
ラベンダーは身を縮める
風花の中
一株一株寄り添うように

周囲には細く背の高い
雑草が取り巻いている
枯れ果てた骸骨たち
立ったまま風に ....
若くて自称詩人というのは
何とかして全うな道に戻して上げたくなる
頑張って勉強して良い大学に入って
スポーツに汗を流して
友だち沢山作って
恋愛もしてってね
自称詩人って下手をすると
犯 ....
意識の表面に 皮膜のように貼りついた
夢を剥がす 淡哀しく雪が降る ログイン
ログアウト 扉の向こうに 景色をしまい込んだまま
日々は眠る ログイン ログアウト 小さな痛みが
星のように瞬く  ....
暮れの空に 巨きな曇が
ひとつ浮かんで動かない
街を隔てる径のむこうに
家より高い鉄の樹がある


街へ 光へ
到くもの 到かぬもの
降りそそぐ 機械の星
花の星
 ....
くもりの朝
まくをやぶって
私らは起きあがる

このあたりじゃ今日もビルが倒され蜜が降ってくる
クリームソーダくまの夢
名前をつけてやるから
こっちへおいで

むかしの歌ばかりき ....
西日のざらざらで
描いた影の絵を
なぞる蜜の指
終わろう終わろうと
切っては捨てた
いろいろな物が
日の沈むあたりで
燃え残って鳴っている
世界と水平な心でいて
こまかい こまか ....
テーブルにこっそりと封筒が届いた
茶色い養生テープがしかつめらしく巻き付けてあった
テープを剥がしてねちゃねちゃ丸めたが
丸めるべきは封筒であったかもしれない
危険なものは遠ざけておくように
 ....
約束だとおもって
ちゃんと5時に来た
新南口に
だれひとりやってこない
犬もこないし
鳥もこない
なんだよ
かわいい嘘じゃん
それでわたしは考える
拾われなかった小石や
打ち寄 ....
西の畑で長靴を履いて
耕運機を回した
小型の テーラーっていうやつだ
なんでテーラーなんていうのか
ぼくは知らない
テーラーで
でこぼこの畑を行き来した

空は丸く
雲を塗り伸ばし
 ....
こう寒くては
昨日も今日もあったものじゃない
ヒーターのスイッチも加減の憂き目に遭う!
私事を語れば少しく
時間に及ぶ慣わしが 峠の冥さを補っている
「時間愛?」
音を立ててパジャマに着替 ....
ビールにおつまみ
コーヒー
お弁当はいかがですか

そんな感じの台詞を
抑制の効いた
しかしよく通る声でつぶやきながら
小太りの売り子がカートを押して近づいてくる

月曜の午前中
 ....
それから空は夏雲湧き立ち、風は川を越えて丘を越えて、それから線路を越えて団地を越えて、それからあの家の窓を抜けて、あの白い壁の部屋をぐるりと回る。部屋には檻があって虎がいて、虎は檻の中で待っている。誰 .... アルマゲドンの成功したときの音楽
アルマゲドンの成功したときの音楽って何?
ドゥユナビーマイラー

耳が悪い

今日も
信号が渡れている

今日も
信号が渡れているぞ、っとおもう
 ....
今日はぴかぴかに舗装されているから、うつぶせのままで背中の上をどんどん歩いていっていいから。夏になればまた雲が次々とやってきて積み重なるから、ふわふわと背中のほうからすこしあたたかくなる。街路樹の根っ .... 夕闇差し迫る瓜畑
果実は実り
豊かな土で収穫を待つ
後は口に運ぶだけ
一輪の花を摘み取るかのように
育てた瓜を優しくもぎ取る
甘く甘く赤く熟れていた
しわしわの年老いた手に水気と満足を残 ....
窓辺にネコがいる
闇に紛れ部屋を覗いている
近づいても臆することなく
ひげと耳をねかせ目を細めるだけだ

ネコを真似て尾を揺らしてみる
濁点を払うようにはうまくいかない

ネコが跳 ....
高橋良幸さんのおすすめリスト(284)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水は流れるところへ流れる- 道草次郎自由詩7*21-1-20
落穂- 道草次郎自由詩3*21-1-18
かけらになる- flygande自由詩721-1-18
空の憩う処- 塔野夏子自由詩5*21-1-15
自称詩人達の就業及び副業- 花形新次自由詩221-1-11
真っ白な模写- 宮木理人自由詩121-1-9
人間は気持ちが悪い- 花形新次自由詩221-1-7
ブルースを殺(バラ)せ- ホロウ・ ...自由詩6*21-1-3
加減と彗星- 道草次郎自由詩420-12-29
無波動の寝床- ホロウ・ ...自由詩2*20-12-28
いってらっしゃい/即興ゴルコンダ(仮)遅刻- こうだた ...自由詩1*20-12-28
日記なんか書かない- こたきひ ...自由詩420-12-27
デュカットは静かだ- 春日線香自由詩2*20-12-26
調律- ミナト ...自由詩420-12-23
寒波と二日酔い- ただのみ ...自由詩6*20-12-20
これからの日本のために- 花形新次自由詩120-12-16
淡哀しく雪が降る- 塔野夏子自由詩5*20-12-1
夜_迷_灯- 木立 悟自由詩420-11-29
まく- はるな自由詩320-11-21
西日- はるな自由詩620-10-26
封筒- オイタル自由詩6*20-9-24
新南口- はるな自由詩520-9-9
西の畑で- オイタル自由詩319-9-21
ボビー・コールドウェルと僕のために- 吉岡孝次自由詩319-3-30
死んだ感情は線路の上- 大覚アキ ...自由詩218-12-27
幽霊と虎- 片野晃司自由詩1918-1-1
アルマゲドンの成功したときの音楽- nemaru自由詩2*17-4-27
雑草嵐- 片野晃司自由詩1117-3-16
収穫- 秋也自由詩5*16-12-10
night_tonight- ひさし自由詩11*16-12-8

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10