あなたはわたしのことを
とりあえず丸呑みにしてくれていた

易く消化できる部分は
笑いとともに吐き出した
易く消化できない部分は
嗚咽とともに吐き出した
おかげで
易々と呑み込むことが ....
無気力な日々を過ごした助手席で明ける夜から逃げ続けていた


草むらに仔猫のように丸まったビニール袋が孤独をくるむ


光無き音の世界の悪夢なら早く醒めてと手を震わせて


口走る言 ....
風吹く道を歩いていると
草原の中に
なにか光るものが
僕の目にうつった。

それは薄い薄いガラスのような
氷のように冷たいフィルター。

僕はそれを目に当ててみた。

世界は悲しみ ....
太陽に撃たれてしまった今日という夏が私を浄化していく

反乱の白い日傘を青に塗りわたしと空が同化する夏

「その花を頂きます」と来る予告、たぶん夏には盗まれている

風鈴の ....
驟雨と不可視的な大気からの氷の噴霧によって
夏の果物たちはいっせいに腐りゆく

森の中
まだ碧々とした葉のはざまに立てば
濃厚なる芳香
甘酸っぱくそして酔いをひき起こす淫靡な ....
幕をおろして 劇をはじめる
中枢神経に 花がさくとき
ほんのわずか きみの頬をそめる
熱量が欲しくて まいばん
星の軌道を めぐってくる
剥離する夏と
隣に立つあなたの
好きな花は桜

夏は蝉しぐれの木に変わる

あの
時間を燃やす歌声が
肌に刺さって
泣いたのは
悲しかったからじゃなくて
羨ましかったからだと
 ....
神秘的な存在だとか
存在の神秘
なんてものは
そこら辺中に
いぎたなくころがって
散らかっていて

あえて
これが 存在の神秘です
などと言われても
どうにも気分が出ない

意 ....
マウンドに立っている
誰も守らないグランドの真ん中

ほんの少し前まで
外野で黙ってろと
生えた草むしりとか
雲数えたりしていたのに

気付けばマウンドに立っていた
大きすぎるグロー ....
近くにて花火の爆ぜる音のして
幼等の声 広がりてゆく

指染めて高菜をもめばよみがえる
故里の畠にゆるる菜の花

窓明けて寝ながらに見る夏の夜
高層ビルの窓に動く人影

夕立の前 ....
無理矢理はめ込んだ、
パズルの回答。



断続的な振動と、微かな

明滅を、



四角い気持ちを雨の

気配に、紛らせて…。


抑制、と
諦念
 ....
梅雨が明けたそうで
なにより

街を歩く

至る所で
白い携帯電話を手にした人を見た

どれもこれも白一色で
夏空の雲みたいだ

白でなければ
つながらない話があるようで
 ....
明日、現代詩フォーラムの会議室『関西好きやねん会』のオフ会があるわけですけれども。。。

祖母宅に行きまして、
「明日、現代詩フォーラムで短歌とか書いてる人たちに会ってくるねんけど」

話 ....
手の内ではじける
しゃぼんだまに似た空に
遠い影を投影しては
また、見上げている
 
影送りだなんて
とうに忘れ去られた遊びを
何度も、何度も
繰り返して
 
 
空を横切る
 ....
あの夏のサナギの記憶はありますか
(ランドセルに隠した羽根の罪)




「人生が退屈なんだ」とつぶやいた
僕を殴るように 夏が 夏が 




しましまの正義を装填した銃を抱 ....
薄い青風と坂とアラームと

始まりは 皮肉な光と 脱力感

踏み切りが私を呼んだ白昼夢

時間には逆らえないねと十六時

夕焼けは君が言うほど赤くない

食事なら色彩欠如の晩餐会
 ....
手の上にカプセルの薬あそばせて
次ぎ編む服の配色と決む

夢に見しことくり返し夫語る子等は
留守にて話題ひとこま

硝子戸に写る雪影大きくて二人の夜が
童話めきくる

首すじ ....
 
 
狼のように
ばっくりと口を開き
世界中の悲しみを吸い込めたら
どんなに平和だろうか
 
 
夏の夜に
ふと気づくと手元にある
一枚の折り紙は
すやすやと寝息を立てて掌にす ....
十年以上も昔の地図と
現在の地形を見比べている
かつてあそこには
二つの山などなかった
かつてあそこには
草など生えていなかった
その草原の奥にある
深い谷から水が溢れ
湖となったそこ ....
うちわをあおぐ
私は
縁側で
入道雲を{ルビ見遣=みや}る

庭では生垣が
真っ青な息をしている
深い静けさに みちて
遠くで ひもす鳥が ないている

山の ふもとを流れ ....
全てのものに意味があり
全てのものに価値がある

だけど

価値のあるものに何かを足すと
その価値が崩壊してしまう

どんなに感動的な絵画も
どんなに衝撃的な歌詞も
どんなに有名な ....
ゆっくりと回っていた
気がすんだ頃には夕方だった
ちゃくちゃくと網目のような道をわけいって
最後についたのは少し丸くなったひみつ基地

眠りにつこうとしている
朝まで待つことはあきらめてい ....
  

  めずらしく早く目覚めた僕のからだを
  新鮮な蒸し暑さがつつむ
  起き上がりカーテンを開けると
  朝焼けが感傷的に笑っている
  四階のベランダから道路を見下ろし
  高 ....
その花には名前はなく


道の隅に ひっそりと咲いていた





それをみつけた きみは

その花に名前をつけた




その花は、あたらしい「いのち」を与え ....
なにかを救わなきゃとか成し遂げなきゃと
駆り立てられるのは結構だが
それもすべては勘違い
誰も、何も、求めてはいないし
誰も、きみに、期待してはいない

ごくりと野菜ジュースを呑み込め ....
うすく

たなびいてゆく

いま

あなたといることが

しあわせです

もし いつか
あなたといられなくなっても
しあわせでした、と
いえる
かくごが
まだ
わたしに ....
いま
あなたが話しかけているのは
だれですか
透きとおったまなざしが
つかもうとした
青い空はくろく汚れてしまって
はいいろのかなしみが
あなたを見つめています
それでも
だれかに知 ....
あの緑陰に佇んでみたものは
光るまちだったのか 雲の流れになぞらえ
かすかに形を変えてゆく思いなのか
今はもう分からない黄昏に包まれる
やるせない影ばかりがのびて 路に夕べに


項垂れ ....
背中が守られている
抱擁でなく
囁きでなく
いつも見えない後ろが
守られて温かい
そんな気がしている

口元が護られている
くちづけでなく
言い付けでなく
冷たい言葉が洩れない ....
   一  アンタレス disk1


君と夜の海辺を散歩していた、
はずなのにいつのまにか
空を歩いていた

頭上に、海
でも今日はよく晴れていたから
涙の一滴も落ちなくて ....
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