彼女は真直ぐ見つめて小箱の引出しを開きながら、僕にこう言った。

「キリギリスは麦を引き、栗鼠は耳を弾くんでしょう?
 だからこう伝えて。その愛撫は夕暮れの悪いサラダ菜と蓄音機をフラスコに入れ ....
 JUSSAが声をあげたのは
 疲れて帰ってきたわたしが
 テーブルの上に並べられたコップの
 右から3番目を何気なく飲みきった後だった。

 JUSSAは、本気で怒り
 また「ミ」を ....
1.
  窓は開け放たれたイメージ。閉塞から開放された心象。しかし、窓は開放されるわけ ではなく、閉ざされた窓ももう一つのイメージであることは確かなことである。閉じら れた窓の内部空間は、充満した物 ....
兵蔵さんのお顔を 息子さんは知らない
息子さんは知らないのだから お孫さんは全くわからない

お名前は 存じております
この街の 開墾のために入られて
のちに
戦地へと向かわれた御方です
 ....
  (音を落とし {注いい枝ぶりの箱を手に持つ=拙環境ではnepiaの400枚})

美意識は差別に依ります
隔絶の中にこそ華はひらくのです
ああもしもあの暗くぬめった海が私の高台にまで押し寄 ....
城蜜草の土葬のマーチ、「肢」出づるSeeds蒔く
Sui-エルンスト街にて 土星の膜性縞瑪瑙の感凹に
Oh!メロウな一閃、一千銅貨の月はどうか万力に
A、ルコホゥルで歩くポールの電顔にヲッカで蛾 ....
近所には小さな墓地があって
近所には野良猫がたくさんいて
墓地の奥は鬱蒼と暗く
木々が生い茂り
墓地を取り巻く壁は
どこまでも白い

その白さに毎朝
昇ってくる日の光が反射し
仕事に ....
目覚めの呼吸が
ぽこっとまあるい泡になって
光差す天井へ
ふわりふわりと上っていった

仰向けのベッドで
それが弾けて消えるまで
ぼんやりと目で追っていた

ここに置いたはずの眼鏡は ....
最近「顔」について考えるようになった。『ゴシックハート』(高原英理)を読んだつながりで『へルター・スケルター』を読み返したくなり、さらに映画『顔のない目』のビデオも鑑賞しなおしてしまい、もののついでに .... やわなきの、皮膚に張りついて。
あざやくを、知らないように。

ぼくらいは、見ない。感じる。
ことを、知らない、視線。

ぬまくるを、知らない。
(他は流れる)
ように流れるよ ....
裸足で踏む、土は冷たく
北を見て、
南を見て、
東を見て、
西を見て、
それから俯き、土を掘る。
今年もやってきた厳冬と
軍人が抱える白菜にひそむ現実。

キムチ月間が
ここの子ど ....
唇紋のような首飾りをして
一筆書きの花束を持ち
彼女はひとりテーブルにいた



誰もが通り過ぎてゆくうちに
花束は水彩になったので
髪の毛のなかの夜のため
彼女は少し首を ....
その暗がりの
垣根の曲がり角
街灯の忘れた、深いところで
新しい
を待ち焦がれ
いつだって、夢に泳ぐ

暮れては明けて
それが僕らに与えられた規則で
夕焼けには耳の奥で
明日が開く ....
変色を免れていたあの日彼が歌集に閉じた水色の蝶


傷ついて体操座りで一千年蝶の呼吸と風化を見てた


美少年微笑している美少女の水晶体の奥でこはれる


もういちど橙いろの明るさに ....
さよなら。

とぼとぼと歩く夕暮れの影
何本もの電柱の、それと交わる
どこまでも伸びる悲しみ
歩幅の間隔が狭いのは、別に君のせいじゃない


車中に残るカセットテープ、再生すれば
爆 ....
        部屋からの風景は
        丁度こんな感じだ
     そう、丁度こんな感じだ
     この辺で頭出してるのが
     ほのぼのレイクのネオン
        隣の ....
街角に立った色とりどりのクラゲ達を通り越し
遠い異国の地を見た
花を売り
花を買い
枯れていく買い手
クラゲ達は幼い日に見たガラスの目
ここにはなく
海ではなくて空を踊る
しかめっ面の ....
最近、ハンリュウという言葉をよく耳にするが、実は今ひとつよく分かっていなかった。
それが韓国の芸能人についてのブームであることまでは辛うじて分かっているのだが、その中身となると全くおぼろげなもの ....
夜が白々と明けると通勤が俺を捲くし立て俺は走り
俺は走るが走っているのは通勤快速だ
くそっ!通勤だ
くそっ!快速だ
身動き取れないそれでも走ろうとする俺の背中にボインちゃんのボインが
ポ ....
 僕は高校生の頃常習的な遅刻魔だった。遅刻をすると気持ちがいい。朝のしまった空気の中、誰もいない通学路、僕一人で歩くと何もかもが新鮮に思えた。休み時間や自習の時間は気の合う仲間と学校を抜け出し、子供の .... あなたが徐々にしなり
あなたの腕がしなやかに湾曲し始め
それが良いことであり
あるかのようにあなたの腕の湾曲を
私のここから私は俯瞰する

