夕陽に向かって



加賀一の宮駅裏の公園から
手取川にかかる橋を歩き
まん中のちょっと手前で
深く一息


  トン トン トン トン と
  公園の方から三つ過ぎの僕がや ....
ピカソの絵のおとぎばなし
に耳をかたむける
今夜は月が半分かけている

狭い門をくぐると
ひとり占いする女
古い木のテーブルの上
その手のなかの
おどろくべき神話

ランプのほかげ ....
林のなかのどこからか降る
ぼやけた影の重なりが
手首にふたつ震えている
青と緑の輪はまわる
音は少女の手にむずがゆく
降りつづける影をゆらす
鱗の血が
花の血が
笑 ....
それでもゆく
やわらかさを固い外皮でくるみ
吹きすさぶ風に
涙などすぐに乾くだろう
ずぶずぶとはまりこむ
湿地帯のような母性など
もはや要らない
踏みしめられた乾いた父性が
一足ごとに ....
オトナでもコドモでもなくて、トモダチでもコイビトでもなくて。
ただ背を合わせあって、互いの温もりと心音を確かめ合っている。

青すぎる空に内心、恐怖しながら、まだ見ぬ明日をバカにして。
何処ま ....
あたしのこと
なぐり書きして
ひたいには0、
あとは
力いっぱいで
でも
しんけんに

体中の
ぐちゃぐちゃ、の
なかみは
黒 だった

HBとか
ほくろとか
まばたき  ....
ぼくにはあしが二本あり
うでが二本ある。
どうたいが一つあり
しかもそのどうたいには
おもてがあり
うらがある。
あたまが一つ、かおが一つあるのだが
左のあしを三十分
右のあしを三 ....
ふにふにした
ウサギの人形抱っこして
車のライト数えて遊ぶ

冷たい香りのする空に
ふわりふわりと浮かんで泣いた

今日は特別

白いウサギの人形

連れて来た

ウサギの黒 ....
花を負う花が雀になり
鴉にやさしくついばまれている
音は聞かれる間もなく火となって
水だけを求めて落ちてゆく
別の音が別の音を得て空に生まれ
二羽の鳥の背の上から
川に沈 ....
ゆうべ あなたとお酒を飲んだ
ブランコ通りにあるマギー・メイというバーで
このバーに私は一度だけ来た事があった

あなたは久しぶりに来たという

長い髪を束ねたバーテンの女性
凛とした立 ....
しようよ、って
いって どうぶつみたい
なんでもライオンみたいに
がおう!
おおきなくちをあけて
たべる
きもちいいねえ
ひきちぎるか
ひきちぎらないかくらいのちからで

はだかで ....
冬の芽を切り開き見れば春花のホムンクルスが折りたたまれて

ビロードは蕾の守り手のひらを合わせたかたち銀の針山

溢れ出る支度を整え旗手は待つ溢れ出るとき合図するとき
                       きゃらめる 1

  とけい

  1

あさおきて
さいしょに
とけいのふりこをとめる
かおをあらって
きがえをして
おちゃを ....
いちばん最初にその音を聞いたのは
体育の時間
運動場のまんなかで
野球をしてるみんなにまざって
ちっちゃい歌をうたった
こんな歌、誰にも聞こえないよーって
言うみたいに ほら
誰かがホー ....
夜中に枕元で谷川俊太郎が詩を朗読している
確かな滑舌で(谷川さん)
完璧な技術で(谷川さん)
「ここは台所ではありません(谷川さん)」
谷川さんは「定義」を読み終えると
次に「ことば ....
遠くは近くにある
カーテンの裏
机の引き出しのなか
本の一ページ
遠くへ行きたいな
君と遠くへ行きたいな

ベッドにうつぶせになって
すうっと体がのびた
魚になった気分
黒い海を
すうーっと泳いでるような気がしてたけど本当は
まな板の上で
最後のお願いをする
まず頭を切りはなすために
 ....
そいつは結構な男で
今は版画を作っている
中学校のとき、鉄棒で
ぐるぐると大車輪をやったときは
体育館の皆がざわめいた。

そいつは夏休み、
1枚5円の画用紙を買って
30日間、ぶっ通 ....
蜆売車力木造鯵ヶ沢
大回遊秋刀魚塩焼柚子大根
不来方の初っ切り相撲の勝ち名乗り
[さ]