キトキト、糸の車
からまりほつれ
て ....
萩尾望都私論というより好きなこと書き散らしているだけのような気もしてきたが、これは続ける。好きなことをやるのは好きだ(当たり前か)。なんてことを書いてる場合じゃなくて、ひとつ言っておかねばならないのだ .... さて私は嬉しい。ようやく1970年代後半にたどりついて、今から『スター・レッド』(1978〜79)のことを話せるからだ。この時期の萩尾望都はどっぷりとSFの人になっていて、ブラッドベリの短編や、光瀬龍 .... 『11人いる!』(1975)の続編は、『東の地平・西の永遠』(1976)だということになっている。登場人物は同じだし、話は続いてるし、まあ間違いなく続編ではある。ではある。ではある。ではあるけどな、あ ....  
  ★ 落ちてくるラメ入りの空
  高架線の駅からは
  遠くが見える
  夕方のラッシュ時の
  高校生のおしゃべり
  同じ空に目をくれるものはいない
  みんな街に帰 ....
「きょうはパパとおふろにはいるの」
ユキちゃんはすでにすっぱだかで
あたりをとことこ歩きまわってるので
父さんもあわててすっぱだかです。

シャンプー シャワー
ちょっとした格闘のすえ ....
飛び出した街で
晴れない空が
灰色の夢に朝を待っている
電信柱の下の窓辺では
気象予報士が雨だというので
ブラウン管は沈黙したまま
喋らない

ここでは僕等の関係が希薄だというので
 ....
    ぼくの20歳年上の友達は
    ぼくによく似てる
    独りぼっちで、愛を知らない



    彼はぼくとは違う
    中身じゃなくてね、見た目
    彼の両 ....
定刻の十分前に飛び出した
マンションの駐車場では雨の余韻
生まれたての水たまりには波紋
また 小雨
浸るよりも先に 走らなくてはいけない

休み 休み 土曜は休み
流れる空気の弾力さえも ....
詩評がつらい……詩を書くのもつらい……書く自信、皆無なり。文章の書き方忘れた(笑。つらくて腹こわした。下痢ぴーである。すーぐストレスで下痢しちまうんだ、私は。とはいえ嘆いていてもしかたないんで、慣らし ....
青色銀河団さんのおすすめリスト(570)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
図書室の記憶- ういち自由詩1*05-1-21
- 緒方ハリ ...自由詩1005-1-16
窓の断章__その一_−飛び立てない君に−- のむ自由詩205-1-10
兵蔵さん- ひより散文(批評 ...7*05-1-10
起想録より- やなし未詩・独白105-1-10
寓話- 六崎杏介自由詩105-1-10
墓地の壁- 岡部淳太 ...自由詩7*05-1-9
海を抱く- RT自由詩505-1-8
朝から_どうでもいい話- 佐々宝砂散文(批評 ...6*05-1-6
おうあいの、やはぐときに。- いとう未詩・独白11*05-1-5
キムチ月間- かのこ自由詩405-1-4
ノート(テーブル)- 木立 悟未詩・独白405-1-3
- 霜天自由詩605-1-1
第六世界- 本木はじ ...短歌805-1-1
美しき日々- 自由詩204-12-30
字景- たいにぃ ...自由詩10*04-12-26
海月- 暗闇れも ...自由詩3*04-12-25
ハンリュウについて知ることの全て- がらんど ...散文(批評 ...2*04-12-23
通勤快速- たもつ自由詩1104-12-16
感性(なんだかうまく_まとまってません)- Tシャツ散文(批評 ...8*04-12-13
湾曲- たもつ自由詩1004-12-9
萩尾望都私論その6_私の赤い星2「母への憧憬」- 佐々宝砂散文(批評 ...304-12-8
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萩尾望都私論その4_十年目のスペースストリート- 佐々宝砂散文(批評 ...504-12-4
人はみな歌をもっている- 天野茂典未詩・独白704-12-3
シング・ウィズ・ウルブス- 角田寿星自由詩604-12-2
ジオラマ- 霜天自由詩504-12-2
彼とぼく- アルビノ未詩・独白204-11-28
土曜日の上気- たちばな ...自由詩604-11-28
萩尾望都私論その1_まえあがき- 佐々宝砂散文(批評 ...1004-11-28

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