さあ差し向かいで
鯖煮
里芋
さよりの刺身
薩摩焼酎
差しつ差されつ

さわさわさざめき
早苗さみどり


さかなではさかしら
さかねじはさかうらみ
さしず ....
☆萩原隆詩「氷海」の場合




白い皿の上で
蟹を解体する

節という節をへし折り
甲羅を割り
白い肉をせせり喰う
朱金色の脚の内側を裂き
固いはさみを砕き
脳味噌をひらき ....
君と僕は天気予報をしよう。小さな声で。今日のことで明日のことを考えるので、植物がのびるようにそのまま続いていくから、おぼろげな勘でいい。


ウェザー・リポート、ウェザー・リポート。スープはトマ ....
鼓動の響く夜に
僕らは
互いの石を探しに海へ駆けった
ひざ下まで埋まる光の棉を踏みしめて
薄い呼吸を散らして
僕らは
過去を ひそめる

今宵
君があんまり強く握るから
はしゃぐか ....
朝が沈黙している
少し開かれた窓辺の片隅で

その隙間から海に似たものたちが
ぼつり
ぽつり
と入り込んでは
満たそうとしている

出会ったばかりの幼子は
「さようなら」と ....
脊椎小脳変性症による両上肢機能の軽度障害 6級

両下肢機能の著しい障害 2級

心内膜床欠損症による心臓機能障害 1級

脳性麻痺による日常動作が殆ど不可能な両下肢機能障害、歩行が不 ....
なぜ これほどに哀しいだろう
秋は雨粒の輝きのように
軽々と走り去り
数々の贈り物を
私の町に残していった
その道を
にこやかな天使が歩み来るのに

あなたが私の朝となり
あなたが私 ....
誰にでも 好きです
好きです と言って
みなを集めてまわる詩人を見て
自分は死ぬまでひとりでいいや
と思った


誰からも 好きです
好きです と言われ
みなに囲まれている詩人を見て ....
初めての男の子を
六ヶ月で持っていかれた母は
あらん限りの声を
張り上げ

それはどこまでも澄んだ
秋の青空に吸い込まれていった

その煙もやがて
秋の青空に吸い込まれていった
 ....
夕焼けの頃)

机の上、広口ビンの透明な壁面には
「真空」と書かれている

私はただ、じっとそのビンを見つめているだけだった
あなたはそんな私を若かったのだと笑うだろうか
あるいは、 ....
自分の名前がついてるとも知らず
いわしは
雲を見ていた

自分の名前すら知らないままに
その赤く染まるのを
青色銀河団さんのおすすめリスト(570)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕焼けが足りない_12- AB(な ...自由詩404-1-15
追_憶- 藤原 実自由詩204-1-12
連輪の蛇- 木立 悟自由詩504-1-9
結界種子- こん自由詩3*04-1-9
不安定な僕ら- 染井ウト自由詩104-1-9
いちばんはじめに消えてしまいたい- みい未詩・独白5*04-1-1
古式タイマッサージ- 狸亭自由詩303-12-31
12つき- 暗闇れも ...自由詩103-12-29
降り来る言葉_Ⅶ- 木立 悟自由詩303-12-29
マギー・メイ- 野島せり ...未詩・独白4*03-12-29
ライオン・クリスマス- みい未詩・独白6*03-12-25
十二月の白木蓮- 小池房枝短歌503-12-25
きゃらめる_1- アンテ自由詩4*03-12-20
とろうる- みい自由詩3*03-12-17
夜の谷川俊太郎- いとう未詩・独白503-12-15
遠くへ行きたいね- そう自由詩203-12-14
電気を消して- みい未詩・独白13*03-12-14
大車輪- コンパス自由詩203-12-8
米紅- コンパス俳句203-12-8
五十音頭韻ポエムさ〜そ- 佐々宝砂自由詩6*03-12-7
風のオマージュ_その10- みつべえ散文(批評 ...1203-12-5
ウェザー・リポート- nm6自由詩603-12-1
硝子の石- バンブー ...自由詩403-12-1
卒業- たもつ自由詩503-12-1
_- 自由詩8*03-11-30
なぜ_これほどに- 刑部憲暁自由詩203-11-28
ノート(ひとり)- 木立 悟未詩・独白403-11-27
どうして降ってくれなかったんだろうね- AB(な ...自由詩403-11-25
夜明け前に- たもつ自由詩1803-11-25
いわし雲- たもつ自由詩1603-11-19

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19